早いもので、みんカラを初めて今年で18年になりますが、様々な理由によりアカウントが今の物で4つ目となり、過去のアーカイブが消えてしまっているので、過去に所有していた車両の中で特に思い入れの強かったモノに焦点を絞っていくつか
プレバックレビューという形でアップしたいと思います。旧車人気に拍車がかかる中、あえてちょっと古いモデルに乗りたいと考えている方の一助となれば幸いです。
~996GT3クラブスポーツ~
私が人生で初めて買ったポルシェGT系になります。GT系のルーツは空冷RSモデルにあることは皆さんご存知の通りかと思います。993→996へと代替わりする中で、ネガティブな意見の中でもっとも大きかったのは
「硬派でなくなってしまった」という批判です。今振り返ってみると、993までの空冷モデルも、少なくともカレラ系に関しては大して硬派だったわけでもないように思いますが、何故か当時はこのような批判が大勢を占めていました。そこで、ポルシェがファンの批判を封じるために投入したのが
初代996GT3です(いわゆる涙目と呼ばれるGT1顔のモデルです)。で、この初代996GT3はABSこそ備わっていましたが、それ以外はトラクションコントロールも、スタビリティコントロールも一切ない、
ピュアなスポーツモデルでした。
996GT3には前期、後期共にロールケージが張り巡らされ、フルバケットシートと6点式シートベルトが奢られた硬派なクラブスポーツ仕様と、通常のレザーシートがデフォルトとなるストリート仕様が存在しました。一方、エンジンやブレーキシステムなどの基本装備は共通でした。私は当時サーキットに
どっぷりハマっていて、いつしか997カレラでは物足りなくなっていました。本当は997GT3クラブスポーツが欲しかったのですが、悲しいかなその財力がなく、ある意味
妥協の産物として当時は低走行距離でも800万円そこそこで買えた
996GT3クラブスポーツを選択しました。購入したのはポルシェの中古車専門店オー〇ス〇ーツさんでした(実は同じ時期に、同じお店に、同じくらいの価格で走行4万キロほどの993RSがあって、どちらにするか迷った記憶があります)。
この後期型996GT3CSは2年ほど所有していましたが、それこそ峠に、サーキットに、オフ会に、と
八面六臂の大活躍をしてくれました。多分クルマというものを人生で一番走り込んでいた時期ではなかろうか、と思います(みん友さんとリアルにたくさん絡ませて頂いたのもこの頃ですね)。で、このクルマの特徴はとにかくRRなのにハンドリングが
素直で
軽いということにつきます。また伝説の(?)通称GT1クランクケースMetzgerエンジンは381㎰を発生し、8000回転オーバーまで軽々と回りました。FSWのストレートでは
270km/h近くまで出る今の時代で見ても
高い性能を持ち合わせており、ロールケージやスポット増しの効果で
巌のようなボディ剛性感を持ち合わせていました。ちなみに当時はサーキット通いをしていたので、敢えてPCCBは外して社外品を入れていました。
余計な電子制御を持たない
ピュアスポーツであった一方、限界域でのハンドリングは結構シビアで、PSM付きの
997カレラとはまったく操縦性が異なりました。袖ケ浦でコースアウトしてグラベルに思いっ切り突っ込んで
赤旗を出してしまった苦い思い出も、今となっては良い思い出です。物凄く気に入っていた996GT3CSでしたが、どうしても
200台限定の最上位モデル、996GT3RSが欲しくなり、結局買い換える事になりました。やはりどんなに996GT3を極限まで仕上げて行っても、RSにはなりようがない、という事が分かっていましたし、何より人生で一度は
真のレンシュポルトを所有してみたい!!という欲求に抗う事が出来ませんでした。でも、これが大きな間違いだったんですね(苦笑)。
~996GT3RS~
当時、996GT3はたしかフルローンで買っていて、RS乗り換えの際には残債含めて
トータル1400万円くらいしたのではないか、と思います(それでも今から見ればバーゲンですよね)。ただ30代半ばの私にとってはこの1400万円が
重くのしかかることになります。ぶつけるのが嫌で、純粋なサーキット仕様のモデルなのに、サーキットに持ち込むのが怖くなってしまうという
ジレンマに陥ってしまったんですね。結局、私の記憶にある限り、RSは広場トレーニングを一回と、コースはFSWを一度走ったきり、です。何とまあ
勿体ない話です。で、主に経済的理由から1年とちょっとでこのRSを手放す事になります。しかも売却時たったの880万円ですよ!(とほほ)今考えれば
実に惜しいことをしましたが、後悔先に立たずです。今までクルマを40台以上所有してきて、手放したことを後悔したのって、記憶にある限り996GT3RSだけですね。
とまあRSについてはたしかに所有はしていましたが、私の経済力の無さ、腕の無さのせいで心行くまで楽しむ前に手放す事になり、本当に勿体なかったと思います。きっと今はどこかの腕っこきのオーナーさんの元で元気に走っている事と思います。で、クラブスポーツとRSですが、実際所有してみて一番違いを感じたのは
リアのスタビリティですね。やはりあの物干し竿のようなリアウィングは伊達ではなく、FSWの100Rを怖さ無く踏めたのは
さすがだと思いました。エンジンスペックは一緒でしたが、
シングルマスフライホイールだったので、吹け上がりは
よりシャープだったと記憶しています。逆に、ボディ剛性の違いはそれほどは感じませんでした。
結果的に、
身の丈に合ったクルマじゃないと結局宝の持ち腐れになる、と私はこの時学びました。サーキット遊びをしていた当時はある種
感覚がマヒしていて、中には3000~4000万円級のスーパースポーツカーでサーキットに来ているお大尽もいらっしゃいましたが、今思うとこういう方たちは本当のお金持ちですね。残念ながら、今の財力を以てしても、私はその領域には達する事が出来ません。おっかなびっくり走るRSよりも、思いっ切りぶん回せたクラブスポーツの方が楽しかったし、タイムも出たのは言わずもがなです。まあ冷静に考えればクラブスポーツにせよ、RSにせよ、サーキットに行かなくなってしまった私にとってはもはや無用の長物です。でも、
初代GT3は・・ご縁があれば
峠専用機としていつか所有してみたい、と密かに考えています^^。
Posted at 2022/06/01 14:29:42 | |
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