最新が最良・・ポルシェ911というクルマに於いて、使い古された
クリシェですが、個人的には
997前期型以前の中古の911にしか目が行きませんw。で、同じような考えをお持ちの方で、これから改めて中古の911を手に入れよう!という方が知っておくべきことについて本日は少々語らせていただきたい、と思います
【注:飽くまで空冷~水冷を合計5台乗り継いだに過ぎない、一ポルシェファン(ど素人)の私見です】。
まず、中古の911と一口に言っても、初代911から数えると、901、ナロー、930、964、993、996、997、991、992と
9世代もあります。ご存知の通り、993以前が空冷世代、996以降が水冷世代となりますが、前期型と後期型を分けるとさらに
膨大なバリエーションになります。水冷化以降は、格段に壊れにくくなり、整備もしやすくなりました。そういう意味では維持をしやすいのは間違いなく
996以降ということになります。しかしその996もすでに登場から20年以上が経過しており、ポルシェAGの扱いとしても
クラッシックカーの領域に入っています。空冷911は最後の993でもすでに25年選手で、そもそも程度の良いオリジナルに近い個体は数が少なく
価格も高騰しています。
まずは水冷モデルですが、実は996~997世代も数年前までは市場にタマ数が豊富にありました。が!!ここ1、2年で
激減しています。とりわけMT車は極めて流通数が少なく、オーナーが手放さないのか、海外に流出してしまったのか分かりませんが、とにかく少ない。GT3系のような特殊なモデルを除けば、中古車試乗で流通している全911(合計890台)の内、MT車で修復歴なしの996~997は49台、991を合わせても
わずか55台に留まります
(カーセンサー調べ)。そんな水冷初期世代の911ですが、エンジンの構造上、
インテ―ミディエイトシャフト問題(通称インタミ問題)というモノがあります(他にも997カレラS系に多い6番シリンダー破損問題というのもありますがマニアックなので割愛します)。
インタミ問題については私がかつて泣く泣く997カレラを手放す直接的原因にもなった
ポルシェの黒歴史ですが、その後ポルシェジャパンでリコール対象となり、
国内正規販売車両については無償で点検・対策をしてくれます。逆に、並行輸入車の場合はリコール作業の対象外となるため、注意が必要です。こんな事もあって、一時は露骨に敬遠された中古996~997ですが、今ではある程度安心して乗れるということで人気を取り戻しつつあります(中古市場価格にもこれは如実に現れています)。ちなみにエンジンが破損し、載せ替えとなると、リビルドエンジン単体で約200諭吉、作業工賃も含めると
250諭吉(!)ほどのコストがかかるようです。もし中古で996~997を手に入れて、インタミ未対策だった場合にはただちに最寄りのPCに相談することを強く推奨致します。
一方の空冷モデルですが、
基本構造がシンプルなのと、ボディおよび縦割りクランクのエンジンケースが
異様に頑強なため、基本的には消耗品関係さえきちんと交換していれば、ほぼ半永久的に乗れるのが魅力です。しかしながら、エアコン廻りやポンプ類、樹脂系パーツを中心に、経年劣化で修理交換が必要な箇所が多く、走行距離の少ない一見程度良好な車両を手に入れたとしても購入価格に
プラス100~200諭吉の整備費用を見ておく必要があります。ちなみに水冷モデルに関してはよほどの事が無い限り100諭吉を超えるような整備は発生しないと思われます。そういう意味では、上述の通りランニングコストは水冷モデルに分があります。
ちなみに991以降に関しては私は知識が不足しているので、あまり確実な事は言えませんが、年式的にもまだあまり古くなっていないこともあり、ほぼ
メンテコストは掛からないようです。そういった意味では「最新が最良」か否かは別にして、間違いなく「正常進化」しており、益々手の掛からない子になっていると言えます(フェラーリ辺りと比べるとポルシェはホントにお金が掛からないと思います)。ただ、これも聞くところによると997以前のモデルと比べて相対的に
アッセンブリー交換部品が増えているということで、故障の頻度は多くないものの、実際にパーツが故障し、交換するとなると
それなりのコストはみておく必要があるようです。
様々な社会情勢の影響もあり、現在は一時よりも市場に中古911が出ている状況ですが、今後の
円安進行を考えると良個体は国内需要がなければ
どんどん海外に持って行かれる可能性が高いと思われます。ポルシェが生産した車両の実に
70%が稼働していると言われていますが、その理由はポルシェの車両本来のタフさに加え、本国ポルシェAGが
クラシックカーの整備に力を入れ、パーツを
安定的に供給し続けている、というところにあると思います。なので、買えるうちに気になるモデルを手に入れ、しっかり整備し、めくるめくポルシェライフを(ガソリン車に乗れなくなる前に)堪能することを個人的には強くお勧めします♪
Posted at 2022/05/13 14:17:31 | |
ポルシェ全般 | クルマ