
この日はコロナの修理でした。1時間30分程度で作業が終わるとのことでしたが、昼食時間をはさむため、お言葉に甘えて代車を借りて帰宅しました。カローラⅡのスーパーウインディ、EL41で、4E-FEエンジン搭載車です。
エンジン
1300ccハイメカツインカムエンジンで、97馬力を発揮します。ギヤ比が低いためか低速でも活発ですが、4000回転を超えると獰猛な吸気音とともにパワーの盛り上がりを感じます。今日の低速トルク重視のエンジンではなく、82馬力程度で出てきた4E-FをEFI化して97馬力にパワーアップ、スターレット用では100馬力に達したのではなかったかな?とにかく額面上のパワーをアップすることにどのメーカーも熱心な時代でした。この4E-FEは、EL5#系にフルモデルチェンジされた際、低中速トルクを重視するチューニングに変更されました。たしか88馬力位じゃなかったかな?
低回転では不満がなく、高回転で元気、このエンジンを積んだスターレットがジムカーナなどで良く使われた理由が分かります。吸気音の盛り上がりとともに一気に吹けあがる様は、高効率エンジンとは全く違う楽しみがあります。燃費は分かりませんが、実用車エンジンにはちょっとキャラクターが違うので、その後の変更は自然なところでしょう。
トランスミッション
もはやたぶん軽トラックくらいにしか残っていない3速油圧制御のオートマチックです。上にも書いたようにギヤ比が少し低いようで、街中では活発な走りを見せますが、ちょっとスピードが上がるとギヤ比が低すぎてもったいない感じがします。その点でも、3速ATというのは選んではいけません。安い軽自動車を検討している皆さん、3速ATだけはやめましょう。
乗り心地
15年近く前の、それも9万kmも走行している車両ですので、この辺を語るのはかわいそうです。しかし、リヤがリジッドアクスルなのですが、左右に振られる感じはあまりませんでした。
ボデー
ボデー剛性は程ほどでしたが、最近の車と比べて大きく違うかというとそれほどでもないような気がしました。
内装
これも15年前の車ですので、デザインセンス等も当時と今とでは大きく違います。しかし、91年代末の初代ヴィッツの頃までこのような雰囲気でしたので、内装品はここ5年程度で大きく進化しているといえます。1980年ごろにも、1990年ごろにも大きく進化しました。内装材は、10年周期で大きく進化するような気がします。
まとめ
悪くもない車ですが、特に良いとも感じません。10年近く乗り、なんとなく古くなったような気がしたら買い換える、そんな道具っぽい車です。後の代のEL5#系では徳大寺有恒氏が、「動きました。そうしたら目的地に着きました」車と評していましたが、まさにその通りです。女性が通勤用にこれを買い、次に車を買うのは結婚してから、という風景が想像できる車です。
そんな、絵に描いたような人生設計が誰にでも描ける時代だった1990年代の初めまでの世の中は、1995年の「55年体制の崩壊」「就職氷河期」「OA機器導入による一般職の女性採用削減」で、一気に崩壊してしまいました。その結果、多くの人が仕事にも結婚にも出産にも苦労する時代になってしまいました。あのときの改革は、本当に良かったのでしょうかね???
当時は年配者の雇用を確保して若年者の採用を削減するという選択になりましたが、あぶれた年配者は職安に「部(課)長の仕事なら出来ます。」と言っていたとか??2000年代の半ばにも議論されたことがある、「ワークシェアリング」をすべきではなかったかなあ、と思います。若年者が将来に希望を抱けない国は、暗い未来しか待っていません。最近でも「消費税アップ」が叫ばれていますが、その前に高額所得者の累進課税が必要だと思います。(でもまあ、ワーキングプアの人が努力してもプアなのかというと、たぶん無努力。。。)
その古い時代に設計された車は、世の中の変化とともに居場所を失い、ヴィッツに統合されました。そのヴィッツもパッソの登場とともに大型化し、だんだん値段が上がって今やかつてのこの「タコⅡ」と同じ位置にいます。
車を返す前に、借りたお礼に洗車をしました。写真は洗車後のものです。
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試乗 | クルマ
Posted at
2010/06/27 23:15:40