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2018年07月14日 イイね!

平成30年7月豪雨と気象情報利用法、気象記号の誤認

 先週の西日本豪雨は、ひどい被害が発生しました。この豪雨の前には、気象庁が気象災害が発生する恐れがあることを警戒する記者会見を行うなど、異例とも言える展開から始まっていました。

今週になり、気象庁からは今回の経緯に関する発表がなされています。

災害に至る原因はいろいろあり、これも自然現象の一つといえばそうなのですが、いくつかの言い習わしや、気象記号に関わる誤認も一つの原因ではないか、と考えています。このブログを読んだ方が、今後の人生で気象情報を正しく利用し、寿命が縮まることがないように、いくつかのポイントを書いてみることにしました。

1.今回の雨の原因
 週の初めに沖縄地方を通過した台風7号は、日本海側へ抜けて温帯低気圧へとかわりました。台風(熱帯低気圧)と温帯低気圧は、低気圧として発達する仕組みが異なるのみです。台風は、台風へ吹き込む風の中の水蒸気が結露する際に放出する熱(潜熱)によって中心付近が熱くなり、その熱によってさらに上昇気流が強められることが発達のエネルギー源です。

一方で温帯低気圧は、東方で暖気が寒気に乗り上げ(温暖前線)、西南方で寒気が暖気を押し上げる(寒冷前線)、偏西風の蛇行に伴った大気の循環に伴う現象です。

台風が温帯低気圧に変わる際には、台風の中心から西側に乾いた冷たい空気が流入してきます。一方で台風が通ってきた進路からは熱帯の暖かい空気が流れ込み、暖湿気流があります。日本付近を台風が通過する際には、台風は太平洋高気圧の縁を通ってきますので、台風通過後は暖湿気流がもたらされます。

台風の北側には移動性の高気圧があり、南からの湿った気流は日本を南西から北東に横断する形で流れていました。この暖湿気流と移動性高気圧の寒気の間に前線が出来ましたが、暖気と寒気が釣り合ったまま移動しませんでしたので、停滞前線となっていました。


1.地理的要因
 これまで、瀬戸内地域は「温暖で穏やかな気候」と、地理の教科書などでは書かれています。意外に雪が降る山陰地方と、台風による風雨の被害が発生する高知県と比較し、山に囲まれていることが穏やかになる原因です。

その考え方で行けば上記の暖湿気流は四国山地で雲になり、高知県側は雨で瀬戸内は雨が降らずにフェーン現象になったはずでした。しかし暖湿気流が強かったために四国山地を超え、中国山地でも雲が連続的に発生しました。

このことより、今後は「山の南側では雨、北側ではフェーン現象となるとは限らない」、と考える必要が出てきましたので、瀬戸内が安全という根拠はなくなりました。

2.気象記号がもたらす誤認
1.「温帯低気圧よりも台風の方が強い」
2.「前線を伴わない低気圧よりも、前線を伴う低気圧の方が強い」
3.「温暖前線や停滞前線付近で降る雨は、寒冷前線付近の雨よりも弱く降る」

という誤認がありませんか?特に3の項目は、小中学生の理科の教科書にも書かれており、学校の試験の上では間違っていません。



台風の構造



温帯低気圧と前線の構造

しかし、前線は寒気と暖気の移動について示しているだけで、雨の強弱は述べていません。実際に温暖前線付近の暖気域内では、暖湿気流に伴う強い積乱雲の「テーパリングクラウド(にんじん雲)が現れることがあり、雨が弱いとは限らなくなりました。

一方、停滞前線は東西に延びることが多く、上州流が弱いことがほとんどです。しかし今回は、湿り具合が高く、風速も強(約20m/s)かったことから、「どの方向にも移動しないだけで、暖気と寒気がその場で拮抗する領域」になっていました。

3.雲頂高度と雨の強さ
 今回の雨をもたらした雲の雲頂高度(雲の上端の高さ)は、約7kmだったそうです。雲は成層圏の下でしか発達できず、強い積乱雲は圏界面まで雲頂が到達し、夏ですと約15kmまでにも到達することがあります。雲は圏界面で横に広がるために、雲頂が平らになった状態が積乱雲です。



雲頂高度6km程度の雄大積雲

しかし7kmですと圏界面まで到達していません。雲の分類では「雄大積雲」の状態です。雄大積雲もいわゆる土砂降りをもたらしますが、雄大積雲が連続して同じ場所で発生しては移動することを繰り返せば、豪雨になることを表した件でした。積乱雲ではないから大丈夫、は、全く通用しなくなりました。

4.警戒水位や土砂災害警戒情報と降水
 河川によって、堤防等が決壊する恐れが有る警戒水位が定められています。また、24時間積算雨量がある量に到達すると、土砂災害警戒情報が発表されます。

どちらもある基準点があるのですが、基準点に対して現在の推移や雨量がゆっくり到達しつつある場合と急速に到達しようとしている場合とで、状況が異なります。

車の速度に例えると、時速100km制限の道路で、発車から毎秒20km/hずつ加速している場合と毎秒3km/hずつ加速している車両を比較すると、前者の方は制限速度を超えるおそれが非常に高く、後者は制限速度以内に収まる可能性があります。

すなわち河川の増水や土砂災害は、現在までに降っている雨の量の積算と、現在降っている雨の量と、これから降りそうな雨の状況(≒雲の状態≒風や温度の分布)によって、発生の危険度を予測しなければなりません。

現在、河川の管理や土砂災害発生などは、気象庁と河川管理事務所、都道府県知事や市町村長の間でやりとりがありますが、特に市町村長は上記に鑑み、雨と雲の状況から災害の発生を予測しなければならない、と感じています。

 以上のことから、「低気圧や前線だから大丈夫」などといった、素人判断や言い伝えを捨て、これからの時代の「身の守り方」を考えなければならない、と思っています。
Posted at 2018/07/14 15:35:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | 気象 | 日記
2018年05月03日 イイね!

5月4日は、積乱雲接近に要注意!

5月4日は、積乱雲接近に要注意! 竜巻や集中豪雨の発生で大規模な気象災害が起こるようになったからか、気象情報が年々詳細に報道や予報されるようになりました。テレビ本来の役割の一つではないか、と思います。

 報道の進化に従って、気象用語や慣習言葉も使われるようになり、その一つに「メイストーム」があります。「5月の嵐」です。5月は北に早春の冷たい空気、南に初夏の空気があり、南北の寒暖差が大きくなっています。この寒暖差によって低気圧が急が気に発達したり、偏西風の南北蛇行から切り離された「カットオフロー(切離し低気圧、寒冷低気圧)」がよく発生するためです。

 そして明日の5月4日、この寒冷低気圧が激しい気象を起こしそうな予感がします。



添付の写真は、左側に地上天気図(3日18時)、右に高層天気図(約5000m)です。地上で中心気圧が988hPaの日本海の低気圧は、前線がありません。

前線がある低気圧を「部下がたくさんいる部・課長」、前線がない低気圧を「部下なし部・課長」に勝手になぞらえて強い、弱いと見ている例が散見されますが、全く関係ありません。

日本海の前線がない低気圧は、上空に-27度と非常に強い寒気を伴っています。一方で前線を伴った低気圧は、寒気と暖気の境目の南側にいるに過ぎません。

 明日は、この日本海の低気圧の南東側で、強い積乱雲が発生する可能性があります。通常の天気は西側から接近しますが、この場合の積乱雲は南や南南西の方向から接近する場合があります。上に書いた寒気に伴い、突風や竜巻、雹が降るなどの激しい気象が起こる可能性があります。積乱雲は、ものの15分もあれば出来てしまいます。明日は常に気象レーダー

http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/

を見るなどし、積乱雲の接近に注意しましょう!

なんと、島根県は、すでにこの兆候が起こっています。
Posted at 2018/05/03 23:03:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 気象 | 暮らし/家族
2018年02月17日 イイね!

雄大積雲の接近と天候の急変

雄大積雲の接近と天候の急変 先週土曜日は、午前中は暖かな春の日差しだったのに、昼過ぎに天候が急変して午後には真冬の天気になりましたね。もっと気温が上がっていたら、春雷になっていたかもしれません。私はたまたま北側の市に自転車に乗ってラーメンを食べに行ったのですが、その行き帰りに天候の急変ぶりを撮影することができました。

 これから4月半ばにかけて、春雷や突風、竜巻なども起こるかもしれません。気温の上昇に伴い、お子さんが外に遊びに行ったり、家族で散歩に出かけたり、屋外スポーツ行事などが行われると思います。毎年のように、「ゴールポストが倒れた」「テントが飛んだ」などの事故が起こりますが、ぜひどなたか一人は天候を気にかけていただきたいと感じ、この記事をあげました。雲は一定の速度で流されてくるはずなのですが、感覚の上ではやはり「急に来た」印象です。



午前11時37分、市の境界から北方を望みます。遠くの空が白く濁っており、雄大積雲の列があることがわかります。なお、日の角度が高かったり西寄りだったり、空気中の水蒸気が多い場合には見えないことがあります。



午後0時ちょうど。ワンタン麺に舌鼓を打ちます。永福町大勝軒系の魚の旨みを仄かに感じさせるスープと、ごま油の香り漂うワンタンが素晴らしいです。



午後0時35分 同じ市の境界に戻ってきました。雲が壁のようになって迫ってきます。



午後0時55分 先ほどの場所から南南東方向へと帰宅の進路を取っていますが、雲に追いつかれてしまいました。この直後、風向きが北寄りに急変し、気温が下がってきました。前方が先ほどの雲列ですが、黒くなっているところが雲底です。「黒い雲が近づいたら危険のサイン」では遅いことがわかります。雷雲であったなら、既に落雷の恐れがある距離です。



午後1時2分 先ほどの場所から、さらに1kmほど南へ下りました。写真は東方を向いており、雲列を横から見る形です。雲は、画面の右へと進んでいました。壁のようにそびえ立っており、雲の高さは2-3km程度でしょうか。雷雲ではなくて、ほっとしました。家まで約8分程度かかりましたが、帰宅してすぐに北寄りの突風が吹き荒れ始めました。



 後で風のレーダーを見てみたら、南関東に風光が急変する線(図の赤線、私が引いたもの)が見られ、局地的に寒冷前線となっていました。

 地域によって雲の流れ方は違いますが、積乱雲(雷雲)接近のヒントにしてください。
Posted at 2018/02/20 22:08:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | 気象 | 日記
2017年08月29日 イイね!

メディア対抗4時間耐久ロードスターレースと週末の天気

メディア対抗4時間耐久ロードスターレースと週末の天気 今週末土曜日には、筑波サーキットで「ロードスター4時間耐久レース」が開催されます。カーレース観戦が苦手な私ですが、よく見に行っております。

 一方、週間天気予報を見ると、週末に雨が予報されてきました。本日の天気図を見ると、何と温帯低気圧の南に停滞前線(秋雨前線)があるという、大変珍しい状態になっています。南側は台風から吹き出す湿った暖かい風があり、北側には秋の乾いた冷たい空気があり、すなわち、前線の南北でかなりの気温差があることを示しています。

中心気圧が998hpaの低気圧の上空西側には深い気圧の谷があり、寒冷前線の西側には高気圧があり、それぞれ低気圧が発達する要素となっています。

週末、低気圧や寒冷前線が通過となると、天気が荒れるとともに降水量も多くなりそうです。台風に目が行きがちですが、温帯低気圧にも注意しましょう。
Posted at 2017/08/29 23:36:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | 気象 | 日記
2016年08月28日 イイね!

性懲りもなく受験

性懲りもなく受験 大阪時代は未受験、そして昨年は締め切りに間に合わなかった試験を、今年の夏は受験しました。試験は受けることに意義がある、ではならないのですが、年々試験の難易度が上がっています。毎年棄権者が散見されるのですが、今年は斜め前にいた可憐できれいな、おそらくプロでこの道を目指しているのか、という風貌の女性が途中棄権していました。

そういう人が増えてきて、付け焼刃の知識を問うことよりも、図から読み取ったり作図をしたりする能力が求められており、だんだん傾向が変わってきています。

試験対象の事象の内容は変わらないのですが、ここでも「与えられたことにただ答える」ではなく、「読み取りづらいものからいかに多くのことを読み取れるか」にかかっていることがわかります。

 次回は1月末、今度こそ頑張ります!
Posted at 2016/08/30 00:51:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 気象 | ビジネス/学習

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「続いて、トヨタ アルファード、ホンダ シビック、マツダ CX5、ダイハツ ミライースの試乗記を書いてまいります。」
何シテル?   08/15 11:43
小さい頃、トラック野郎を見てトラックが好きになりました。その後「太陽にほえろ!」のカーアクションを見て、乗用車も好きになりました。カーグラフィックTVや新車情報...
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