2010年11月20日
大学生就職率57%と朝日新聞の記事
TBSの「ニュースキャスター」によると、大学生の就職率は57%だそうです。一方で本日の朝日新聞の記事に、「バブル世代と就職氷河期世代のギャップ」が書かれていました。
なんでも通信事業者(?)からイベント会社へ転職して10年の37歳になる女性、親会社の広告代理店から送られてくる「バブル世代」に業を煮やしているんだとか?前任の「バブル世代」は、仕事は部下丸投げで手柄は自分のものにし、面倒な問題は部下へ押し付け、仕事で忙しいときにも、「NR(ノーリターン)」と偽って(?)遊びに出てしまうのだとか。そしてその人が元の会社へ戻った後、おくられて来た人は「下の名前で呼んでくれよ」と、仕事場友達感覚。またしても彼女は憂鬱な日々を送ることになった、という記事でした。
まあ、無記名記事なので事実かどうか証拠はないし、その「バブル世代」の人の言い分も聞いてみないと本当のところは判断できません。それに、この現象が「バブル世代」によるものなのか、「広告代理店付近」の人だからなのかも分かりませんね。
私も「就職氷河期世代」であり、バブル期に就職した人は好きではありません。どこか軽さを感じる人ばかりで、「話を聞く必要なし」と感じてしまいます。雑誌「ポパイ」や「ホットドッグ」を読んできた世代だからでしょうか?就職氷河期は、1993年4月就職の女子から始まり、翌年には男性が、さらにその翌年は「秋風が吹いても就職が決まらない」ことが普通になっていました。
人は就職してしまうと就職活動をしている人のことを気にしなくなってしまいます。社内では、よっぽど大きな会社でない限り「OB訪問」を受けませんし、就職試験時の人員整理にも駆り出されないからです。なので、私は2歳以上年上の人とはどうにも合わなくてね。。。
一方で今回の就職問題、私のときよりも急激に問題が悪化しています。私のときは「失われた10年」と言われるほど不景気が続くと思っている人はいなかったし、「バブル崩壊」と言われるほどは急激に景気が悪化していなかったからです。そうねえ、特に証券や不動産、貴金属、ソフトウエア関係などの業種は急激に悪化したようですが、玩具やゲーム、カー用品といったエンドユーザー対象の業種はもっと緩やかに業績が落ち込んだからです。
そして今は、急激に市況が悪化したことや、経営者の多くが流行を追い「バスに乗り遅れるな!」と人の採用に躍起になったことが問題です。(誰も指摘しませんがね。)会社の中で働いている人は、もちろん学生よりは大人ですが、同業他社の動向には意外なほど「流され」、他社の追従をします。なので、我先に(二番目以降に)人を雇い、我先(同左)に人の採用を抑えるのです。
それと、これまたメディアは指摘しませんが、数年前に流行った「コーチング経営手法」も問題ですね。高橋直子マラソン選手の小出監督や、サッカー日本代表の監督が話題になった頃に出てきました。これらのコーチや監督は自分ではプレーしませんが、選手を育てることが上手とされました。この理論は、仕事もこれと同じで、「部下にうまく仕事をさせることが上司の役目だ」とした理論です。「コーチングカンパニー(?)」なる、企業に中間管理職を派遣する会社まで現れました。
確か当初は、「上司は部下の潜在能力を見つけ、それを伸ばすことが役目」だったのではないかと思いましたが、いつの間にか「上司は自分では仕事をせず、部下に仕事をさせる人」にすりかえられてしまいました。結果、「あれやれ、これやれ」と、無計画に指示をし、できなければ「何やっているんだ!」と怒鳴り散らすだけの上司が増えているようです。その上司の多くが「バブル世代」のようです。
会社や組織は、どこでも「課題(すると会社が良くなること)」を抱えています。それを精査し、「しなければならないこと」と「時間が余ったらやってもよいこと」を見つけ出し、「今しなくても良いこと」は切り捨てることが経営なのですが、コーチング論の横行で「アレヤレコレヤレナニヤッテンダー」上司が増えているようです。そもそも、スポーツとビジネスが同じであることを納得いくように説明した文書を見たことがありません。
余談ですが、経営とは「課題」を見つけるだけでは不十分です。課題を見つけ、「切捨て」られるようになって初めて満足します。
そういう会社はそういう会社でつぶれれば良いのですが、景気が良くなったら学生を甘やかして採用し、市況が悪化したらパッタリ人を採用しないようなことをすると、世の中には「世代間の憎しみ」が生まれてしまいます。企業は公器。どうぞ世の中への影響を考えて経営してくださいな。
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Posted at
2010/11/20 23:19:08
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