この日家に帰ると、テレビでは「
NHKスペシャル 職場を襲う”新型うつ”」を放送していました。
以前にも、今年から3年間の労働対策は、「
パワハラ」問題になるであろうことは書きました。どうやら、パワハラよりももっと広い、「はたらく人とこころの問題」ということに行き着くようです。
そもそも、「うつ」という言葉が現れたのは、まだ10年位前のことだと思います。それ以前は臨床心理学の中で使われるのみだったようで、一般向きには「ノイローゼ」という言葉が使われていました。
そして、10年くらい前からつい最近までは、ノイローゼというとヒステリックな状態を引き起こすこと、「うつ」というと、黙り込んで周囲からの呼び掛けにも反応しないこと、と印象づけられていました。
この番組によると、「新型うつ」とは、必ずしも黙り込む状態ではないそうです。やたらと周囲(同僚や上司、会社や社会)に対して「ムカつく」などと言ってみたり、周囲は自分を貶めようとしている、と思ったりするのだそうです。
その「うつ」は突然発症するのではなく、幼少期からの教育が原因となることもあるのだそうです。番組には「うつ」を発症した若い女性(画面がぼかされていますが、結構きれいそう)が登場します。
この子は、幼少期から「親が喜ぶ良い子」を演じていました。そして親は、「私が言っている通りにすれば良いから」と言って、子供を自身が敷いたレールに乗せて育てていたのだそうです。
そのため、その若い女性は会社で気に入らないことがあった時に、周囲と自分との折り合いがつかず、「ムカつく」「気に入らない」「死ね」という感情を持ったとの考察が続きます。
その他にも、俳優さんが再現映像よろしく、「うつ」を発症した人を演じていきます。いずれも従来の価値観からすると、「普通の人」の域を出ません。話していて「マイナス思考かな?」「愚痴っぽいかな?」という程度です。
さらに番組では、企業の「うつ者」対策の事例と、観覧者による討論も行われます。
企業では、部署内のうつ予備軍を社内で共有の問題とし、その人が特技を活かせる部署へと移動し、会社一丸となってうつ病を防いでいこうという取り組みをしているのだそうです。
ただ、観覧者には、「今企業は、うつ者のおかげでそうでない者に大きなしわが寄り、負荷が高まりすぎているのだ」とも言います。
感想
うーん、この1時間だけでは私も結論を出せません。ただし、次のような対策をすることで、今後の世代から新型うつ者を除去できるのではないか、と考えます。
・学校の先生は、「よく」教えない
なんでも丁寧に、最後には答まで教えてしまう先生がいるのだそうです。高校以上の学校で生徒が学ぶのは知識だけではなく、「未知のことにぶつかった時に、分かることから分からないことを推察したり、分かるまで考えたりすること。」です。途中で丁寧に教えてしまうと、「自分が求めれば周囲がなんとかしてくれる」と思うようになってしまいます。
・親兄弟学校の先生は、子供に無茶をさせる
可能なら「登山」かな?沢歩きでも良いと思います。危険や困難な目にあった時になんとかしたり、場合によっては諦めたりすることを学ぶのです。
・企業の面接官は、自社の特性に合わせて適切に人を選ぶ
多くの企業では、専門の面接官がいることはなく、「○○さん、○時から○時まで面接頼むよ」「え~、この仕事があるのに面倒くさいなあ」という感じで面接官が決められます。
しかも、多くの場合は「まあ、大丈夫だろう」「これは全然ダメ」と、安易に決められます。学園祭のフィーリングカップルじゃないのにね。
面接はそんなに簡単なものではなく、「見た目や受け答えの内容など、表面に現れる現象からその人の内面や過去までを推察する」、という非常に高度な能力が求められます。「
プロファイリング」です。
そのため、本来は自社に合わない特性ながら、面接官がそれを見抜けず、結局採用されてしまうケースが多々あるのだと思います。面接官はその人の一生を左右するものだと考え、面接官を決める人は、「その人がプロファイリング能力を持つかどうか」をもって選びましょう。
・忘れんぼやパニクる人や聞く耳持たぬ人など
この時も書きましたが、極端な性格の人が世の中にいます。
「ちょっと物事をお願いすると、頭の中が大混乱し、整理できなくなる人」
「さっき「分かりました」と言って、すぐ忘れる人」
「過剰に潔癖症で、周囲を疲れさて当人も疲れる人」
などがいます。これも、性格の範囲で収まる場合と、社会生活に支障をきたす場合もあります。反対に、こういう点があっても、他に非常に優れた特徴を持つ人であることもあります。
・上司など
成功体験や成功例は、あくまでも「例」なので、聞く側は重圧に感じます。モノの考えを押し付けられるのは人間にとって、基本的に苦痛です。日本語を強要された満州や朝鮮の人は、その後日本に対してどうしたでしょうかね???
部下とはいえ、他人を説得するなら
帰納的に証明しないとね。
あと、「太陽にほえろ!」のボスは、「ゴリ、テキサス、響組関係をあたってくれ。長さんと殿下は現場付近の聞き込みを頼む。山さん、裏をあたってくれ。」と、指令はいつも具体的でした。
ところが、経営本などが世の中のオジサンを洗脳してくれたおかげで、今のオジサンたちは「丸投げコーチング」にご慢心です。最初から最後まで「なんとかしろ」。
そんな訳で、うつは、やはり周囲が作り出しているのではないか、と思います。
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Posted at
2012/05/02 00:37:00