雑誌「egg」が休刊するそうですね。「egg」は、私よりも下の世代のための雑誌として1994年に創刊されていますので、私は手に取って見たことがありません。高校生から20歳くらいまでの女の子向け雑誌らしく、「ちょっと軽そうな女の子」が読者対象だったようです。
当時高校生の友達アイテムとして急速に広まっていた「使い捨てカメラ(写ルンです、スナップキッズ)」や「プリクラ」とも流行上のつながりが深かったものです。それまでは写真に写るときは「Vピース」や「バイバイの格好で手を小さく振る」位のポーズしかありませんでしたが、「上から落ちてくる大きなものを胸の前で受け止めるがごとく、腕を前に出す」いわゆる「eggポーズ」なるものを普及(?)させました。その後、「ポージング」が一般の人にも広まり、「横ピース」から「変顔」など、世代ごと(?)のポージングが生まれたものです。
その、ちょっと軽い(親しみやすい?)女の子に受け入れられた「egg」ですが、「deeps」という女の子三人組のボーカルユニットを生み出した頃がピークでした。
やや遅れて流行として登場した「サーフファッション(?)」や「ストリートファッション」を掲げた「Fine」人気を二分しました。
ところがその後「スーパーフリー事件」などから「クラブディスコ」ブームが急落、「egg」は同調する形で、あまり話題に上がらなくなったように感じます。。
その後、「SCANDAL」という、AKB48以前に黒髪を売りにしたボーカルユニットの頃から「なんだか時代が変わりつつあるなあ」という気分になりましたが、一時的な流行の波だとばかり思っていました。しかし、ここへ来て「egg」が休刊、「Fine」は「大人がサーフィンを楽しむための本」へと衣替えをしました。

旧Fine
新Fine
思えば、1987年に私が通った学校の隣の学校が制服をモデルチェンジしてから女子高校生のおしゃれ化が進みました。その後、女子大学生が就職氷河期で元気を失い、「オヤジギャル」で一瞬だけ元気になったOLは、その後OL自体の数が減るという憂き目にあって消滅と、ギャルの時代がつついてきたわけですが、AKBではっきりと「おとなしい女子」が主流になり始め、ついにこの2誌が一つの時代を終える形になりました。少し前には、水商売で働く女性のおしゃれのための「小悪魔ageha」という雑誌も休刊しています。方法はさて置き、「元気な女子」の象徴であった雑誌の終焉です。
一方、テレビでは「月9」の大不振、フジテレビの視聴率低下が言われております。フジテレビというと、1982年の「オレたちひょうきん族」から折からの漫才ブームに乗り、「女子大生は箸が転がっても笑う」時代を作ります。深夜番組では女子大学生が司会を務める「オールナイトフジ」、女子高校生がアイドルを務める「おニャン子クラブ」が放送されました。テレビドラマは、というと、おニャン子が学芸会並みの演技で主演を務める「月曜ドラマランド」が始まります。
とはいえ、笑いが中心だった時代は1989年頃になると徐々に後退します。フジテレビは敏感なもので、「恋愛は都会の男女の最高のゲーム」だとかいう、歯が浮くようなコンセプトの「トレンディドラマ」を産み出します。武田鉄矢が主演を務めた「101回目のプロポーズ」も、今でこそトレンディドラマ扱いですが、当時は「ダサいおじさんが主演」ということが売りだったんですよ。
トレンディドラマも、景気の後退とともに1996年の「ロングバケーション」辺りから飽きられ、テレビ番組にはバラエティ作品が増えてきました。そこでも強さを発揮したのがフジテレビでした。その後も、「イケメン@パラダイス」などのスチャラカドラマを作るなどしていましたが、「韓流バッシング」を期に、フジテレビ自体が嫌われる風潮になってきました。そこへ今の「フジテレビのドラマ、バラエティ大不振」です。
これまでも、3年周期で流行がちょっと変わったり、ズボンの裾が広くなったり狭くなったり、股上が浅くなったり深くなったり、髪の色が茶色くなったり黒くなったり黄色くなったり、というそれぞれ個別の変化がありましたが、今回ばかりは大きな変動がありそうな予感がします。
日本の歴史も、蘇我氏などの古代の氏族が全ていなくなった「大化の改新」、藤原氏の時代から武家の時代の幕開けになった「保元・平治の乱」、中世の氏族が全ていなくなった「応仁の乱」、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などによる平定である「織豊時代」「江戸幕府」、そして武家政権が終わった「明治維新」、近代日本の始まり「太平洋戦争の終わり」といった大きな変化がありました。
まあ、一般の人の暮らしの変化ですのでそこまではいかないにしろ、文化的にはひとつの節目の時期になりそうです。
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Posted at
2014/06/25 01:33:06