この日のヤフー記事で、「ドラマ主題歌の価値が低下?」というものに目が止まりました。そういえば、主題歌が大ヒットした記憶は、かなり前になります。その前に、テレビドラマ自体話題にならなくなっております。
この記事によると、1990年代はドラマも曲もヒットし、2000年代半ばまではドラマヒット曲が見られたものの、2010年代に入るとそのようなヒット曲がなくなった、というものです。記事はさらに、最近もかろうじてヒットドラマはあるものの、曲ではなく音楽がはやる、という傾向になっていると分析します。また、ドラマ主題歌が流行った歴史を分析すると、ドラマの内容と曲の内容がリンクしており、共感を呼んだ、というものです。的確な分析ですね!
この記事を読んで、そもそもドラマと曲が結びついたのはいつからだろう?と思い出してみることにしました。
私が大好きな刑事ものでは、太陽にほえろ!は、主題歌はありません。大都会もなく、特捜最前線はエンディングテーマが曲です。チリアーノの「愛の十字架」、哀愁漂う名曲です。Gメン’75はオープニングテーマはありますが、エンディングは曲で、中にはオープニングテーマに歌詞を乗せたものもありました。有名なオープニングテーマは初代で、ピエールポルト氏作曲の二代目もありますが、当時は嫌いだったものの今は良い曲に感じます。西部警察は、音楽の歌詞抜きの曲にしてオープニングにしていたらしいです??
そもそも、ドラマに主題歌を用いるのは子供向けの30分ドラマが中心でした。あばれはっちゃく、レッドビッキーズなどなどです。そんなこともあり、Gメンでエンディングがオープニングテーマの曲に歌詞を乗せたものになっているとき、大変な違和感を感じました。「大人向けのドラマなのに、歌?」という感じです。
実は、刑事もの以外の大人向け1時間ドラマを昭和50年代に見た記憶がほとんどありません。金八先生は、パートⅠでは「贈る言葉」、パートⅡでは「人として」ですが、いずれもオープニングテーマとして話題になっただけで、挿入歌としてはそれほど印象を残したわけではありません。もちろん、金八先生と武田鉄矢氏は、ある程度リンクしますので、そう言う意味での「主題歌」ではありました。
その次は、「スチュワーデス物語」です。麻倉未稀がカヴァーするエンディングテーマがあり、洋楽の格好良さをカヴァーという手段で普通の人に知らしめました。しかしこのドラマでは、風間杜夫氏と堀ちえみ氏のやりとりに話題が集中し、エンディングテーマが話題にはなりませんでした。劇中歌にもならなかったと思います。
そしてその次の「スクールウォーズ」です。これまた麻倉未稀氏による洋楽のカヴァーですが、オープニングテーマになりました。また、劇中のクライマックスにこの曲が効果的に使われました。主に、主人公たちが次の目標に向かって決心をするようなシーンに多用されました。また、曲としてもアイドル歌謡全盛だった時期に、声量豊かでかっこう良い歌い方には、しびれたものです。この曲以降でしょうか?洋楽カヴァーという手法がしばらく流行り、邦楽のレベルアップにつながりました。
実際には、スクールウォーズ2では主題歌は流行りませんでしたし、本格的に主題歌がヒット曲になるのは、1986年の「セーラー服通り」に使われた、渡辺美里の「My Revolution」以降だと思います。
しかし、ヒット曲が主題歌として印象深いものになるかというと必ずしもそうではなく、1993-6年にヒット曲を出した大黒摩季についていえば、「チョット」が「いちご白書」に使われたものの、ドラマ自体がトホホすぎて主題歌という印象にはなりませんでしたし、ZARDも人気に陰りが見た頃の「永遠」くらいしかドラマ曲としての印象を残していません。
その後の、浜崎あゆみやELTは、主題歌としての活躍は少々、MAXやSPEEDにはそんな曲は確かなく、モーニング娘にもありません。いきものがかりには少しだけありますが、倖田來未やAKBにはありません。最近のカウントダウンTVを見ると、ヒットする曲はAKB系か「水樹奈々」「藍井エイル(?)」なる、現代のアニメソング歌手ばかりです。
前述の、曲だけが大ヒットした歌手やアニメソングは、曲そのもののテンションが非常に高く、曲オリジナルの世界感が強く、アニメやゲーム(そもそも、ゲームに主題歌が必要なのか?)の主題歌 としては適切でも、ドラマには主張が強すぎて全く馴染みません。そんなところも、ドラマ主題歌にヒットしそうな歌手を呼べず、「ドラマ発信のヒット曲」が生まれない要因なのかもしれませんね。
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2015/05/03 00:01:50