フジテレビは、最近社長がテレビドラマについての所信表明を出したところですが、今期は無理としても次期からは少しずつ作風が変わってきそうです。
さてこの作品、何年かに一回は放送される、災害救助ものです。古くはTBS系「消防官物語」がありましたが、近年?ですとフジテレビでは「海猿」があり、TBSでは「レスキュー」がありましたが、私は海猿を見ていません。もっとも、医療ものでも災害救助話を作ればそれで事足りるので、突発的な災害を題材にすると、ドラマを成立させづらくなるのかもしれません。
そして今回の第一話ですが、なんと録画を忘れまして、30分経過後からの視聴となりました。それでも、概ねストーリーはわかりました。
主人公の池上タツヤ(AKIRA)は、土地開発会社に勤務する男。とある地方都市に赴任したが、そこで社内ライバルの濱田(田中圭)と、開発競争をすることになる。
なかなか良い土地に巡り合わない池上は、情報を得るために消防団に入る。しかしその消防団は、詰所に放火された経歴があり、地域からの評判が悪い消防団であった。
訓練や地域の安全確認活動を経ながら、池上は土地情報を得る。その中で、大地主の老女と知り合うのだが、なかなか土地を売ろうとしない。そんな折、老女の愛犬が行方不明になる。犬探しをする消防団、しかし、犬は見つからなかった。
社内土地開発コンペの日、消防団から火災発生の知らせが池上のところに来る。現場に急行すると、防火水槽には荷物が置いてあり、容易に水源にたどり着けない。しかたなく、離れた場所から水を取ろうとする消防団。池上は先の老女の愛犬が火災現場に入っていく様子を目撃、愛犬を追いかけて中に入ってしまう。ところが、フラッシュオーバー現象に会い、火に囲まれてしまう。そこへ救助に来る消防隊(消防団ではありません)。そしてその消防隊の合田(佐藤隆太)に、消防団は向いていない旨、諭される。悔しい気持ちになる池上。
数日後、社内コンペの場では、老女から土地管理権の契約書をもらい、発表する池上の姿があった。
消防団では、池上は消防団をやめてしまったのであろう、という評価がくだされる中、池上はあわられて団の再生を叫ぶのであった。
感想
物語の軸足を、会社に置きたいのか消防団に置きたいのか、よく分からない出足でした。第一話ですから、会社側に置いても良いと思います。しかし、それでしたら消防団の物語にはなりませんので、注意を払う必要があります。
すなわち、「仕事を途中で放棄しても消火活動に池上が加わり、仕事はフイにしたが要救助者から感謝の言葉をかけられ、晴れやかな気持ちになる。」だとか、「最初はイヤイヤ消防団の活動をしていたが、火災が起こった家は池上が危険な箇所を見て見ぬふりをしてしまっていた」だとか、そんな心境の変化に関する展開が必要だと思うのです。
また、ヒロイン?の栗山千明は、何故か消火活動に過剰に意欲的な点があるのですが、その点は伏線的描写になっていませんでした。普通は、第二話のために伏線を敷くことを目的として、回想シーンを挿入するものです。
というわけで、物語がどっちつかずで冗長で、感情移入ポイントも不明瞭で、物語としての完成度は全然ダメでした。「あっ、この瞬間が関西テレビだね」とでもいうべき仕上がりです。どうしてこうも関西テレビはドラマ作りが下手なのでしょう。こだわりの「フィルム調映像加工」も、これでは焼け石に水です。
おまけ
それにしても、エグザイルのメンバーの演技は、いつ誰がどこに出ても大根そのものです。どうしてこうも一本調子なのでしょう。表情も「俺、かっこいいだろ!」と言わんばかりです。
また、菜々緒が「経営コンサルタント」として、主人公の周囲をウロチョロする役で出ています。物語には全く寄与せず、噴飯ものです。
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テレビドラマ感想批評 | 音楽/映画/テレビ
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2015/07/08 00:46:10