パート1が大人気だったようで、パート2が開始された「花咲舞」シリーズ、パート1は即座に挫折しているものの、人気があったのなら、と思い、見てみることにしました。
なお、主人公花咲舞は、各支店の査察を行う部署に所属し、不正を暴くことを業務にしています。
あらすじ
日本橋支店の顧客から、「投資信託を購入したが、解約時に元本割れを起こした。契約時に元本保証と言われたのに、これは詐欺だ。」と、内容証明郵便が本店に届いた。花咲(杏)は、日本橋支店に赴いた。
契約に関わった外交員の北原(片瀬那奈)は、「そんなことは言わなかった。言いがかりだ。」、と主張した。そして花咲は顧客(佐藤B作)の話を聞くと、「確かに元本保証をすると言った。この通りメモもある。」とのことであった。
北原は元テラー(窓口係)であり、花咲の経験からそんなことは言うはずはない、と推察するのであった。そして再び北原にそのことを問いただすと、「何も知らないくせに。」と、言いかけて止めるのであった。
花咲は再び日本橋支店の状況を査察した。支店長(寺脇康文)は、パワハラまがいの叱咤激励で行員を駆り立て、成績向上のためならなんでもやれ、との方針を述べていた。花咲は、北原は何か隠していると考え、退行時を待って北原の話を聞いた。すると北原は、支店長から、「何かあったら自分が責任を取るから、元本保証と言って契約を取れ。」と言われたこと、この銀行に就職できたことを誇りと思っていたのに、この銀行はどこかおかしく、残念であること、そして支店長から退職を言い渡されていることを話した。
花咲は、北原と同じ思いをして銀行を去った行員が他にもいると推察し、退職者リストを調べた。すると、同じような証言が得られた。この事実を支店長に突きつけると、日本橋支店行員も、次々に「自分も同じことを言われた。」と証言、支店長は崩れ落ちるのであった。トカゲの尻尾切りよろしく、出向させられる支店長であった。
感想
今時元本保証の投資信託はないでしょうし、元本保証と偽って販売などしたら、損をしなくても大問題となって処分される時代ですから、なんともお粗末な設定ではあります。
それはさて置き、放送時間の割に見ごたえがないな、と思うのでした。理由は、人物設定が浅いからでしょうね。例えば、北原さんが銀行に内定をもらったときのことを語るシーンがあるのですが、こういう場合には回想シーンなどを挿入することで、より印象が強まるものです。
また、実は悪くない人であることを印象づける前に、花咲に楯突くシーンや「利益に貢献していない部署」などと悪態をつくシーンを入れるとよいでしょう。そんな女性に片瀬那奈を当てていながら、ほとんど脇役のような印象になってしまいました。
支店長は完全な悪人として登場します。これは、視聴者の女性層が「あーあ、私もああやって嫌いな上司を陥れたいな~。」と、自己対比をして満足感を得るための設定なのでしょうかね?寺脇康文氏らしい、「演劇臭」強い大げさな演技も鼻を付きました。
ここ数年、こういう単純な、それこそ少年漫画のような設定のドラマが増えていて困ります。設定を大きく変えずに深みを増すなら、最初は支店長を善人に、北原さんを悪人に描くとよいでしょう。事態の解明に協力的な支店長、悪態をつく北原さん、色々調べていくうちに、北原さんには辛い過去があり、支店長は自己保身、これもまあステレオタイプな感じですが、放送版の設定よりは良さそうです。
そうそう、今回の被害者となった顧客(諸角産業社長)にも、従業員を養う責任感強い企業経営者としての側面を出したいところです。
最近、フジテレビの社長のドラマに対する発言がありました。脚本家の力が落ちているのは、脚本家を育てるプロデューサーが不在であるということ、よくわかっています。設定は変われど、ドラマのポイントとなるのは「登場人物の心意気」です。
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Posted at
2015/07/09 00:15:00