
皆さんの会社には、ゆとり世代やプレゆとり世代は入社してきましたか?毎年新入社員は悪い方に批判されることが恒例となっておりますね。例えば、そろそろ課長から部長になりつつある世代の、昭和62年入社組などは、「テレホンカード世代:一方向には入るけど、反対にすると入らない(受け入れない)」などと揶揄されています。
さて、ゆとり教育といえば、週休二日制で育ったことばかりが批判の対象になりますが、元はといえば高尚な目的で行われた学習要領でした。「勉強以外のことが得意な子供もいるので、土曜日は授業を休んでお年寄りの世話や日曜大工、農業体験など、さまざまな特質を伸ばす教育。」ということが特色となっていました。ところが、そういう教科以外のことを教えられる人がすぐに出てくるはずはありません。結局、遊び呆けさせた家庭と、塾に通わせた家庭とで、著しく学習能力が二分してしまいました。
そんな言い尽くされたことはさておき、当時の学校の現場ではほかの問題も発生していたようです。中でも「理科教員の不足」が取り沙汰されていました。安全に理科の実験を進めることが困難になったために、以下のことがなされたようです。
・理科の実験をするときは、先生が言ったことだけをするように指導
・理科の実験は廃止
授業は数あれど、理科と社会と家庭科は、目で見ませんとねえ~。
何でも、先生が言ったこと「しか」しないようにしないと、塩酸を友達にかけたり、フラスコを割って破片を友達の首につきつけたり、アルコールランプの火を理科室のカーテンに近づけたりすることが起こったとか起こらなかったとか???
そして、新聞の投書によると、こんなことが起こったようです。
過酸化水素水に二酸化マンガンを入れ、出てきたものを観察する授業のことです。実験後に先生が生徒に、「出てきたものがありましたね。あれは何でしょうか?」と聞きました。指された生徒が、「酸素です。」と答えたそうです。先生は起こってプイと職員室に帰ってしまったそうです。何でも先生は、「泡です。」こ答えが返ってくることを期待して授業を組み立てていたのに、生徒が授業を妨害したと考えたのだそうです。当時から、塾の方が授業の進み方は早かったのですね。でも、教科書を予習しておけば、わかってしまうことです。
そんなことから、学校の現場では「先生が言ったこと以外や期待していること以外はしない。」ことが進んでしまったのでしょうね。すなわち、
・貝殻に過酸化水素水を入れるとどうなるか
・二酸化マンガンに塩酸を注ぐとどうなるか
・アンモニアを水上置換するとどうなるか
・酸素や二酸化炭素を水上置換ではない方法で収集するとどうなるか
ということには、疑問すら持ってはいけないと思うようになったのです。疑問を持つと、「先生の指示や教科書以外のことをした」と、減点対象にもなったのか!?
同じ頃、授業にパソコンを導入する機運が生まれました。理科や社会の教科書の各単元の中にも、「インターネットでしらべてみましょう」との一文が出ていました。ウインドウズ'95の発売により、これからはパソコンの時代という雰囲気の中でしたから、安全ということもあって積極的に行われたことでしょう。
それらの結果、彼らは「「これをやって良いよ」と言われたことだけをして言われないことは絶対にせず、インターネット検索で出てきたことは盲信する」世代になってしまいました。学校現場の混乱があったとは言え、ひどいものです。当然のことですが、教育を学校だけに任せていたのでは、ダメですねえ~。
その後の「ポストゆとり世代」は、新聞の投書などを見る限りは、「人として熟成した、他人を思いやる能力に長けている」ように感じました。また別の機会に書きたいと考えています。
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Posted at
2016/05/15 11:22:42