
タレントの風見しんごさんのお嬢さんの「えみる」さんが亡くなられたのは、私がこのブログを書くようになってから間もない2007年1月のことでした。
私は運転免許を取得する際、自動車教習所に通わずに所属クラブの先輩の指導を受け、運転免許センターでの試験を受けました。指導には料金は払いますが、その先輩は1円も受け取っていません。余談ですが、私も翌年はその指導をしました。
そんなことから先輩の指導は熾烈を極め、鉄拳がないだけで言葉の鉄拳を数多く受けたのでした。中でも右左折時の「巻き込み確認」は、行動でも事故の原因になりやすく、試験管がよく見るポイントの一つになっていました。車は前に進んでいくのに、「ルームミラーを見て、ドア(フェンダー)ミラーを見て、さらに首を振って斜め後方を直視してフラッシャーレバースイッチを操作、さらに同じことをもう一回繰り返して実際の右左折をせよ。」と、繰り返し繰り返し指導されました。
厳しい指導のおかげで巻き込み確認は確実になりました。しかし、学校を卒業して先輩や部員と顔を合わせる機会も減少するうちに、「自転車や歩行者は車より遅いのだから、左右ドアガラスを通じて左右を見れば大丈夫。」と勝手に置き換えてしまいました。
幸い事故もなければ事故を起こしそうになることもありませんでしたが、そんな時にこの記事を見たのでした。
この記事では単に「右折してきた車に轢かれた」としか書かれていません。実際には、えみるちゃんは右側歩道を走って横断歩道を渡り、右側巻き込み確認を怠ったトラックに巻き込まれたのでした。
私は特に風見しんごさんのファンでもなかったのですが、この頃に風見さんが出演されたワイドショーの映像を見ると、言葉には表せないであろう、悲しさを感じたのでした。それが何度も厳しい指導を受けた「巻き込み確認」を怠ったことで起こったのですから、私は当時の指導の大切さを改めて噛み締めたのでした。以来、指導に忠実に首を振って巻き込み確認をしています。
それを隣席に座っている人に言いましたら、こんな答えでした。
「巻き込み確認?危ないから当然していますよ!」
と、曲がる前にドアミラーだけを見て曲がっていたのでした。
すなわち、本来の巻き込み確認が勝手に緩和され、ドア(フェンダー)ミラーを見ることが「巻き込み確認」に昇格してしまっているのです。街中で曲がる車を見ると、確かにドア(フェンダー)ミラーすら見ずに曲がっていきます。私が自転車で走っていたり、歩行者として歩いている時に、何度危ない目にあったことか。
私が車を評価する際、視界について厳しく評価をするのは、このことが頭にあるからです。二代目コロナマークⅡHT、ブルーバードU HT、皆当時の評論家に酷評されていました。今また、「バックモニターがあるから」とばかりに、斜め後方の視界が絶望的な車がたくさん現れています。視界が悪い車を設計した人には、「巻き込み確認」をしてもらいたいものです。
そして運転をしている方は、「斜め後方を向いたって、見えるのは私の髪かシート」や「面倒くさい」と言わずに、必ず首を振って欲しいと思います。
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交通安全 | クルマ
Posted at
2017/02/28 23:22:07