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2017年05月21日

クーラー効率について検討する

 自動車にはクーラーは必須の装備ではありませんが、夏の暑さを考えると「生命維持装置」として必要になってきているように感じます。

その一方で、クーラーを使用するとエンジンがコンプレッサーを回転させるため、どうしてもエンジン負担が増大、エンジン出力が消費されて燃費が悪化します。

いろいろな方が効率向上のために工夫を凝らされており、以前私も低圧配管に遮熱材を巻きつけ、ブルーバードシルフィは納車直後にコンプレッサー油添加剤を注入しています。もう一段階の工夫はないか、と思い、先日は車体側の対策として断熱塗料と熱反射材を屋根裏に入れました。熱反射材は、ブルーバードシルフィとコロナのドアトリム内にも入れようと考えています。

あくまでも車体側の工夫であり、クーラーサイクルの工夫ではありません。対策を検討するために、クーラーサイクルを改めて見直しました。



1.コンプレッサー付近

 コンプレッサーは、車内にあるエバポレーターから出てくる期待の冷媒を吸引します。吸引した冷媒は約2.0kgf/c㎡程度、10℃程度であり、これを15.0kgf/c㎡、70℃程度まで上昇させます。

2.コンデンサー付近

 コンデンサーには、15.0kgf/c㎡、70℃程度の気体の冷媒が送られてきます。この冷媒を、約30℃の外気を使って冷却し、15.0kgf/c㎡、60℃にします。この際、ほとんどの冷媒が沸点以下になって液化されますが、一部は気体にとどまってしまうことがあります。

3.リキッドタンク付近

 リキッドタンクには、15.0kgf/c㎡、60℃の液体と気体が混ざった状態の冷媒が入ってきます。ここで異物と水分が吸着され、さらに気体と液体が分離されます。なお、リキッドタンクから次のエキスパンションバルブへ向かう方式と、再びコンデンサーの下部を通るサブクール方式があります。

4.エキスパンションバルブ付近

 エキスパンションバルブには、15.0kgf/c㎡、60℃の液体の冷媒が来ます。エキスパンションは通路が細くなっており、冷媒は通りづらくなっています。そのためにエキスパンションバルブよりも下流では冷媒圧力が2.0kgf/c㎡程度まで降下します。冷媒は霧状に噴霧され、次のエバポレーターへ向かいます。

5.エバポレーター付近

 エバポレーターが2.0kgf/c㎡程度になるよう、エキスパンションバルブは開度を機械的に調整しています。この圧力下では冷媒は約0℃程度が沸点であり、エバポレーターから加熱されてどんどん気化します。気化する際に周囲から気化熱を奪うために、エバポレーターやエバポレーターを通る空気を冷やします。

エバポレーターからの配管付近

 エバポレーターで気化した冷媒は、配管周囲の空気などによってやや加熱され、温度が少し上昇します。この冷媒は、一番最初の状態になり、コンプレッサーへと吸引されます。

コンプレッサーは吸引する冷媒によって冷却され、さらに圧縮した冷媒によって加熱されます。外気によって冷却出来れば、圧縮仕事を減らせそうです。

コンデンサーは、外気によって冷やされています。この部分で外気との熱交換がよりよく行われると、気体のままの冷媒が減少し、コンプレッサーの圧縮仕事もやや減ります。サブクール方式では、冷媒がより冷えるためにエバポレーターでの冷却仕事が増大します。

リキッドタンクには、やや気体の冷媒があります。リキッドタンク自体をより冷やすことで、さらに液体の冷媒ができ、サブクール式と同様、冷媒が出来る冷却仕事が増えます。

リキッドタンクとエキスパンションバルブ間の配管も、何らかの方法で冷却できれば、サブクール式と同様の効果が望めます。

エキスパンションバルブとエバポレーターは、対策が困難です。

 以上のことから、コンデンサーに対策をすることにしました。窒化アルミニウムや六方晶セラミックとやらが熱伝達率を向上させるとのことなので、これを含むスプレーを購入しました。「C72スーパークーリングペイント」です。効果が楽しみです。
ブログ一覧 | 車のメンテナンス | クルマ
Posted at 2017/05/22 00:01:59

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この記事へのコメント

2017年5月22日 0:21
コンデンサーの放熱性なら、適当な黒スプレーをボツボツと点が見える感じに軽く吹くだけでも改善出来ますよ。フィン表面の微妙な面積増加によるものです。
コメントへの返答
2017年5月22日 0:41
そんな方法もありましたか!
表面積が増大できれば良いな、と思っていたところでしたが、高額材料に頼ってしまうことになってしまいました。
2017年5月24日 21:16
こんばんは。ご無沙汰してます。私もコンデンサーに吹き掛けていますがビックリするほど、冷えが違います。わたしのは軽自動車なので、冷えが良くなることは、ドライバーや乗客が快適になり、安全に楽しく走るためにも必要な事だと思います。後は、空気の通り道に隙間が無いようにしたり、エンジンルーム内の空気が抜けるようにしました。抜けるようにすると、車を止めてしばらくして、エンジンをかけてまた走る時に冷えがいいです。断熱材はやっていないのですごいことですね。
コメントへの返答
2017年5月27日 22:17
こんばんは。その後、落ち着かれましたか?
お書きになっていた手法を、使う用品はかわりましたが、利用させていただきます。

しかし、昨日行った「人とくるまのテクノロジー展」で、一部否定されていました。なんでも作動媒体(今回では外気)に流れが発生している場合には、熱放射による割合が相対的に少なくなるとのことでした。

とはいえ、この種の材料で熱放射が高まることに変わりはありませんので、効果がないわけではないとのことです。本当にそうかどうか、試します。

車内の断熱化は、一部遮音性にも効果があって、おすすめですよ!
2017年6月3日 20:55
おお!
二十年近く前に読んだ今は亡き日経メカニカルの記事で、エバポ表面が結露して濡れていると熱交換効率が低下するので超撥水処理をするとよい、という話がありました。確か、元ネタは旧ソ連系の発明学TRIZの中に整理されている物理作用一覧。残念ながら今検索してもなかなか該当するwebページが見つかりません。。。
コメントへの返答
2017年6月4日 22:57
はじめまして。

表面に水があると、確かに直接的な熱伝達ではなく、水の対流も関わってきてしまいますね。

撥水技術ですと、いくつかのメーカーが頑張っていますが、一般向けですとカーメイトや3Mの製品でしょうかね。撥水剤を定着させることが難しいらしいですが、凝結水程度なら流れ落とされずに済みそうな気がします。

ありがとうございました。
2017年6月4日 23:34
ごあいさつもなく、大変失礼しました。
はじめまして。
実は奇しくも、二つ後の「超」が絶滅危惧なブログから訪問しました。
当時は超が流行っていたせいか、NTT ATのHIRECも割と普通に市販されてました。
試しにどれほど滑るかと思いスキーの滑走面に塗ったら、まるで登坂用のシールを貼ったように滑らなくなり、ちょー驚きました。
今は釣り具メーカーから比較的簡単に入手できるようですね。
コメントへの返答
2017年6月5日 0:30
いえいえ、コメントをいただければ幸いです。また、HIRECという面白い技術のご紹介、ありがとうございます。エアゾール品もあるようですね。

そういえば、「超伝導(?)」ブームなどというものもありました。「チョー」の流行はじめの頃だったように記憶しています。「堅いことなのに「チョー」とは恥ずかしいなあ。」と感じた記憶がよみがえってきました。

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