自動車にはクーラーは必須の装備ではありませんが、夏の暑さを考えると「生命維持装置」として必要になってきているように感じます。
その一方で、クーラーを使用するとエンジンがコンプレッサーを回転させるため、どうしてもエンジン負担が増大、エンジン出力が消費されて燃費が悪化します。
いろいろな方が効率向上のために工夫を凝らされており、以前私も低圧配管に遮熱材を巻きつけ、ブルーバードシルフィは納車直後にコンプレッサー油添加剤を注入しています。もう一段階の工夫はないか、と思い、先日は車体側の対策として断熱塗料と熱反射材を屋根裏に入れました。熱反射材は、ブルーバードシルフィとコロナのドアトリム内にも入れようと考えています。
あくまでも車体側の工夫であり、クーラーサイクルの工夫ではありません。対策を検討するために、クーラーサイクルを改めて見直しました。
1.コンプレッサー付近
コンプレッサーは、車内にあるエバポレーターから出てくる期待の冷媒を吸引します。吸引した冷媒は約2.0kgf/c㎡程度、10℃程度であり、これを15.0kgf/c㎡、70℃程度まで上昇させます。
2.コンデンサー付近
コンデンサーには、15.0kgf/c㎡、70℃程度の気体の冷媒が送られてきます。この冷媒を、約30℃の外気を使って冷却し、15.0kgf/c㎡、60℃にします。この際、ほとんどの冷媒が沸点以下になって液化されますが、一部は気体にとどまってしまうことがあります。
3.リキッドタンク付近
リキッドタンクには、15.0kgf/c㎡、60℃の液体と気体が混ざった状態の冷媒が入ってきます。ここで異物と水分が吸着され、さらに気体と液体が分離されます。なお、リキッドタンクから次のエキスパンションバルブへ向かう方式と、再びコンデンサーの下部を通るサブクール方式があります。
4.エキスパンションバルブ付近
エキスパンションバルブには、15.0kgf/c㎡、60℃の液体の冷媒が来ます。エキスパンションは通路が細くなっており、冷媒は通りづらくなっています。そのためにエキスパンションバルブよりも下流では冷媒圧力が2.0kgf/c㎡程度まで降下します。冷媒は霧状に噴霧され、次のエバポレーターへ向かいます。
5.エバポレーター付近
エバポレーターが2.0kgf/c㎡程度になるよう、エキスパンションバルブは開度を機械的に調整しています。この圧力下では冷媒は約0℃程度が沸点であり、エバポレーターから加熱されてどんどん気化します。気化する際に周囲から気化熱を奪うために、エバポレーターやエバポレーターを通る空気を冷やします。
エバポレーターからの配管付近
エバポレーターで気化した冷媒は、配管周囲の空気などによってやや加熱され、温度が少し上昇します。この冷媒は、一番最初の状態になり、コンプレッサーへと吸引されます。
コンプレッサーは吸引する冷媒によって冷却され、さらに圧縮した冷媒によって加熱されます。外気によって冷却出来れば、圧縮仕事を減らせそうです。
コンデンサーは、外気によって冷やされています。この部分で外気との熱交換がよりよく行われると、気体のままの冷媒が減少し、コンプレッサーの圧縮仕事もやや減ります。サブクール方式では、冷媒がより冷えるためにエバポレーターでの冷却仕事が増大します。
リキッドタンクには、やや気体の冷媒があります。リキッドタンク自体をより冷やすことで、さらに液体の冷媒ができ、サブクール式と同様、冷媒が出来る冷却仕事が増えます。
リキッドタンクとエキスパンションバルブ間の配管も、何らかの方法で冷却できれば、サブクール式と同様の効果が望めます。
エキスパンションバルブとエバポレーターは、対策が困難です。
以上のことから、コンデンサーに対策をすることにしました。窒化アルミニウムや六方晶セラミックとやらが熱伝達率を向上させるとのことなので、これを含むスプレーを購入しました。「C72スーパークーリングペイント」です。効果が楽しみです。
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車のメンテナンス | クルマ
Posted at
2017/05/22 00:01:59