2019年08月03日
環境・ハラスメント対策と雑格言
エネルギー対策や熱中症・ハラスメント対策は、今や喫緊の課題です。おそらくどの団体でも取り組んでいると思います。知人が勤務している、高度成長期からあるお堅いイメージのエネルギー産業では、ついに「ジーパンとTシャツでも勤務可能」となったそうです。地球温暖化対策は、待ったなしだと感じました。
しかし、どういうわけだか古い理論を持ち出す人がいます。そういう人は、「ことくわざ、格言、故事成語」などと持ち出すことが多いようです。私は、ことわざなどは「読み人知らず」で、無責任なでたらめだと思うようにしています。今回は、特にビジネスの場で残っている「雑格言」を取り上げようと思います。
「暑いときにネクタイをしていった企業と契約し、ノータイできた企業とは契約しなかった」
昭和初期か昭和30年代の、有名企業の出来事だったと聞いた覚えがあります。契約する側の企業のところに、契約をもらう側の企業の営業マン?役員?が来たのだそうです。暑い中、契約をもらう側の企業は、一人がネクタイ着用で、もう一人がノータイで来たとのこと。暑い中にもかかわらず、ネクタイをしてきた方に感心し、契約をしたとのことです。
私はこういう現象を、「代理判断」と呼びます。古い時代の営業マン成功体験期にたくさんあります。本来は製品やサービスの良さなどから判断すべきことを、本来の点から離れた「がんばっている」「汗を流している」という点で判断をすることです。これならまだしも、「いろいろ接待してくれた」という部分で判断をしているとなると、ほとんど収賄です。
いずれにせよ、熱中症から人命を守ること、ネクタイ着用でも涼しく感じられるような冷房を考えると、時代遅れそのもの。契約する方も契約をもらう方も、お互いやめたい悪習です。ネクタイ着用もね。
「酒や食事で接待し、仕事への意欲を上げた」(木下藤吉郎と蜂須賀小六)
似たような慣習に、「合宿」があります。飲食や丸一日以上を一緒に過ごさせ、個人的仲間意識を熟成させます。それだけなら、まあ許せなくもありません。しかし、「過大な要求」を会社のためでなく、「友達のために一緒に頑張りたい」という気持ちをもたらしてしまう効果があるのですね。
とある企業でも、経営層が立てた過大な目標に対し、従業員同士が結託して成功させていました。しかし、毎日日付が変わるころまで残業が続き、目標達成後補とのどの社員が退職する事態になりました。
個人的感情を利用して仕事をさせると、おそらく普段の120%程度の仕事量になるかもしれません。しかし、いわゆる「燃え尽き」や「心身の疲労」により、事後に壊れてしまうのです。
結局、無理に気勢を上げること自体が時代遅れです。「70%程度の力を安定して継続して発揮する」方が、長続きするものです。
探せば、似たような傾向はもっとあるかもしれません。ことわざ、格言の類がいろいろな場に持ち出されたのは、高等教育(高校、専門学校、大学)進学者が増え始めた、1960年代のようです。知性をひけらかすための現象だったのかもしれません。
そんなこんなで、私は「根拠なき伝統」は受け継がないことを決めたのです。
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Posted at
2019/08/03 22:49:55
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