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悠太郎Mのブログ一覧

2025年08月01日 イイね!

国産車はつまらないか その4

国産車はつまらないか その4シトロエンC5とお別れをする気にはなったものの、乗り換えても良いなあという国産車が全く思いつかず、頭に浮かぶのは輸入車ばかり。

駐車場の制約で全幅が1800mm以下しかダメなので、トゥインゴ、プジョーの308、BMWの118i、ルノーのキャプチャーに試乗しました。

トゥインゴは斬新で面白く、キャンパストップにも心惹かれたのですが、リアがちょっと狭い。



308は結構期待していたのですが、車自体は大変良いものの乗り換え意欲をそそるものがありません。つまり、追い金を出してまでわざわざ乗り換えたいという気になりません。

118iは評論家の評判が良かったので乗ってみましたが、はっきり言って貧乏くさいBMW。
もっと高いグレードなら違うのかもしれませんが、内装の設えも安っぽいですし、なによりシートが酷い。
背もたれに全くコシが無く、今までずいぶん沢山のBMWに試乗してきましたが、こんなに酷いのは初めて。



この中で一番良かったのは、ルノーのキャプチャー。
しなやかさに欠けるとはいえ、なんとか耐え得る乗り心地ですし(あくまでハイドロ乗りの感想)、シートもなかなか良くて、ツートンカラーのデザインもグッド。
そしてなにより、セミコマンドポジションは見晴らしも見切りも良く、実に新鮮な運転感覚。
リアシートがスライドするのでベビーシートも充分装着できそうですし、けっこう心が動きました。



買うならオレンジかなあ、とも思ったのですが、対応してくれたセールスマンの対応が悪かったのと、質素清貧な年金生活に入るのに、また維持費の高いフランス車か!という心の声も聞こえます。

う~ん、どうしたものだろうか。。。
やっぱりC5と心中、ずっと乗り続けようか。。。
もんもんと思い悩んでいた折、運命の大晦日を迎えたのです。

墓参りの為に名神高速を走っていた時、あれはちょうど桂PAの手前辺りだったでしょうか。
3台のフォレスターに囲まれるという奇跡の光景。
色は白とシルバーだったと思いますが、大阪ではめったに見ることが無いフォレスターに、一度に3台も出会うなんて、これを運命の出会いと言わずしてなんと言おうか。



もともとデザインはけっこう気に入っていたのですが、なんといいますか、この時すごく格好良く見えたのです。

あっ、フォルスターがあるではないか!と、思い悩んでいた心にランプが灯り、その瞬間、よし試乗に行くぞ!と心に決めたのでした。



フォレスターに決めた理由ですが、アイサイトを始めとする最先端の安全装置があることと、シートヒーターが標準装備ということもありました。

この当時から夜間の運転が辛く感じており、特に雨の夜なんて最悪です。
セミコマンドシートなのでアイポイントが高くなって見易くなり、万一の時にはアイサイトがありますので、最悪の事態を防げるのではと考えました。



さて、乗り換えたフォレスターは室内が広く、ガラスが厚いためにとても静かで、家族に大好評でした。
大事な孫たちや家族を安全に運搬するという道具として、本当に良く出来ています。申し分ありません。

見切りが良くて運転もしやすいし、メーターも見やすく車体もすごくガッチリしており、オートクルーズも便利で、とても良くできた車でした。



ただ、ただですねえ、味わいが無いんです。
なんといいますか、箱が移動しているだけと申しますか、運転している実感、運転する喜びを感じないのです。

BMWやシトロエンといった、味の濃い濃い輸入車に慣れてしまったからでしょうか、とてもつまらないんです。

好対照なBMWとシトロエン。まさに剛と柔です。



これぞドイツの工業製品!というBMW。
日本人がドイツ製品に抱く精密感や剛性感の塊。そして高級感。



一方のハイドロ シトロエンは、路面のあらゆる凹凸をヌメ〜ッと包み込んで通り過ぎてしまう究極の快適さと、スポーツカー並みのコーナリング性能の両立。

こんな濃厚極まりない車に慣れた後ですから、余計につまらなかったのかもしれません。
ただもし、X-MODEを活用して雪道や悪路を走り回っていたら、印象が変わっていたことでしょう。

さて、孫たちの運搬手段としては大変よくできたフォレスターに乗りつつ、やはり次第に悶々としてきました。

大好きな車と生きてきたこの人生、このままで良いのだろうか。
一生後悔しないよう、運転してワクワクする車にやっぱり乗りたい。
アドレナリンが沸々と湧いてくる車に乗りたい。

とはいえ、こんなところに住んでいますので、2台目の車を所有するには、高い駐車場代がかかります。

さらに、各種の税金や任意保険、点検費用など、経費は月に数万円は必要です。
高年齢雇用継続が終了し、いよいよ本格的な年金生活に突入する身にとって、そんな贅沢が許されるはずがありません。

ああ、どうしよう。。。。。
悩みに悩みました。



そしてついに、とうとうついに、あの文言が口からほとばしり出たんです。

「もうこの歳になると、いつポックリ逝くかわからない。思い残すことが無いようにさせてくれ!」

40歳になり、BMWを初めて買った時が最初だったと記憶していますが、このフレーズをなんど口にしたことでしょうか。

ただ今回は、年金生活者であることをわきまえ、セカンドカーの維持費は自分で稼ぐという条件にし、警備員の仕事に就いたのでした。



さて、夢の2台持ち。
憧れのオープンカーを手に入れ、嬉しくて嬉しくて、仕事の無い日にあちこちドライブに出かけました。

大好きなロードスターの為ならばと、警備員の仕事にも張り合いが出ました。
幌を開け放ち、大気と共に走り抜ける開放感。これはまさに、転倒しないバイクそのもの。
春ならば、小鳥の囀りを聴きながら車をゆったりと流す喜び。



シフトレバーを駆使し、ダイレクト感とクルマを操っている感を存分に味わう喜び。
圧倒的な、人馬一体感に浸りました。

輸入車や国産車の枠を越えた、間違いなく今までで最も楽しい、本当に素晴らしい大きなおもちゃでした。



レカロのシートを装着したことは大正解でした。
身体がしっかりとホールドされるだけでなく、自分の体型に合わせてシートを設置してもらえたので、今まで経験したことがないほど、自然でピッタリなドライビングポジションがとれました。

シート位置を調整する際に、高速道路を何km/hで走るのか?と聞かれたことに驚きましたが、そこまで微妙な足首の角度まで考慮することに、チューニングの世界を垣間見た思いがしました。
さすが、老舗の有名チューニングショップだけのことはあります。



このロードスターでも、北海道グランドツーリングを敢行しました。
ただ、寄る年並みとGTカーではないことを考慮して往復ともフェリーにしましたので、グランドツーリングとは言えないですが。



憧れだったオープンカーでの北海道。
日本海オロロンラインも、オホーツクホタテロードも最高でした。

幌を開け放ち、大気をいっぱい浴びながら駆け抜け、北の大地を満喫しました。



身体が衰え、自由自在に操れなくなるまで乗り続けるつもりでしたが、年金生活者の分際でセカンドカーを持つなどという贅沢が許されるはずもありません。

涙を飲んで手放しましたが、一生に一度は経験してみたかったオープンカー生活を満喫でき、本当に良い経験をさせてもらえました。
Posted at 2025/08/01 10:03:48 | コメント(3) | トラックバック(0) | 車関連 | クルマ
2025年07月29日 イイね!

国産車はつまらないか その3

国産車はつまらないか その3大きなおもちゃだったRX-8を売り払い、自転車をファーストカーにして無駄をとっぱらった生活に突入したわけなのですが、なにかこう、心の真ん中にぽっかりと大きな穴が開いてしまい、す~す~と風が通り抜ける感じがするのです。

そして3~4日が経ったころ、ふと気づくと車のカタログをめくっていたのです。
そうなんです、明らかに、禁断症状が出ていたのです。

いくら経済的な観点で車を手放すべきだとしても、心が病んでしまっては元も子もありません。
そこで止むを得ず、誠に残念ながら、極めて不本意ではありましたが、再び車を持つことにしたのです。

さあそうなると、何を買うかです。
RX-8を手放す前に、もはや試乗出来ることはあるまいと思って様々な車を試乗しました。
BMW、メルセデス、レクサス、アルファGTなんかも。

その中で、やっぱり身体に一番ピッタリ来たのがBMWだったのです。

BMWを買うとなると、RX-8で実行したオークション代行しかありません。
BMWやメルセデスは新車プレミアムが大きいですから、激安で買えるのです。



その結果、走行距離がたった7kmのHi-Lineパッケージ革張り内装の未使用車を、前回と同じHAA神戸のオークションで入手しました。
その日はラッキーにも6台もの3シリーズの未使用車が出品された為に相場より若干安く落札出来たとはいえ、290万円(消費税抜き)は新車価格の2/3という安さ。もちろん、新車メーカー保証付きですし、自賠責保険料も重量税も全く不要です。



このE90は、RX-8よりはもちろんのこと、E36よりも腰高感を感じ、高速コーナーの凹凸では大きく揺すられました。
しかし、ステアリングへのインフォメーションが豊かで、後輪の安定性も抜群でブレーキも秀逸なので、安心して限界まで突っ込んでいけました。
ハンドルさえしっかり握っておれば大丈夫という安心感が強い車でした。
さすが、ドイツ車という感じですね。



ダコタレザーのシートはRover75以来でしたが、素晴らしいかけ心地。
少し後に傾けてバックレストに体重を分散させたポジションにしておくと、長距離でも全く腰が痛くなりません。
さすが、長い椅子文化の国のシート。コストをひたすらケチった国産車とは大違いでした。



この安心感溢れる運転感覚と秀逸なシートのお陰で、無謀な北海道グランドツーリングに挑戦してみる気になったのです。

北海道が大好きで、それまで何度も訪れていたのですが、やっぱり自分の車で思う存分走ってみたい。
そんな思いが沸々と湧いてきたのです。



過去のブログで詳しく道中を記載していますが、舞鶴から新日本海フェリーに乗って小樽に上陸。
そこから一路南下して函館から津軽海峡フェリーで青森に渡り、大阪まで走って帰るという、無謀なプラン。



8日間、延べ1,949kmのロングツーリングだったのですが、腰痛持ちの身にとって帰宅後のダメージを恐れていましたが、全く問題なし。



E36に較べて明確に静かになっている点も、疲労軽減には効果があると思いますが、なによりも高いスタビリティのおかげでステアリングさえ握っておけばどんな路面でも大丈夫、という絶大なる安心感が大きかったと思います。

E36では散々悩まされた故障ですが、年月と共に品質がどんどん改善し、大きな問題はなし。
リアのウェザーストリップが何度も何度も取れてしまうことと、警告灯(シートベルトとエアバック)が点灯してオーディオが鳴らなくなったことくらい。



ただ、2回目の車検を受けた後になると、イグニッションコイルや集中ドアロックなどが壊れ出しましたが、満足して乗っていました。

しかし、想像だにしていなかったブログ「BMW F30 320dMスポ 試乗記 第2弾」の事件がきっかけとなり、大変気に入っていたE90を手放すことになりました。


さて、ブログ「車乗り換え顛末記(ついに決着!)」に記したように、愛知県までBMWを飛ばして買いに行ったシトロエンC5。



4度目の正直となった念願のハイドロニューマチックなのですが、期待に違わぬその乗り心地には目から鱗が落ちっぱなし。
宇崎竜童さんもハイドロオーナーだったのですが、クルマ大好き人間にとって、ハイドロを経験できて本当に良かったとつくづく思いました。



高速道路などで段差に遭遇した際、上方に突き上げられた車体が強力なダンパーでグワッと強烈に引き戻されるBMWとは大いに異なり、ハイドラクティブⅢプラスのシトロエンC5では、ふた呼吸ほどおいてから、ゆっくり車体が下がってきます。

ちなみに、Rover75はその中間か、ややシトロエン寄りで、ひと呼吸おいてから車体が下がってきます。



そしてBMWとの決定的な違いは、段差に乗り上げた瞬間のショック。

E36はもちろんのこと、E90でもガツンッ!やドスンッ!という直接的なショックが車体を揺さぶりますが、C5ではタンッ!という軽い音を伴い、フワッ!と車体が浮き上がるだけ。



その際に、若干ピッチングも起こすのですが、その程度は軽くて動きもゆったりとしており、何回も繰り返すことはありません。

つまり、“大洋を突き進むクルーザー” あるいは “ウォーターベッド もしくは “空飛ぶ魔法の絨毯”そのものです。

この魔法の乗り心地に一番驚いたのは、山中の改修された道路の下り坂にある、黄色の縞々に舗装された部分を通り過ぎた時。



あの黄色に舗装された部分は盛り上がっているので、普通の車であそこを走るとドンドンと車体が激しく振動しますが、C5ではタンタンと凹凸を踏み越えている音が遠くから聞こえてくるだけで、身体に振動が伝わってこないのです。

まさに空飛ぶ魔法の絨毯。



フランス車は石畳の道路でも乗り心地を良くするために足回りが柔らかいと言いますが、このハイドロは全く異次元の乗り心地で、クルマに乗るのか、シトロエンに乗るのかと言われる所以に納得しました。

一方、ブログ「ハイドロの車はニュートラルステア」で記したように、ハンドリングも素晴らしくスポーティーで、アルミ鍛造部品を使ったダブルウィッシュボーンという大変コストのかかったサスペンションのまさに面目躍如。

内装は安っぽいですし欠点も多い車でしたが、ボクスター同様に、走る性能に特化した潔いクルマでした。



フランス人は車に荷物をいっぱい積んでバケーションに出かけることに倣い、2度目の北海道グランドツーリングを敢行。

11日間、延べ2,778kmの超ロングツーリングだったのですが、全く疲れが残らず、やはり最上のグランドツーリングカーでした。

 

フランス車ということで心配していた故障は杞憂に終わり、助手席のモールがベロンと剥がれてきたことくらいで、E36の頃に比べると、欧州車の品質は本当に良くなりました。

ただ、4年目くらいになると、駐車しておくと車高が次第に下がるようになってきました。
自分の家の駐車場ならともかく、駐車場所がマンションの機械式駐車場なので、下血すると後始末が大変なことになります。



そこで手放すことを考え始めたのですが、北海道グランドツーリングで思う存分ハイドロを堪能した満足感があったのかもしれません。
Posted at 2025/07/29 08:21:20 | コメント(4) | トラックバック(0) | 車関連 | クルマ
2025年07月26日 イイね!

国産車はつまらないか その2

国産車はつまらないか その2BMWの車検で30万円も整備費がかかることはダメ押しになったに過ぎず、いつもの「車欲しい病」が発症していたのが、BMW E36を手放したそもそものきっかけです。

で、その「車欲しい病」が発症したのは、いつかは乗ってみたいと思っていたハイドロのエグザンティアが無くなるという情報を耳にしかからでした。

車を乗り換えるたびにハイドロが気になっていたのですが、今回は真剣に事を進め、乗り物にちょっと弱かった娘を連れて高速も試乗させてもらって酔わないことも確認し、最終モデルのエグザンティアを仮予約までしました。



さあ、いよいよハイドロ生活間近か、という矢先、悪い病気のせいなんでしょう、日本に輸入が始まって以来ずっと気になっていたRover75も見ておきたいという気になったのです。
インポートカーオブザイヤーにも選ばれ、徳大寺有恒氏も乗られていたこのRover75。

貧乏サラリーマンにはちょっと手が出ない価格帯でしたので諦めていたのですが、なんということでしょう、100万円も値引くというのです。
なんでも、千葉のPDIセンターに置いていた時、雹が降ってルーフやボンネットに傷が付き、補修したからだというのです。



ただネットでいろいろ探ったところ、本当に被害に遭った車体は保証書にその旨の記載がされているらしく、私のクルマにはそんな記載が見当たりませんでした。
多分おそらく、BMWがMINIだけ残してローバー社を手放した煽りで輸入がストップしたので、困ったBMWジャパンが在庫処分の理由にしたのではと思います。

そんな経緯で急転直下オーナーとなったRover75ですが、惚れ惚れするような美しいウォールナットとパイピングも入ったレザーの内装は、これぞ英国車!という設え。
ウッドとレザーとのコンビのステアリングをオプション装着した車内は、いやもう乗る度に惚れ惚れするような佇まいで大満足。



さてこの車、BMWがローバー社を買収して急ぎ設計開発したため、照明スイッチ・ATモードスイッチ・エアコンなどにE36の部品が多々流用されているとともに、アルミ鍛造の足回りなど、随所にBMWの設計思想が垣間見えました。

一説には、もともとBMWは4シリーズとして登場させるFFセダンを開発中で、その技術をそっくり反映したと言われています。



購入して早速、Rover75を所有している英国マニアの方のウェブサイトに登録し、大阪でのオフ会を何度も開催しました。

その当時、CG誌でも長期テストをしていましたので、Niftyサーブの時代から存じ上げていたCG誌の記者の方に連絡し、東京でのオフ会の様子をCG誌で紹介してもらいました。



さて、まず初めにこの車に乗って感じたことは、速度感の違いです。

高速道路を走行し、速度計が100km/hを示しているのですが、どう考えても80km/h位の速度にしか感じません。
どうしてもE36と20km/h位の速度差を感じたので、速度計がおかしいのではないかと疑ったほどです。

この速度差を感じた理由は、騒音と路面からのショックにあると思います。

遮音材が贅沢に奢られたRover75は、高速域でも明確に騒音が少なく、これは長時間のドライブでは凄く影響するはず。



一方、路面からのショックについては、これはもう明らかに英国車の乗り心地を示しました。

E36では、路面の段差に乗り上げて車体が上方向へ突き上げられた後、一瞬の間も置かずにすぐさま強烈に下へ引き戻されます。

一方のRover75では、上方向へ持ち上げられた後に、一呼吸おいてから緩やかに車体が下がる。
いわゆる、路面の不整を上手に「いなす」という乗り心地です。

昔の大型ジャガーの猫足(故三本和彦氏の造語ですね)ほどではありませんが、まさにこれが英国車という乗り心地。



当時のCG誌に掲載された、Rover75やE36を含めた中型セダンのジャイアントテストをよく覚えています。
総合評価のトップはもちろんE36でしたが、硬派なCG編集者達をもってしても、乗り心地に関してはRover75を推す声が多数でした。

実際、この遮音性の良さと路面の不整の「いなし」によって、長距離を走っても疲れが少ない車でした。
おまけに大型FFセダンらしく直進性が素晴らしく、新潟の赤倉スキー場から大阪まで5時間足らずで走ってきても、ほとんど疲労を感じなかったのをよく覚えています。



内装だけでなく外装のデザインも素晴らしく、所有する喜びに満ち溢れた車でしたが、グニャッとした感触のステアリングだけは、BMWに慣れた者にとって、大いなる不満でした。



さて、RWDのすっきりしたステアリングが懐かしい、という想いを密かに抱いていた頃、仕事で広島のマツダ本社へ行く機会がありました。
行った事がある方はご存知だと思いますが、本社のロビーがショールームになっており、数台の車が展示してあります。



その時、RX-8がセンセーショナルに登場して未だ1年経っていない頃でしたが、強い興味を抱きつつも、4人家族の我が家にとって、4人がちゃんと座れることが前提条件でした。



そこで早速展示車の運転席に乗り込み、180cmある自分の身長にシートを合わせた後、後席に移りました。
すると、なんということでしょう。膝も頭も、全くどこも当たらずにちゃんと座れるではありませんか!
この瞬間、そう、この瞬間、私の心に火がポッと灯ったのでした。



ただしかし、本当にこんなスポーティーな車に乗れるのかが心配でしたので、帰阪後に仕事をサボってRX-8のレンタカーを借り出し、いつもの熊野本宮まで400kmほど走ってみることにしました。
レンタカーはATでしたが、いやもうそれはそれは楽しくて、ワィンディングロードを意のままに駆け抜ける喜びを満喫。

レンタカーを返却した後、Rover75に乗った瞬間、なんとつまらないクルマなんだろうと感じたことを今でもよく覚えています。



ディーラーで新車を買っても良かったのですが、その頃知ったオークション代行で格安に入手することにチャレンジしてみました。

HAA神戸のオークションにおいて、1年落ち、走行9千km、評価5AAを、落札価格180万円(消費税抜き)で落札しましたで、ほとんど新車と変わらない個体を、新車価格の約2/3で入手できたことになります。ちなみに、2年半乗って手放したのですが、人気車ゆえ150万円も値が付いて、ビックリでした。



シビックCX以来のMT、おまけに低速トルクが細いロータリーですから、最初の頃はエンストしたり吹かし過ぎたりしましたが、半年くらい後には全く無意識にシフト操作ができるようになりました。

BMWと同じように、アルミ鍛造性のサスペンションを奢られた足回りはスポーツカーそのもので、コーナーをみずすましのように駆け抜け、外側の後輪が自分のお尻の真下にあるような感触を味わいました。



ああいう構造ですから、車体はちょっと緩い感じはしましたが、練りに練ったパッケージングは見事で、4人乗っての小旅行は全く問題なし。

走行性能だけでなく、円形をモチーフにした内装も凝っており、Boseサウンドシステムの音を聞きながら、ゆったり流すのも快適でした。



ブログ「カッ飛びのプロボックス」で紹介した腰痛事件にもかかわらず、大変気に入って乗っていましたが、ある日「マイカーは金食い虫」という内容の週刊ダイヤモンドの記事を読んだのです。

そんなことは先刻承知だったのですが、ちょうど子供二人が大学生でお金が掛かり、将来の不安も抱いていた頃なので、何を思ったのか突如、マイカーを手放す決意をしたのでした。

いずれにしても、国産車はつまらないなんてとんでもない。
RX-8は、運転の楽しさにかけては最高の車でした。
Posted at 2025/07/26 09:34:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 車関連 | クルマ
2025年07月25日 イイね!

PENTAXはカメラ界のスバルか

PENTAXはカメラ界のスバルかあまりの暑さに脳みそがヤラれ、ぼお〜っとYouTubeを見ていたら、ホーム画面に登場したのがこれです。

カメラ好きの方へ PENTAX K-3 から見る 趣味のカメラとは

最近はカメラのYouTubeをよく見ているので、きっとこれが出てきたんでしょう。

カメラの腕はともかく、私もファインダーを覗いてシャッターを切るあの感触が好きなので、シャッター音や切れる感触がとても重要だと思っています。

シャッター音が大きかったり衝撃の大きいカメラは、なにかこうカメラに撮らされているような感覚になります。



それはともかく、このYouTubeに付けられたコメントを読んでびっくり。
ちょっと引用しますと、

元K-3ユーザー、そして現K-3 MarkⅢユーザーです。
そして、元インプレッサSTI乗り、現レガシィ乗りでもあります。
スバル車ってピラーの位置が絶妙だったり、運転席からの視界が広く、とにかく他社の比にならないくらい車両感覚が掴みやすいんです。
カメラで言うと、グリップの握り心地やファインダーの見え方がそれに当たりますが、PENTAXってこれらの点がめっちゃ良いですよね。本当にカメラ界のスバルです。
スバル車に乗っていても、車好きが作った車だな…と感じることがありますが、PENTAXもカメラ好きが作ったカメラだということが製品から伝わってきます。

カメラを車に例えるなんて思ってもみなかったのですが、言い得て妙、まさにその通り。
思わずボケた頭がシャキッとしてしまいました。

なるほどねえ。。。
Posted at 2025/07/25 07:25:18 | コメント(1) | トラックバック(0) | カメラ・写真 | 趣味
2025年07月24日 イイね!

国産車はつまらないか その1

国産車はつまらないか その1ようやく今度こそ本当に人生最後の車、あがりの車に辿り着き、最後は国産車でクルマ人生の終焉を迎えようとしていますが、国産車はつまらない、と言われていることに思いを馳せてみました。

国産車はつまらないと私が最初に感じたのは、サンタナから90sアコードに乗り換えた時でした。

たまたま訪問したホンダディーラーで、全国のホンダの中でもベスト5に入るという凄腕セールス氏に出会い、びっくりするような高額査定と大幅値引きにノックアウトされて決心した90sアコード。



多段のATは恐ろしくスムーズで、アクセル開度で自由自在に車を操れ、エアコンもよく効くし燃費も良く、サンタナとは大違いの車でした。



ただ、ただですね、家に帰って車庫に車を入れ、バ~ンッとドアを閉めた時、サンタナと違って何の余韻も残らず、すぐにクルマのことが頭から消えてしまうのです。
何と言いますか、大変良く出来た車なんですが、面白みというか個性というか、クルマの味わいが無いのです。



一方のサンタナ。



子供が出来て3ドアのアコードではチャイルドシートへの乗り降りが難しく、4ドアに乗り換えねばと考えていた頃、近所のおじさんがいつも家の前で洗車するのを目にし、いいなあと憧れていたサンタナ。



しかし、マンションを買ってずっしりとローンを背負った身に、高額なサンタナは無理。
そこで、日産の中古車センターで発見した個体を購入することにしました。



社有車だったようなので煙草の跡もあって程度はあまり良く無く、AUDIマークの入った5気筒のエンジンは燃費が悪く、夏場は最悪で5km/Lを切る始末。
エアコンを入れると、暫くの間は暑いダッシュボードの熱気を含んだ熱風が出てきますし、3速しかないATはスムーズさに欠けました。



ホイールベースが短いのでノーズスクワットとダイブが大きく、フラットさとは無縁の走行姿勢。

しかし、日産が驚愕したというスポット溶接の多さによる強固なボディーと、得も言われぬ「いなし」の効いた乗り心地は絶品で、国産車とは異次元の世界を垣間見た思いがしました。

特に車体の柔さでは定評のある当時のホンダ車の後でしたから、余計に感動したのでしょう。



エンジンとトランスミッション以外は日本国内で製造していましたが、VWの設計に忠実に基づいて製造されたこのサンタナは、ドイツ車の味わいを充分に堪能できたと思います。

その後、中国へ出張で行く度に元気なサンタナのタクシーに会うことが出来、懐かしい思いをしました。

所有した車は必ず1/43のミニカーを買っているのですが、その当時のサンタナのモデルがついぞ見つからず、それが残念です。



毎年訪れていた大阪輸入車ショウ。
雲の上の存在だったBMWブースを、全くの冷やかし気分で訪れたことがきっかけで買うことになったBMW E36。

清水の舞台から飛び降りる覚悟で決断したのですが、色は買うならこれと決めていたライトレッドです。



ディーラーで車を受け取り、ハンドルを握って帰宅する時の緊張を未だに覚えています。

ちょっとアンダーパワーでしたが、ハンドリングはとにかく素晴らしく、その後のハンドリング評価の基本になりました。
高速直進性はあまり良くない代わりにコーナーでの安定性が抜群で、まさにコーナリンクマシンでした。

買って早速キャリアを載せてスキーへ行ったら、ペンションのオーナーに「勿体ない」と言われましたが、西へ東へガンガン乗りました。



私は「精密機械感」と呼んでいますが、ギッチリと噛み合った歯車が、ギュワーンと回るような重厚感がBMWらしく、国産車とは全く異なる世界観を満喫しました。

ちょうどその頃、久しぶりにドイツへ出張があったので、当時の駐在氏の一人が運よく乗っていた325iの助手席に座り、じっくり観察出来る機会がありました。

アウトバーンは、日本とは違って硬いコンクリートの舗装が多いので、その継ぎ目を乗り越えるたびに相当なショックが伝わって来て、身体が上下に激しく揺すられます。
おまけに、騒音のボリュームは相当なもの。
そんな状況で数時間飛ばしまくるのですから、ドイツ人はなんてタフなんだろうと感心しました。



折角だからと出張時にドイツ人従業員も誘って食事会を催すと、奴らは食うわ食うわ。
そのあまりの食いっぷりを駐在氏にボヤくと、狩猟民族はいつ獲物にありつけるかわからないので食い溜めができるんだとの説明。
やっぱり、ヤワな日本人とは身体の構造が異なっていたようです。

輸入車に乗ることはその国の文化を味わう事だと言われていますが、まさにそれを体感した思いでした。

ただ、サービスフリーウェイで助かりましたがトラブルが多く、ハンドルの異音とアイドリング異常に悩まされました。
何度修理しても完治することなく、ついにインジェクションバルブにカーボンが溜まる問題は構造的欠陥だとディーラーから宣告され、2回目の車検整備時の修理代が30万円かかるとわかって5年で手放すことにしましたが、輸入車とはなんぞやという事をしっかりと味わえた一台でした。



出張ついでにBMW博物館へ行くこともできましたし、やはり最も想い出のある輸入車です。
Posted at 2025/07/24 07:34:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | 車関連 | クルマ

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「家の斜め上をブルーインパルスが飛んで行きました。」
何シテル?   07/12 16:31
社会人となって初めて車を所有し早や47年。その間14台所有しましたので、平均して3年強の所有期間。2~4年経つと、どうしても別の車が欲しくなる「車欲しい病」が発...
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