
これまで、リモートタッチ(操作部)、コンソールサイドガーニッシュ・アームレスト・助手席ドアグリップを本皮化してきましたが、本皮化の最後(?)となる 「 コンソールBOX 」 の蓋を本皮化してみました。
<本皮化の動機>
コンソールガイドガーニッシュを本皮化した時点で、これ以上 本皮化するのは 「クドイ」 かな?と思っていたのですが、コンソール周辺全体を見ると 「コンソールBOXの蓋」 だけが合成皮革のまま なのが気になりだしたので、ここも本皮化することにしました。
(↓ いつもチャイルドシートに座る息子に蹴られて汚れてたコンソールBOXの蓋・・・(・_・;))
<作業方法>
本皮化の方法は、基本的には、コンソールサイドガーニッシュとほぼ同じ手法ですが、簡単に説明します。
(コンソールBOXの蓋を外した後からの説明となります)
① 合成皮革を剥がす
→ タッカーを外して、合皮を剥がします。
→ ホッチキスやカッター、ラジオペンチなどを利用すると外し易くなります。
② 型紙を起こす
→ 透明のフィルムやラミネートで輪郭を描くと型を取り易くなります。
→ 側面と後方部を分けて型を取った後、それらを繋げる必要があります。
→ その後、そのフィルムやラミネートをコピーして、コピーした紙の線の輪郭で切断
すると型紙になります。

※ 側面と天面の縫い代は、それぞれをラップさせる必要があるので、両方にその縫い代
を取ることを忘れないで下さい。(※これを怠ると、縫い合わせれなくなります)
③ 本皮に型紙を写す
→ 型紙の輪郭で皮の裏面に線を引き、その線に合わせて皮を切ります。
※ 純正の合皮の側面の布は一枚ものですが、
その長さの皮が揃わなかったので、
後方部の中央で縫い合わせました。その為、この縫い合わせ部も型紙では縫い代を
オーバーラップさせていますので、同様にされる場合は注意して下さい。
④ 本皮の縫製とステッチ入れ
→ これは以前のコンソールガイドガーニッシュと同様に、AEONの中にあるリフォーム
専門店で加工を依頼しました。

一度見えない裏面で皮と皮を縫い合わせて、その後に表面から見える位置に
ステッチを入れます。太目の30番の糸を2本使い(2重)でより太く見える様にして
ステッチを入れて貰いました。
(皮の専門店ではないので、純正と比べると、ステッチのピッチがやや小さめです。)
※ 今回、後悔したのが、ステッチの入れる場所です。
コンソールサイドガーニッシュの様にブルーの皮の部分にステッチが入る様にすれば
良かったのですが、純正の合皮を見本として縫製業者に渡したので、黒の皮の部分に
ステッチが入ってしまい、ステッチの見た目が「地味」になってしまいました。(・_・;)
(ブルーの革にステッチを入れると革の折り返しが逆にはなりますが・・・)
とはいえ、まあ、これはこれで落ち着いた感じで良かったかな?(^_^;)
⑤ 革の巻き直し
※ 純正の合皮を剥がすと、↓ の写真の様に フタにはスポンジが貼られていて、
肘を置いた際のクッション性を高めていますが、これはそのままの状態で利用
します。
→ 縫製とステッチ入れが終わった皮をパネルに巻く作業に入ります。
合皮は厚さ3mmほどのスポンジに貼られているのですが、本皮だけだと厚さが
足りなくて、そのまま巻くとパネルに対してブカブカになってしまいます。
そこで、パネルにスポンジシートを貼り付けて厚み調整をしました。

手持ちのスポンジが5mmしかありませんでしたのでそれを貼りました。
パネルの周囲に両面テープを貼って、パネルの形状に線を入れたスポンジを貼り
付けた後、ハミ出る部分をカットします。
(以前の様にScotchの77スプレーでも良いですが、今回は何となく両面テープを
使ってみました。
後は スポンジを巻いたパネルに 皮を貼り付けますが、ここはコンソールサイド
ガーニッシュと同様、透明タイプのG17ボンドを使って貼り付けます。
ポイントは、コーナー部の処理を上手くやる事と、ボンドは半乾きの状態になってから
貼り付けると作業性が良くなります。
※ ボンドを塗ったのは、裏側の見えなくなる部分だけです。
スポンジ部分にボンドを塗ると 皮が凸凹になって醜くなってしまいます)
⑥ 完成写真
コンソールサイドガーニッシュと比べると形状がシンプルなので、皮の貼り付け作業は簡単です。
<コンソールBOX蓋の外し方>
実際にコンソールBOXの蓋を外す時には写真を撮り忘れてしまい、皮を巻いた後の完成品で写真を撮りましたので、その点で写真がはチグハグですが、ご了承願います。
① コンソールBOXの後部座席側のパネルを 隙間に内装剥がしを使いながら手前に
外します。
② 中央のネジ4本を外します。
③ コンソールBOX内を空にして、下に敷いてある敷物をめくると ネジが4本見えますが、
その中の後部座席側の2本を外すと、コンソールBOXの蓋一式が外れます
(後部座席側に抜けます)。
(コンソールBOXの中は深いので、普通のソケットレンチだと長さが足りないかもしれま
せんが、その場合は小さなモンキーやスパナで地道に外して下さい)
④ 蓋の裏側の黒いネジを2本外すと、裏側全体のカバーが外れます。
(ネジを外した後、浮かせてネジ側に引き抜く形になります)
⑤ 中央のネジ4本を外すと、稼動部の金具が外れて、蓋が単体になります。
(※装着時は、上記の逆の手順で装着して下さい。)
<この他の本皮化(皮の巻き替え)検討箇所>
実は、これまでに「本皮化」してきた箇所以外に、「ドアアームレスト」の本皮化や 「ステアリング」の皮の巻き直しも検討したのですが、
① 「ドアアームレスト」 は、ドアパネルの中で、パーツが溶着されて固定されていたので
外すと元に戻せなくなる可能性があったので諦めました。
② ステアリングは 部分的にブルーの皮に巻き替えてみようかな?と思い 「 Leather
Custom First 」 さんに問い合わせをしましたが、
「 ステアリングヒーター機能がついた ステアリングは、皮にヒーター機能のシート
(電熱線?)が貼り付けてあるので、皮を交換するとヒーター機能が使えなくなる 」
とのことで、諦めました。
( 「 ヒーター機能を使えない様にして装着しても良いが、車側でエラー信号が出る可能性
もあるので、やめた方が良い 」 とのことでした。)
<完成写真>
<最後に>
また、長くなってしまいましたが、参考にして頂ける方が お一人でもみえると嬉しいです。