
ちょっと前の話ですが、とある方からのご依頼で、BMアクセラの「サイドブレーキレバー」部の本革巻き替えを行いました。
御依頼頂いた方は、以前 シフトノブの本革巻き替えもご依頼頂いた方なのですが、
「サイドブレーキレバー部の本革巻き替えをして貰えませんか?」
とのご依頼があり、未経験の作業では有りましたが、挑戦してみました。
依頼者の方からの要望は、
「シフトノブと同じワインレッドのパンチングレザーで巻き変えて欲しい」
とのことでしたが、パンチングレザーでは巻き替えが出来ません。
というのは、パンチングは既に穴が等間隔で開いていますが、巻き替え時にステッチで革を締め付ける際に必要となる穴の位置(間隔)が、既に空いている穴の位置(間隔)とは合わない為です。
下の写真を見て頂けると判ると思うのですが、
パッと見、真っ直ぐで平行な太さに見えるレバー部も、
(↓純正のレバーから剥がした革)
実際には真っ直ぐではなく太さが変化しているので、革の形が平行にはなりません。
仮に平行だったとしても、ステッチ用の穴明け位置とパンチングの穴位置がピタリと合う可能性はかなり低いです。)
よって、その状態で無理矢理ステッチを入れると、糸を通す穴位置が凸凹(ガタガタ)になり、見た目が悪く、綺麗に仕上げれないのです。
(意味判りますでしょうか?(^_^;))
そこで、私なりに検討した結果、純正は上部にステッチがありますが、
ステッチを下側にして、尚且つ、ステッチ部周辺にはパンチングの穴を無しにする方法です。
具体的には、穴の開いていないノーマルの革を使用して、ステッチで使用する穴の周囲を避けて、
後から地道にパンチングの穴を開けて、一見すると「パンチングレザー」に見える・・・という方法です。
この方法で依頼者の方の了解を得られたので、依頼者の方からお送り頂いたパーツへの作業に着手しました。
①元の革を剥がして、レバー部の形状に合わせて、革を切出します。
※純正と同じに見えるかも知れませんが、ステッチ位置が上下逆になる為、微妙に形状が異なります。
②ステッチ用の穴を開けます。
※革の合せ面に平行に等間隔に穴あけを行います。
③ステッチ用の穴の周囲を避けて、地道に穴あけを行います。
※均等に穴あけする為に、4mm間隔の方眼紙を自作し、方眼紙の角部に丁寧に穴あけをしていきました。
結果的に、約600個の穴あけをしたのですが、穴あけだけで1.5時間以上掛かり、想像以上に大変でした。
④革を貼り付けて、ステッチを入れて完成です。
※ロックボタン側のゴムの端と革の端をぴったりと合せながらステッチを入れるのは予想外に大変でした。というのは、ステッチを入れると革を引っ張るのですが、引っ張るとゴムの端から離れてきて隙間が空いてしまうので、そこを調整しながらステッチを入れるのに苦労しました。
依頼者の方から写真も頂き、使用許可も頂いていますので、UPさせて頂きます。
相手の方に喜んで頂けるのが、一番の自己満足ですね!
Posted at 2020/03/08 20:15:14 | |
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