３２スカイラインと失われし１３年・・・（２）

ＧＴＳ－ｔであちこち出かけた。聖地・岡谷のスカイラインミュージアムへも。
しかしながらオレの心は満たされなかった。
「３２スカイラインって、ＧＴ－Ｒもあるよなぁ～」
ふと興味がわいて、２００４年に埼玉の専門店へ足を向けた。
当時はまだタマ数が多かったのだ。

最初に行ったのは５月の連休明け。まだ寒い日だった。
店員の応対の仕方などを観察し、車を見る。この時は完全な冷かしだった。
「オレにはＲなんて乗りこなせないよ」
まだ躊躇があった。

二度目、段々気持ちが傾いてくるのが分った。

三度目、非常に綺麗なシルバーの３２Ｒが入っていた。
何回も３２を見ていたので、ウィークポイントも分っていた。そこを見ていくと極上であるのが分る。

助手席に試乗させてもらった。Ｒ初体験。
「お、意外に普通に走るじゃん」
もっと乗り心地が悪いと予想していたので拍子抜けだ。
戻ってきて改めて見つめる。
「オレの車だなぁ」
すでに決心した。

納車まで３ヶ月を要した。車庫が出来ないので納車を見送ってもらったのだ。
非常に迷惑な客だったに違いない。

かくして３２デビューから１５年を経て、ついに頂点の「ＧＴ－Ｒ」に登りつめたのである。あの興奮は今でも忘れない。高速を走れば飛ばしても無いのに皆がよけてくれる。「スゴイ車だな」と感心した。

しかし、１３年もの無作為な月日が惜しかった。オレにもっと積極性があったなら・・・。「後悔は先に立たない」って本当だよね。