
良く参加者の方などから『シミュレーターって効果あるの?カートでの練習って良いの?広場トレーニングて練習になるの?』と聞かれる事があります。
いつも答えるのは、『良いと思いますよ、でもやりゃいいってものじゃなくて、やり方をその効果を体感できる状態である事が大事ですよ』とも。
今日は鈴鹿でVITAでのマンツーマンドラサポでした。
VITAはいま凄く流行っている車両。
何故か?は私も良くレッスンで走らせる経験があるので分かります。
ただ、最近気になるのは、たくさん走る”部活チック”の方が多い。
VITAは軽量でパワーも無いので気温が低いとタイヤが適正温度になるまで時間が掛かるという側面もあります、そしてランニングコストが安いから沢山走っても大丈夫!っていう気持ちもどこかにあるのかもしれませんね。
沢山走り込むことが練習になる、効果があるという時期も確かにあるのですが、それ以上に『走りの質をあげる』という事も大事なんですね。
じゃあ”走りの質を上げる”ってどういう事なの?というと、、、例えばサーキットを走る時にプロDrは色々なクルマを色々なサーキットで色々なシチュエーションで、色々な目的の中で走らせた経験値が多いというのがあります。
一般の方が色々な車に乗るのは大変ですが、まずは他の車乗ってみる、他のサーキットを走ってみる、他のコンディションを走ってみる、レースに出るなど”
”違う環境で走ってみる”が良いでしょう。
いっぺんに色々な変更軸があると混乱するから同じサーキットで車両を変えてみるのが一番よい、そうやって色々と軸を変えてみると、サーキットと車を変えても『変わらないものと変えないといけないもの』が分かる様になります。
まずは違いが分かる様になる事、それが分かると、それらの度合いが分かる様になる。
違いが分かる = 原因が分かるに進み、原因が分かると”修正する為の対策”という工夫や練習方法という風に繋がっていくはずです。
この『効果的な練習のための黄金のサイクル』は技術の面だけでなくセットアップの話にも通じるし、当然ながら拡大すると『シミュレーターを使う事による効果』だったり、『カートを活用した練習によって得られるモノ』にもなります。
ワンスマで人気コンテンツの『広場トレーニング』ですが、サーキットを走る人にも、ペーパードライバーで一般道でまずは気持ちよく上手く走れる様になりたいという人でも、1日走っているとほとんどの方は上手くなる人多いです。
上手く走れるかどうか?はアマチュアの方ほど『経験値がないから』の部分が大きいので、安全に経験できるステージに身を置けば免許を持っているんだから最低限の運転は出来るので、結構できてしまう人は多いのです。
でも、それはワンスマが保証する、という意味ではありません。
HCシェアリング枠での広場トレーニング参加者は1日でうまくなる人が多いな~と最近感じるのですが、それは自分のクルマで普段走っている人が多いという基本ベースがあって、その上に人様のクルマを借りて走る事に抵抗がない(車の特性を把握して最低限アジャストできる能力がある)、あとは一番大切なのは『上手くなりたい、上手くなってサーキットを走れる様になりたい』というモチベーション(動機)が高いのと、それが数歩先に見える様にシェアリングさんがうまくPRしていてイメージしやすいのだと思います。
サーキット走行もモータースポーツと言われるスポーツですから、運転すること = 自分の体を意のままに動かすという行為に対して、そしてそれによってモノ(サーキットの場合はタイヤでありクルマであり)に入力がされた結果で何かが作用する、という図式が理解できていて、速度域が変わったり、操作の強弱コントロールが必要だったり、このスポーツの独特性であり難儀なスポーツと言われる部分である、複ケ数の操作を同時進行で管理するという事が出来る、もしくは出来る素質がある事が重要です。
これらモータースポーツだけの事ではなく、それによって起きる変化や調整精度、工夫力など、スポーツの基本であったりしますね。
一般道の速度域でも例えばレンタカーを借りて走らせるとブレーキの踏み白が違ったり、車格やクルマに対しての運転席の位置が変わったり、ハンドルの軽さが変わったり、、、そういった経験が少なからず誰でもあるハズですが、サーキットの場合はそれを高速で限界領域に近づけて走らせる分、その部分が如実に出る。
だから一般道のレベルで『クルマを変えたのでその特性を確認して上手に走れる様になりたい』という人が今までやった事ない広場トレーニングやサーキット走行の中で確認しようとすると、そもそもそんな走らせ方、今までの一般道の中でやれないし、自分の経験値でも想像が出来ないだろうから、比較にもならなければ確認にもならない、、、、って事が起きる。
これは『練習の仕方や確認するべくステージの選定』を誤っているパターンですね。
そこをまずはクリアできれば”自分の変化に気付ける”はず。
どこで何をどの様にするか?いま自分が何をしているか?がわからない人は、一般道で言ったら免許を持ってない(運転する技術やルールをしっている等)状態だったり、持ってはいるけど判断力の衰えた後期高齢運転者がフラフラ走って居たり、ペダルの踏み間違えを起こしそうになっている状態に近い、と言えます。
『特性を掴む』なんて一般道で確認できるとしたら大した違いではなく、本当の特性の違いは”性能の残り3-5%の部分”だけです。
だから、トップグループのラップタイムが2分フラット(120秒)なら3.6秒から6秒以内に入ってきたら、車両の特性の違いやセットアップの違いが出てきたり、分かってきたりする領域なので、そこまでは『沢山走り込め!』の古き良き時代の練習法がまだ役に立つ可能性の高いレベル(笑)
そこまで来たら、じゃあタイヤを変えてみたら?セットを変えてみたら?違うサーキットを走ってみたら?レースに出てみようかな?ってなる。
色々なクルマで色々なサーキットを走るのはだから大変だし、それでレースをしようとするのは更に難易度が高いという事です。
私は年間に500台以上のアマチュアドライバーとその車を色々な環境で走らせているから、皆さんが今どの位置に居て、どういう練習をするのがより効果的か?がある程度の正解や不正解が分かっているつもりです。
(具体的な事はノウハウなのでここでは避けますが)
最近思うのはVITAは特にドライバーの経験値が低めの方が多いからか?余計に効果的な練習方法というレコードラインを知らずに走り込んでしまっている人が多そうだな~と感じる事が多いです。
もっといい練習をしたらもっと速くなったり上手くなったりするハズなのになあ、という人や『あ、何かそうしてヒントを掴んだんだろうな』と思わせてくれるドライバーが光ったりもしますよね。
上手くステップアップしていく人、結果を残していく人、そうでない人を客観的に見ていると、前者の方々は『体力、感性、情報取捨力』が鋭い人が多く、後者の方々が『それらの逆』が多いというのがあります。
体力があれば余裕があるので考えたり感じたりもし易い(走行中に限った話ではなく)、そしてマッチングの良い環境で走っている人が多いから、そこに辿り着くにはやっぱり情報取捨力だと思う。
色々な面で極めているプロスポーツの世界でさえ、チームや戦う場所(環境)を変える事で芽が出たり逆になったりするケースがあるんですからね。
そういうのを知った上であれば、シミュトレだって広場トレだってカートだって、練習になります!こうやったらより効果的なんですよ!と声を高々に個々の皆さんに言えるのです!
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2022/11/14 16:08:29