
10月はあっという間の1か月でした。
英国B社の山籠もり試乗会Weekがあり、FSWでの走行会があり(12/12開催分は既に募集中)、ドライブスルー走行会やMcLaren正規ディーラーさんのセールススタッフ研修プログラム運営がありました。
先週はBMWさんの全国キャラバン、今年3回目で呼んで頂き博多Weekでした。
そして福島エビスサーキットでの今年2回目のダートトレーニングの2日間を終えて月末業務の本日事務所部屋での1日です。
明日は広場トレーニング(走り込み)で井上インストラクターが担当なので私はオブザーバーとして立ち合いのみですが、今月は外仕事が21日あったのでこうして1日事務所部屋に居ると逆に新鮮 笑
さて今日はエビスサーキットでのダートトレーニングの話をしたいと思いますが、、、
つくづく思うのは
「能力」の差は小さい
「努力」の差は大きい
「継続」や「習慣」の差はとても大きい、、、と言う事です。
このダートトレーニング、滑らせてコントロールする練習だったり、リアが流れても怖いと思わない様に、、、滑るか滑らないか?の感覚を磨く為、、、と思われるでしょう。
当然それも正解なのですが、その先にあるものが大事なんです。
ついターマック(舗装路)でグリップがある環境でクルマを走らせるとグリップの限界値が見えづらいですよね、でもだからといって雪上に行くと滑り過ぎるし舗装路に水を撒くと高速&高慣性でないと滑ってくれないからそこでケツセンサートレーニングしようとすると滑りすぎたり、滑る所まで行こうとすると危険だったり、低速で無理に滑らせるだけで実際のターマックでの走りに実は繋がってなかったり、、、なんです。
比較的グリップする(路面が特殊なので滑り具合を水の撒き方や砂利の撒き方でコントロールできる)環境で滑りやすいというのがこのトレーニング環境のミソ、車もピンスパイクを履いたり、ドリフト用に作られた車両ではなく普通のタイヤを履いた普通の86というのもミソ。
それでグリップすると分かり辛い事が分かるって事と、どうしてもブレーキと旋回にテクニックの話ってなり勝ちでアクセルコントロールって2の次になり易い所、このトレーニングはアクセルワークが重要な点もミソ。
ケツセンサー + アクセルコントロールと言われますが、大事なのは加速力と旋回力を切り分けて加速に必要なホイルスピン量、旋回に必要なホイルスピン量、そしてその2つを繋ぐ『旋回を維持する』為に必要なホイルスピン量を管理する事が重要です。
クルマの挙動はそのホイルスピン量の格差を3段階に分けて、1段階差になるアクセルワークにするのか?2段階差になるアクセルワークにするか?のコントロールがクルマの挙動を決めるという事です。
日産のノートpowerとかテスラをDriveした事のある方は何となくわかるかも?ですが、アクセルと言いながらアクセルを戻した時に回生ブレーキが掛かって減速度合いが強いハイブリッドや電気自動車のアクセルワークで言うとアクセルワークがONもOFFも操作速度や操作量が多すぎたり強すぎたりしてギクシャクしてしまう状態になると、このトレーニングは苦労します。
それでいて車のリアクションが滑る環境の分、遅れて大きく出てくるのも難しさを作り出しているので『今やっている操作は2秒、3秒後の状態の為』という感覚や『〇〇を目標にして”そこに行ってたら操作する”ではなく”そこに行った時にそうなっている”操作をする』感覚が必要です。
これが同じダートの中でも速度域が変ったり、傾斜が加味されたりするとアレンジが必要なのもこおn環境の素晴らしい所です。
そしてエンジンの特性としてアクセルを踏んだ時(戻した時も)の量や操作速度をコントロールしないと決めた回転まで同じ加速度で回転は上がらずに、最初はレスポンスが良くて上がった回転が放物円というか2次曲線的に回転上昇が収束していくので、待ちすぎると回転が落ち過ぎるし、踏みすぎると狙った加速度やホイルスピンの変化を出せない、、、
その辺が最初の定常円、ショートオーバル、8の字だけで習得できるし、それをショートコースに反映すると基本が出来ているか?それを速度域があがった時にアレンジできているか?が良く分かるし、色々なコースの作り方が出来る分、自分が思い描いたコース取りやルートをアイスリンクで綺麗にダンスをする様にクルマを操れるか?
綺麗に走る、綺麗に車を動かすがまずは出来る様にして、それをこのトレーニングの大命題でもある『タイムに繋げる走らせ方』へと昇華させていくのが次の目的、横にばっかり滑らせていると実はダートでもタイムに繋がってないので、ここは曲げる為に滑らせる、ここはその後の加速の為に小回りする為に旋回を維持する、そしてここぞ!の加速は出口で孕むと横に逃げるだけでなくラインも孕んで走行距離が伸びてタイムに繫がらないのでできるだけ最短距離で加速する、、、でも次のコーナーの姿勢づくりの為にそこで最短距離過ぎてもいけない、、、
そういう相反するものの最大公約数を見つけ出すのが大切、そこまで行ったら最後にそれがターマックでもっとパワーがある車になる”いつものサーキット走行”に転じた時にどうアレンジしてこの成果を反映していくのか?に繋げていきます。
今回は先月の回に参加した方が2名、今回初参加の方が2名でした。
最初の2名も対照的で最初から意外と出来る感じの方とこういった”初物”は苦手な方は初回の出来栄えが大きく差が出た様子でした。
ここで出来ないからいいや!と投げ出してしまう方と、悔しい!という気持ちを1か月持ち続けてリベンジ参加された今回の方は大きな今後の差が出来ると思う。
最初からできていた方はその方なりの課題が今回の初日はあって、それが改善、2日目も参加してタイムに繋げる走らせ方の感覚まで持ってこれたし、リベンジ参加の方も私はその背景や想いを理解して対応したので、絶対に上手くなって帰って貰うという気合が入ってました(笑)
凄く上手くなって、次のステップに行けそうだし、何より『出来ないと思える事が出来る様になった』という成功体験がとても大きいと感じました。
今回初参加の2名はダート系は初でもサーキット経験や普段の走行量も豊富、レース経験も多い方々なので、新しいアプローチの練習方法を模索する中での参加でした。
初めてのトレーニングを1日で習得してどの位まで出来る様になるか?に関しては2名とも流石!の習得スピードでしたし、そんな中でもどんどん走行の仕方が変っていく中でインストラクターの同乗や逆同乗を経て、自分のものにしていく着眼点やトライの仕方のセンスなども普段のサーキット走行は慣れてしまっているが故に見えなくなっている問題点の洗い出しになっているハズです。
私はたまに一般道で左足だけでAT車両を操作したり、片手だけでやってみたり、頭と体の体操でやる事があります(マネしちゃいけないですよって場合もあるので参考までに、で聞いて下さい)、これって普段当たり前にやっているアクセルを踏むとか戻すという行為を改めて注意深くコントロール意識が磨かれます。
右打ちのプロゴルファーが練習で左打ちをしていたり、スノーボードの選手がスキーを練習に取り入れたり、、、もそうですよね。
右か左か?内側か外側か?の感覚補正の中で気づきがあったりするし、例えばホームセンターでカートに荷物を積んで通路の角を曲がる時に持っているリア側のグリップからフロントのコロを曲げようとするのではなくリア側のコロが360度回転する事を使ってリアを外に出すようにして曲げますよね?
クルマはフロントタイヤしか基本舵が効かないのでフロントで曲げるってグリップする路面ではやっぱり基本はアンダー傾向なので、結構無理に曲げようとしてもタイヤが減るだけでそれでもいつかは曲がるしオーバーに転じるとしてもだいぶ先の出来事になってしまうので、車も船のように舵(かじ)が後方にあって、直ぐに進路が変らない海上を走っている感覚とか、逆に小回りが出来る為にそうなっているフォークリフトの様に自分の着座位置よりも後方にあるリアタイヤが舵として機能している車で、ステア初期で唐突にステアしたらひっくり返ってしまうような状態でステア操作をし始める繊細だったり、、、そうやって想像力を掻き立てて、乗り物は乗り物でも違う重さ、違う機構、違うµ(ミュー)の中で走らせる事を考えてみると、今の環境下でもっといい方法はあるのでは?ってなるハズ。
操作に限った話ではなく練習法や自分の走る環境の作り方だって同じで常に『これはこうしていく!』という自分の感性や経験を元にした確固たる揺るぎない迷いないやり方と、もっといい方法はないか?という新しいものに対してのセンサーや順応性、オープンマインドがスタート地点の取捨択一センスの向上など
私も立場的にもっと速く、もっと効率よく、もっといい方法で伝えられる方法はないか?常に探しているからこその現状だし、それを長く続けてきたからこその今のワンスマでもあると思っているので、上手くなりたい!と思う人は全力で応援したいし、全力で自分の見地や形に出来るものを提供して身になるトレーニングを提供していきたいと思っています。
色々なメーカーの業務に携わらせて頂くことが多い中で本物のトレーニングを目指すアカデミックなワンスマというチャンネルを常に忘れてはいけない!と思わせてくれる10月を過ごしたからこその投稿でした。
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2024/10/30 16:49:22