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2015年06月06日

RCAケーブルのはなし

RCAケーブルと言うと何だ其れと言われる方が多いかもしれません。
ほぼ誰でも見たことがあるものです。
俗に言う「音声ケーブル」と言われるあのケーブルです。赤と白に色分けされたケーブルが一番有名です。

このケーブルの構造は非常に簡単で、中に二本の導体が通っていて、そこを音声信号のプラスとマイナスの信号が通り抜けるだけです。
ですからケーブルのジャック、つまり挿すところの構造は、中心のピンと外側のサークルだけです。

映像のケーブルは規格が非常に多く、さらに内部の導体(導線)の数もバラバラです。
しかも信号にアナログとデジタルがあり、ジャックの部分の種類も様々ですから、端子もジャックも適合したものでなければならず、しかも信号もデジタルアナログを合わせねばなりません。

ところが音声のケーブルは規格が数えるほどしかありません。
ケーブルの数は星ほどもあれど、規格としてはほぼRCAケーブルなので、音声ケーブルのスタンダードとなっています。
さらに、アナログ信号でもデジタル信号であっても基本的に使用可能です。端子の形も同じです。その代わり、デジタルはRCAケーブル1本になります。
音声伝送としてはデジタル方式の光ケーブルやHDMIがありますが、アナログでは専用品を除けばまずこのRCAケーブルです。
故に、相当古い機器から最新の機器まで、同じRCAケーブルが使用できるという長所があります。

実はRCAケーブルに流れる信号には、二種類あります。
デジタルとアナログという方式の違いもありますが、アナログにも二種類あります。実は定出力、可変出力の二つがあります。

定出力というのは、基本的に機器の設計や設定で出力の大きさが決まっているもので、常に一定の出力で音声が出ています。
一般的なビデオデッキやゲーム機、BDやHDDレコーダーからの音声出力は、テレビやスピーカーにつなげると音が出ますが、テレビなどのボリュームを調節しなければ音の大きさが変わりません。
その例として、再生中のプレイヤーではなく、テレビやアンプ側のボリュームを操作します。
これは実際にはテレビやアンプ側で音量調節をしているのであって、直接プレイヤー等で出力を変えている訳ではありません。プレイヤーは常に一定で、音声を出力しています。

テレビ側で音量が変えられるのであるから、プレイヤー側に音量調節が必要ないということで、殆どのプレイヤーには出力調節がありません。寧ろ両方にあると混乱するから、片方だけにしたほうが分かり易いのです。


一方、可変出力と言うのはその逆で、出力が変えられるものを言います。
これができるプレイヤーはなかなか、探さないと出てこないでしょう。
言い返せば、これは「普通の使い方をするのであれば、必要ない機能」だと言えます。

最もよく使われる場所は、コントロールアンプやプリアンプ、アンプレスのヘッドユニットのプリアウト出力があります。
他にもCDプレイヤー等のプレイヤーの中に、出力調節を持ったものがあったりします。

プリアンプやコントロールアンプはあくまで音声のコントロールをするためのアンプであって、スピーカーを鳴らせるだけの出力にすることはできません。その代わり、繊細なレベルのコントロールを担当します。
カーオーディオでのアンプレスユニットは外部アンプを別に要求するものですが、大概のものはメディア再生機能を持っており、これも広義でのプリアンプと言えます。メディア再生機能+プリアンプ機能と言う訳です。
このプリアンプからメイン(パワー)アンプへの接続に、RCAケーブルが使われます。

ここで注意すべきは、定出力と可変出力とでは、信号の強さが違うという事です。
定出力では余り出力の大きさを気にすることはありません。DVDなどを見ていて、テレビの音量を上げ切ってしまっても「まだ小さい!」という事はまずありません。そもそも、その様な事がないように作られているからです。

一方で可変出力の場合は信号が弱いが故の違いが出てきます。
セパレートアンプの場合、コントロールアンプで音量調節すればよいのですが、プレイヤーからの信号は一定であっても、次のメインアンプまでの間で弱くなってしまうことは、できれば避けるべきです。

あまり推奨されませんが、例としてCDプレイヤーを直接メインアンプに接続してみると、CDの出力を少々上げるだけでも相当な音量になります。
ちなみにCDプレイヤーの定出力側は、可変出力を最大にした時と同じ音量です。

という事は、我々が普段聞いているのは、RCAが定出力=高出力の時の音です。ところがコントロールアンプからの出力時には、かなり低出力の場合があるという事がわかります。
低出力の場合は、想像以上に様々な影響が出てきます。
低出力とは言い換えれば、「非常に繊細な情報である」と言う事ができます。
定出力に比べて格段に弱いと言う事は、それだけ、定出力では問題にならなかったことが問題になってきます。

テレビでDVDを見る場合、音声ケーブルを仮に50m延長して、ノイズを発生させたりする様々な電子機器を一緒に使ったとしても、とても聞けたものではない、となることはほぼないでしょう。(但しここでは、音質については問題にしていません。)
ホームオーディオでは比較的対策がしやすく、ノイズ源になるもの(古い冷蔵庫のコンプレッサーだとか他のデジタル機器諸々だとか)を避けるといったことができるので、もし出ても解決できることが多いです。
仮にハイエンドなシステムで問題になったとしても…金によって解決することもしばしばです。

最も問題なのはカーオーディオです。
カーオーディオを楽しむにあたって真っ先に出てくるのが、このノイズの問題です。
車内で出てくるノイズというものは、車である以上どうしても必要なもの…ECU、オルタネーター、イグニッション、ボディアーシングの状態など車体構造…などに関わることが多いものです。
さらに、車内は屋内に比べて夏の高温多湿、冬の極寒乾燥といった、非常に多くの自然環境から受ける影響も大きいものです。

ある程度の配線の取り回しなどで解決できる面もありますが、どうしても妥協せざるを得ないところが、出てきます。
そのような場合にはケーブル自体を改善してやらなければなりません。
ここで注意したいのは、カーオーディオでRCAケーブルを使う場合、「最も弱い信号を扱っている」という事です。
電源ケーブルは大元のバッテリーから12Vで引いていますし、俗にも「感電したら結構危ない」等と言うように、相当な大電流ですから、外から来るノイズに影響を受けることは余りないでしょうが、電位差によるノイズは結構多いです。これはアーシングの変更など、対応ができます。

スピーカーケーブルも、余り知らない人もいると思いますが、約1Wという大きさの電流が流れています。
結構な音量です。普段車内で聞く音量には大きすぎます。
但し、スピーカーケーブルを引きなおす事は(ニーズ的に)余りなく、どうしても引く場合は考えて引くことも多いですし、いくらか悪影響を考慮していると言えます。

RCAケーブルは違います。
自由に引き回しができればよいのですが、端子があるせいでどうしても長さが決まってしまいます。
さらに、それほどの長さのRCAケーブルとなるとなかなかコストがかかります。そして車内用となると、専用に対策されたものが必要になったりするので、其の分もコストに乗って、高くなります。
また引き回しもしにくかったりします。という事は、ノイズも拾ってきやすいケーブルであるという事が言えます。

そのためか、基本的にホームオーディオ等でもそれほど長いものは売られてはいません。但しとんでもなく高価なものがあるのも事実です。
できるだけ短く最短でつなげるのがセオリーとなっています。
しかしこのような、超微弱信号をやるとりするのはセパレートアンプ位でしかなく、プリメインアンプの場合は気にする必要がありません。大体のセパレートタイプのアンプは高価ですから、ユーザーはコストが高騰しても受容できるとして、そういうモノになっていると思われます。
言い換えれば、セパレートアンプの場合は余計な経路を通す必要があるので、経路的にはプリメインアンプのほうが理想的ともいえます。

基本的に、電源ケーブルもその他のケーブルも単一で引き、どうしても交差する場合は直角に交差するようにします。
よく、非常に丁寧にケーブルをまとめている人がいますが、あれは余り望ましくありません。どうしてもまとめたい場合、ノイズが出ないかを注意しながらやらねばなりません。
また、RCAケーブルをいくら工夫しても、アンプの利得が適当でないと、より小さい信号で使わざるを得なくなります。できればヘッドユニットの音量が6、7割くらいで適音量になるようにし、なるべくRCAケーブル内の信号が強くなるようにすることもノイズ対策の一つです。

カーオーディオのケーブルの中でも特に影響を受けやすく、重要なのがこのRCAケーブルと言えます。
どうしても電源、スピーカーケーブルと近くなる場合は、最悪でもRCAケーブルだけは離したほうが良いでしょう。
そして端子が車体やフレーム等に接触していないか。私は知らず知らずのうちにヘッドユニット裏の使用していないレンジの出力端子がフレームに接触して、盛大なノイズを貰ったことがありました。
これ一つをとっても、カーオーディオでは盛大に違いが出てきますが、ノイズが消えた時はそれはもうバンザイものです。

余り重要視することのないRCAケーブルですが、レベルアップしていくと必ず見直すことがあるケーブルでもあります。
導入される際には、最初からそれなりのものを「少々長めに」入れて置かれることをおすすめします。
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Posted at 2015/06/07 19:15:14

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