例の宣言が解除されたので、久しぶりに遠出してみることにしました。しかしまだウイルスが消滅したとか特効薬が完成したとかではなく、単に流行が一休みしているだけなので、人が多い場所に行くのはやめました。
このあたりで人が少ない場所と言えば県北、特に那須から日光にかけての県境あたりが代表的です。しかしナンバーが違う場所に行ってしまうと面倒なことになりかねないので、同じナンバー圏内で、近頃マイブームの日光鬼怒川よりも向こう側まで、エージングがてらに行ってきました。
いつもは宇都宮の環状線を回って日光街道に入るのですが、今日は市内を抜けて日光街道に入りました。余計に時間がかかるようなかからないような、ただ走りやすさというか運転が楽かどうかで言えば、環状線を回ったほうがずっと楽です。
日光街道と呼ばれる国道119号線に入り、あとはずーっと真っすぐ走っていくと日光東照宮に出ますが、ここが終点です。と言いながら、今回は日光の手前で方向を変えて、鬼怒川温泉のほうへ北上しました。これが何もない時だったら、福島の会津まで上がっていっても良かったかもしれませんが、凄まじく遠いという記憶と、こういう時期ということでやめました。
鬼怒川温泉は言わずと知られた温泉街ですが、いつもなら日本人も外国人も多いのに、今はスッカラカンです。しかし幾らか人はいました。ですが、ほとんどのホテルが休業しているようです。休業しているのか、廃業しているのかもよくわからない所もあります。
鬼怒川温泉を抜けると暫くして川治温泉街です。そういえばここまで来るくせに油を入れてこなかったので、この時点でメーターが半分でした。しかも日曜でスタンドがやっているのか、それに入れたくなくなるような明朗会計でないスタンドだったらと思いながら走っていると、さほど下と変わらない値段のスタンドがあったので飛び込みました。あまりに少ないと苦い顔をされるのも面倒なので満タンと言っておきました。
やはり満タンだと安心感があります。計算上は十分に持つのですが、見た目以上にアクセルを開ける場所が多いので、僻地を走るには常に燃料は入れておくに限ります。
川治温泉を越えると、ダムが見えてきて暫く湖畔を並走することになります。これをさらに進んでいくと山がちになり那須塩原の塩原温泉へ抜ける道と、会津からずっと下って来た道とぶつかりますが、ここが上三依、その手前に中三依温泉があります。中三依にはパワァースポットがあるそうで一度行ってみたいですが、今日もうちょっと早かったら行けばよかったですね。
川治温泉を西へ進むと、日光東照宮の背後にある山の裏側に向かいますが、こっちが奥鬼怒温泉と呼ばれる温泉に向いていきます。その手前に川俣温泉という所もありますが、その奥に昔は女夫渕温泉という所があって、そこのさらに奥に奥鬼怒温泉があります。
今日は川治温泉を越えて中三依のほうへ進み、途中で西へ進んで、湯西川温泉のほうへ進むことにしました。冬場は通行止めになるのですが、湯西川温泉の奥を抜けていくと、川俣温泉のちょっと手前に抜けることができます。ここを抜けて、冬場には札幌よりも寒くなる時もある土呂部を経て、再び川治温泉へ出て来た道を帰ることにしました。
湯西川温泉には入ったことはありませんが、何度か来るだけは来たことがあり、しかもこれがいつも冬場で、決まって湯西川で通行止めになり足止めされます。
温泉に入りに来るのもいいかと思ったら、なかなか良い値段の宿が多く、Rexatの4ゲージケーブルのいいやつが1m買えるくらいします。そんな高級な温泉宿ばかりだと来ることはなさそうですが。
このあたりの集落によくある、平家の落人が住み始めた伝説の例に漏れず、平家の隠れ里らしいですが、これは福島の檜枝岐村と同じですね。そんなに逃げないといけないものなのかと、全く他人事に思ってしまいましたが、小生のこの源氏名にもある奥山という名は、家系によっては平氏につながるそうで、強ち無関係という訳でもなさそうで、どうにも親近感がわずかにですが沸いてしまいます。
湯西川には平家の里なんていう所もあって、その真ん前が駐車場兼公衆トイレなので休憩していると、今は時勢に漏れず休業中でした。いつも立派な門が閉まっているので気になります。
さてここからがちょっと気が引ける区間になります。このトイレを出てさらに奥に行くと、平家狩人村という所が出てきますが、これが湯西川の最奥と言っても過言ではない所です。冬場はここからもう数キロ行くとダムへ向いていく道との分岐があり、そこから先が通行止めになります。
地図上では抜けた先の土呂部まで無茶苦茶な距離がある訳でもなく、多分ダムへ向かう道があるからだと思いますが先の平家狩人村から分岐まではそれなりの距離がありますが人家もないのに除雪されており、この道が閉鎖されると結構不便な気がするのですが、そんな理由で走れていなかったので来てみました。
と言っても実はもう来ていたりします。例のごとく夜に来たので、何が何なのかわからなかったのです。夕方とはいえ昼間に来るのは今日が初めてでした。
今日は分岐まで行くと釣り客の車が停まっていました。こんな山奥まで釣りに来るとはご苦労なことです。こんな山奥までエージングがてらのドライブに来るのもどうかとは思いますが、森林浴にも来たのですからこれでよいのです。
夜に走ると全くわからないのですが、この道は沢伝いにどんどん走っていきます。湯西川からだと、最初は左に沢が、後半は左に山がきます。地図を見ると土呂部までそんなに距離がないように感じ、実際にそれほど長くはありません。しかしずっと真っすぐ走れる訳ではないので、それなりに時間がかかります。
特に落石が多い道らしく、そこら中に落石があります。冬場はこのあたりは雪崩がよく起きるのかもしれません。
でも昼間だと、この時期は鬱蒼とした木々のせいで陰になってかなり涼しく、よって今の時期では寒いくらいですが、なんとも清々しい気分になります。いつも薄汚れている身が浄化されていくかのようですが、多分浄化されることはないと思います。
途中にある分岐の林道の看板です。工事が終わることはないのでしょうが、一度走ってみたいものです。多分この車では無理でしょうが。
ここからは沢沿いではなく山沿いを走ることになります。そこそこ標高が高く、時々木の間から山並みが見えますが、人里は見えません。この区間になったら、そのうちに田代山へ向いていく栗山舘岩線に出ます。これを下っていくと土呂部の集落に向いていきますが、上っていくと田代山という山に向いていき、最終的にはこれが福島県の南会津、たかつえのスキー場あたりに出ます。この路線も一度走ってみたいところですが、今日は県境くらいまではと登ってみました。
見事に通行止です。左側に行くと馬坂線という林道で、抜けると福島の檜枝岐村に出る道ですが、もう何年も前から通行止のままです。通れた時期があるという話を聞いたこともありません。ただ福島県側は県境まで道がちゃんとあるそうで、県境にある駐車場まで行くことができるそうですが、なにしろ檜枝岐村というこのあたりでもトップクラスの到達不能極扱いの地ですから、しかもそこから奥に進む、しかも栃木県側には抜けられず引き返して来ないといけないというのは最早悪夢に近いものがありますので、行く事は恐らくないでしょう。やるなら、車内泊できるようにしないといけません。
最早これは直す必要性があるのかどうか疑問に思わざるを得ないですね。1年近く通行止め。でも直そうとしているのは、それだけ必要だと認識しているからでしょうか。工事発注額がすごいですが、それだけかけて開通後どれだけ全通している期間があるのか、気になります。まあ予算が出ているだけはるかにマシですが。
ただ個人的には、舘岩線よりも馬坂線を直したほうがいいように思います。損壊具合が酷過ぎて放棄したのかもしれませんが、檜枝岐に抜けられるのは大きいように思いますが、どうなのでしょうか。
これ以上は進めませんので、土呂部のほうへ戻って、そのまま川俣まで抜けていきます。土呂部は名前が結構知られているのですが、来てみたからといって何かあるかと言えば、こんなところがありました。
中まで入ってみる勇気はありませんでした。水芭蕉ならもうしばらくすると見頃になるのではないでしょうか。
凄まじい山の中、自販機すらありません。家も数えるほどしかなく、正直なところどうやって生計を立てているのか、真面目に質問してみたいところです。多分その答えこそが、自分の求めているものかもしれないのです。
二十分ほど走ると、川俣の市街に出ます。西に進めば川俣温泉のホテルがあるほうへ向かっていきますが、ここから先は完全に盲腸線で、行ったら戻ってこないといけません。今日は逆に進んで、鬼怒川温泉のほうに進みます。また、ここまで来ると霧降高原を越えて日光市街に出ることもできますが、今日は鬼怒川温泉側から出ることにしました。
少し行くと栗山の村落を抜けていきますが、その途中に栗山ダムに向いていく道があります。林道扱いで妙に傾斜がきつく、落石が多く走るのが大変な道ですが、登り切った先に栗山ダムという発電用のダムがあります。何度か来ていますが、おっかないトンネルを抜けた先でタイヤがはまった記憶が新しいです。
もうちょいという所で通行止めでした。あのおっかないトンネルが崩落の危険があるらしく、通行止めだそうです。しかしダムの保守道路はどうするのでしょうか。また掘り直すんでしょうか。そんなことができるほど余裕があるように思えませんが。
高度は1080mだそうです。さすがに寒い。しかしこうして霧降高原側を見ていると、ここよりも高い位置に橋がかかっているのがわかります。画像にはビミョーに映っていますが、あのあたりは2000mを越えているはずです。
このあとは素直に下りて、鬼怒川温泉経由で帰りました。山道を走っているのもなかなか大変なのです。
しかし帰りは鬼怒川温泉あたりを夜八時くらいに抜けたのですが、本当に暗いです。ホテルは数えるほどしか開いていないようです。元々廃業ホテルの多かった地区でしたが、こうも影響が長いと増えてもおかしくありません。
さて、こうして帰ってきたら8時間くらい経っていました。これだけの時間をかければ、東京にも行って帰ってくるのにも十分な時間です。去年あたりまでは週末に普通に東京まで車で行っていたものですが、もう相当行ってないですね。
今は車通勤が増えたようで、当然平日は停められないでしょうし、休日も停められないようです。だからと言って車で行ったところで店が開いているとも限らないし、店があるとも限らないので、行ったところでどうにもならない気がします。少なくとも6月一杯は様子を見て、流行がなければという所でしょうか。
8時間も鳴らせば結構エージングも進んだと思いますが、音の分離がだいぶきっちりとしています。伴奏にボーカルが埋もれないです。特に松任谷由美のアルバムなんて聞いているとかなり良い感じです。
低音は、もうちょっとですね。もうちょっと出てくると良い感じなのですが。
また様子を見て変えていきます。それまではまたCDを片っ端から聞き直さないといけません。すぐに乗る機会がなくなってしまうとどうにもならないので、乗り出せるだけの環境であることを祈っています。
次行くなら那須方面か。