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2018年06月16日

雑感20180616 「ならす」

どうも最近、鳴らし始めてから1時間くらいしたところでカーステの鳴りが良い気がします。
気温が上がってきたのが原因のような気もしますが、自分が車に乗っている状況を逐一思い返していくと、どーもそれだけではないような気がしてきました。
時系列順に並べていきたいと思います。

エンジンスタート … アンプに熱が入るまで小音量で流す、電子ボリウム50以下/最大80
15分くらい  … ボーカルが会話くらいの大きさまで上げて聞く、50+/80
1時間以上  … オーディオ聞き込み中の音量で聞く、65+/80

一応今のアンプの接続だと、エンジンと連動してアンプも電源が入り、デッキが何をしていようとも常に電源が入りっぱなしの状態になっています。なのでここから予熱が始まっているのですが、動作が平衡状態になるまでにはもう少し、30分くらいかかります。そこへ上がりきる前に所謂通常の音量にして、通常の運転状態へ持っていく格好になります。

しかし15分あたりからの流れは、アンプにというよりもスピーカーに準備をさせていると言っても過言ではないでしょう。
スピーカーというのは放熱が問題になるほど案外熱を持つ装置です。アンプが熱を持つために冷却用ファンを装備しているとか通気を良くする必要があることは結構知られていますが、スピーカーも熱対策が必要であのような構造をしていることは、余り知られていません。
特にボイスコイルにはアンプからのかなり強力な電気信号が流れます。アンプの最大出力では100Wとか言いますが、普段聞いている分には精々1W…しかしこれでも十分な熱量になります。100%電気信号に変換されることがないために徐々に溜まっていくこの熱を処理するため、ボイスコイルを冷やすような構造になっています。


そしてスピーカーは、電気信号を音声に変換する唯一の、最終工程のデバイスでもあります。特にスピーカーエッジは伸縮する必要があり、メディアや駆動部品を除くと、劣化しやすいパーツの一つでもあります。しかも、スイッチ等の回路部品ではなく、音への変換の作業に関与するパーツです。

温度がスピーカーエッジに与える影響は、アスファルト系の制振材がよい見本で、温度が低いと硬くて変形しにくく、温度が高いと柔らかく変形しやすくなります。
もっと物質的に近いもので言えば、チューインガムがあります。ガムも石油をベースにした樹脂の一つで原料はエッジの樹脂素材と同じです。
噛んでいる時に冷たいものを一緒に口に入れると硬くなり、熱いものを入れるとフニャフニャになります。
寒い時に板ガムを食べようとしたら割れてしまったことはありませんか。逆に、暑い時には汗をかいたようになってフニャフニャになっているのを見たことはありませんか。

基本的に物質というのは、温度が高いほど分子の活動が活発になり、バラバラになろうとします。水が沸騰して水蒸気になって蒸発してしまうのはこのためですが、物質によって温まりやすさや、溶けたり蒸発したりする温度は異なるので、スピーカーエッジの材料のような物質は溶けたり蒸発したりはしません。
これをスピーカーエッジに言い換えると、温度が低すぎるとエッジが硬くなってスピーカーが思ったように動かなくなる。温度が高すぎるとエッジが柔らかすぎて動きすぎるかもしれない。

勿論、スピーカーエッジはこのような温度変化について問題がないように考慮して素材を選んで作られていますが、物理的な性質は物質である以上は避けられません。


特に冬場には、最も身近な物質が影響している可能性があります。
水です。水と言っても液体の水ではありません。お菓子を放っておいたら湿気ってパリパリしなくなりますが、これはお菓子の中に水が吸収されたからです。見た目は水が含まれているようには思えませんが、水が含まれています。
お菓子に限らず、身近なものはかなり水を含んでいます。切り干し大根を思い出してみると、野菜はほとんど水分ですし、人間の体も七割が水です。水など縁の無さそうな紙にも水分は含まれています。

野菜を凍らせたらどうなるでしょうか。便利なカット野菜を思い出してみるとわかりますが、カチコチです。解凍するとかなり水分を含んでいます。
冷蔵庫は-18度くらいですが、盆地の放射冷却や寒冷地ではありうる温度です。
野菜は水分が多いので氷のようにカチカチに凍ってしまいますが、水分が少ないといくらか柔らかくなります。しかし水はあまりに身近に大量にある物質なので、思った以上に色んなものに含まれており、その状態で水が凍る温度になると、やっぱり凍ってしまいます。
スピーカーエッジが完全にガチガチに凍ってしまうことはまずないと思われますが、大口径ウーファーのウレタンエッジだと、相当吸湿した状態では凍ってしまうと思われます(しかしそれ以前に、そんな場所にウレタンエッジは使われないと思いますが…)。

冬場は特に、夜の間にフロントガラスが凍ってしまいますが、フロントガラスに限らず外気に触れる場所というのは、ドアの内部も同じです。ということは、スピーカーは外気に触れていますので、同じく水分で凍りつく可能性もありそうです。
ましてやドアの内部は雨や洗車の水などで湿度が高くなる場所ですから、水分は比較的存在しやすい環境です。
そんな環境では、いくらエッジが考慮されていると言っても、動作が悪くなることは避けられないでしょう。

温度が低くて動きにくい状態でも、車内の温度が上がって暖められたり、音を出すことでエッジが動いて熱を生じたりすることで、次第にいわゆる「室温」になっていき、本来の動作に近付いていくと考えられます。
アンプの説明書などでも、車内温度が常温になってから使うように書かれていたりします。


一番身近な機械は自動車ですが、最近の自動車は暖機運転をしなくても良いことになっているので、暖機運転という概念自体が薄れてきています。工作精度や材料、技術の発展で、機械が冷えている状態とアイドリング状態とを区別する必要が薄くなったのだと思われますが、やはり運転状態にしてから負荷をかけるのが、理想的な機械の使い方であることに変わりはありません。
一番身近な機械があまりに過酷な使い方に耐えてしまうので、同じように扱いがちですが、理想を言えば暖機運転はしたほうが好ましいと言えます。もっとも、そんなもんでは売り物にならないという意見もありますが、それが愛情なのだということで。

ただ、趣味のものということを考えれば、大体使ったあとに手入れをしなければならないとか、準備という儀式が必要だとか、案外無駄や手間がかかるものです。
同じくスピーカーについても、部屋に持ち込んで数時間は経たないときちんと鳴らないとまで言われたり、しかも理想は地下室だとか、湿気が大敵だとかで、非常に気を遣うアイテムなのです。かたやカーオーディオでは、そんな理想に真っ向から対立するような条件です。対策はしてあるにしても、多少の気を遣うのは間違いではありません。

まあ一方で…
コンビナートを思い出して頂けると早いのですが、パイプや配管を雨ざらしにしてすぐに錆びるだろうと思うかもしれませんけれども、あれは内部のほうが劣化が早く、屋根を付けても無駄だから見切りを付けて雨ざらしなのであって、
同じようにスピーカーとしての寿命のほうが早く来るのであれば、賞味期限内でさっさと味わってしまえという考えもまたあるでしょう。
だからカースピーカーは完全に消耗品だと割り切っているので、余り投資したくないんですね…ゆえに長持ちさせたいと。でも数十万が消耗品になるなんて…我慢できないので高級品には手を出したくありません。


ああだこうだと書き連ねましたが、スピーカーは実に生き物らしい奴で、鳴らしてやらないと甘えるし、ヤキ入れすぎると突然往ってしまうし、時間をかけて付き合ってやると化けたり、最後に桜のように散ったりします。
日によって調子が悪い時もあれば良い時もあり、気長に付き合ってやるのが一番です。
カースピーカーはホームオーディオのようにポン置きして終わりという事にはならないですから、尚更気長に付き合ってやりたいと思う次第です。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2018/06/16 01:34:43

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