2017年11月06日
検証2回目は、RCAケーブルをAT-RA5000ANVに交換します。
構成は以下の通りです。
電源:DIAMOND GZV4000
電源ケーブル:TPC8
DAP:XperiaZ5
DAC:AT-HRD1 (略称HRD1)
RCAケーブル:audiotechnica AT-RA5000ANV (略称:RA5000)
アンプ:LUXMAN CM4050 (略称4050)
SPケーブル:NanotecSysytems SP#79MK2 (略称:SP79)
自作SPターミナル⇔3.5mmステレオミニジャック変換器 (暫定300Ωタクマン5W巻線抵抗)
ヘッドホン:CEC HP53 (略称:HP53)
現行モデルにもAT-RA5000がありますが、この~ANVモデルは、もう10年近く前になりますが、audiotechnicaが周年記念モデルとして発売したものです。
思えば初めて買った新品のオーディオ機器でもあり、また初めてオーディオ専門店で買った品物でもあり、色々と思い入れのある品でもあります。
当時眺めるばかりであったテクニカのカタログに、最上級モデルの限定版として出てきたのがこのANVで、バイトに明け暮れアンプやらを買い揃えて調子に乗った挙句、一番高いの買っておけばとりあえず問題ないだろうと見切りで注文したのを覚えています。
定価49800円…それだけあれば多感なあの青春の頃、他に幾らでも買う物はあるでしょうに、莫迦な事してるなと自覚しながらも、よりによってRCAケーブルを買ったのです。店の人が1万円も値引きして呉れたのを覚えています。
結局その真価に全く気付く事無く月日は流れて、今こうして現役で活躍しています。まあ長期の10年定期に入れておいたとでも思えばいいのでしょうか。
何が違うのかと言えば、RCAプラグがオリジナル品になっていたりなど、通常のRA5000とは細かな部分で違いがありますが、基本的な性能としては大きくは変わりません。
未だに最上級モデルになっているにも関わらず、導体素材はOFCとなっています。
初登場がPCOCC全盛の時代にも関わらず、さらにHiFCやPCtripleCなどの新導体が出てきても--もっと言えば、テクニカ得意のチタン配合すらもしていない。常に最新の素材を使い、ユーザーに新たな選択肢や技術を送り出してくるテクニカが、ずーっと変えていない、そういう存在です。
先にCDプレイヤー等でもその実力は体感していましたが、傾向としてはNanotec 211に近いものがあります。但しもっと、音の仕上げ方が自然。意図的にまとめられているという気配がない。
再生側が出す音をそのままそっくり、手を加えずにアンプへ伝送するという、簡単なようで簡単じゃない事をやってのけます。
また、単に音色をそういう系統に似せていくならばともかく、音の分離だとか繊細さだとか、そういう再現力のレベルでも両立を図ることができているケーブルとなるとまた絞られてくると思いますが、このRA5000は小生にとってはある意味で一つの回答となってくれました。
もっと再生機の性能が高ければ、またアンプの性能が高ければ、このモデルの限界での性能を評価することができるとは思うのですが、残念ながらそこまでの環境を小生は持っていません。
予想はしていましたがHRD1になると按配が悪いようで、RA5000のほうが邪魔をし始めます。音がなんだか死んでしまったように詰まらなくなってしまい、まるで軽自動車にスリックタイヤ履かせたかのような状態です。
ともすればiDSD nanoのRCA出力のほうがDACとしての性能が良いんではないかという疑惑すらありますが、これを実車でやろうとするとRCAケーブルが結局長尺になってしまい、折角のノイズ低減や短尺ケーブルを生かす目論見がなくなってしまいますのでそこは保留。
とにかくHRD1との組み合わせでは完全にDACの能力不足で、据置CDプレイヤーの時のような感動とはいきませんでした。解像度が高そうなのはわかるけれども逆にケーブルが足を引っ張っているのか、とにかく冴えない感じが残ってしまいました。
少なくともHRD1では再生機としては力不足で、ミドルクラスの据置CDプレーヤーでも十分な性能を持っていることから、HRD500のような上位DACでも対応できる性能は十分に持っていると言ってもよさそうです。
ここまでの印象をまとめてみますと、
211>0605>RA5000
となります。
印象だけで言えばNanotec 211を使った時のほうが断然好く、伊達にケーブルの重さでHRD1をひっくり返すわねじり回すわで固定に困るのも、ケーブルが相応しくないのだという事をよく教えてくれました。
PCオーディオ用に使っているRotel RDD-06くらいのDACになると印象もがらりと変わりますが、HRD1では足りないという何とも複雑な結果となりました。
ではHRD5やHRD500ならどうなんだというところですが、最初からそちらを試したほうが好かったかもしれません…最近モデルチェンジしたせいかHRD5も値段が下がってきましたし、中古も狙えたかもしれません…
ただ現状ではソースがそこまで良くても箱が出来ていないので、ひとまずは211を目標に鳴らせるようにして、傾向によっては0605を試してみるのがよいかもしれません。
さて次は長尺になりますが、TCHERNOV IC435を試します。これが良くても構わないのですが、長尺故に取り回しが困ります…
想定ではかなり特徴的な音になりそうなんですが、如何に。
Posted at 2017/11/06 04:07:31 | |
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