2016年09月11日
盆休みも終わってしまいましたが、変わったところと言えば、殆どありません。
表立って何か違っている訳ではなく、見えない所にて何かが変わっているのですが、まあ、効果はあまりありませんでした。当初の目論見通りです。
そんな盆明けから色々と調べているのが、DCT-A100にUSBをつなげよう作戦です。
P01の寿命が来た訳ではないんですが、P01の音声出力をA100の外部入力にぶち込むという接続、これが案外音が悪くないにしても現状で良いのだからさらに上を望んでみてもいいかなという思いが出てしまったのです。しまった。
そんなこんなで必要なものはコンバーターです。デジタルデジタルコンバーターです。
一年前なら全く見向きもしなかったものですが、ついに手を出すことになりました。
今回使うのは、iFi audioのiDSD nanoというヘッドホンアンプです。
何でヘッドホンアンプなのかと言うと、簡単に言ってしまえば、内部にDACをはじめDDCも含まれているのです。即ちこの一台で、ヘッドホン出力、DACとしてのアナログ音声出力、さらに同軸デジタルSPDIF出力が得られるという訳です。今回は、このアンプにスマホからの信号を入れて、同軸デジタルの信号を取り出します。
何とも芸達者なアンプですが、これが色々と面倒を引き起こす事になるのです…
さて、最初にぶつかった壁は電源でした。
このヘッドホンアンプは何だかんだで据え置きでもポータブルでも使えるのですが、ポータブルならともかく、車載で使おうとしている小生にとっては、電源が悩みの種です。
一応このメーカーから、電源を取りつつプレイヤーとの接続も可能にするという双頭のUSBケーブルが出ているのですが、恐ろしく高価だったので、さすがにケーブル非否定派(肯定派とは言ってない)の小生も手が出ませんでした。
今回は、まずはともかく、接続できて音が出ればよいという事だけを考えてやってみることにしました。
案外この試みは調べてみても出てこなかったので、自分でやらねばしゃあないと思ったからです。
そんな訳で、最悪使えなくてもポータブルアンプとして使えばいいと割り切っていたのですが…
のっけから充電できないという事態に陥りました。
何で充電できなかったのか…最初は付属のUSBケーブルが妙に渋くて刺さりが甘かっただけでしたが、その後も何故か充電しているとすぐに充電ランプが消え、実際に充電できていませんでした。
多分電源不足だろうということで、自動車用品店でUSB電源が取れるシガーソケット電源を入手しました。そういえばスマホにしてから充電が遅くていかんともし難かったのですが、今度のプラグは2.4A取れるそうで、常時画面オンでも電源ばかりが減っていくことはなくなりました。
それでも充電ランプがすぐに消える状態は変わらず、最終的にはPCと接続してドライバを導入し使用することができるようになったところで、いつの間にか充電されていました。
多分初期充電と言うか、電流が少なかったのでしょう。またこのアンプ、電源を入れても接続次第で動作ランプが点滅するのですが、妙にこのスパンが長く、初見では電源が落ちたようにしか見えません。もうちょっとこのあたりは改善をしてほしいところでしょうか。
とりあえず充電もできたので、後はデッキとつなぐだけ…なのですが、これが最大の難関となりました。
まずこのアンプ、入力には「USBのBタイプ」を使います。一般的な長方形のタイプはAタイプですが、ポータブルアンプの殆どではAタイプ採用が一般的です。ところがこのアンプはBタイプ。
そして今回、再生側として使おうとしているのがスマホです。ご存知の通り、最近のスマホは充電端子がただの充電端子ではなく、microUSB端子となっています。厳密にはそのBタイプです。
要は、USBのBタイプと、microUSBのBタイプの端子を持ったケーブルが必要なのですが、これが「存在しません」。調べた限りでは存在しませんでした。
これには驚いたのですが、USBケーブルは延長用のアダプタのようなものが無くて(結局見つけたのですが)、代わりに延長用ケーブルとして、片側の端子がメスになっているものは、あります。
売られているケーブルは、十中八九が一端はUSBのAタイプのもので、自分はこれを「延長用のAのアダプタで繋げばええやん」と思っていたのですが、これが存在しないということで計画が頓挫しました。
何せ電気店でも「できそうなものがない」と言われてしまいました。おまけに「繋がっても、動くようには思えない」とすら言われてしまいました。
一晩調べてみたところで、どうやらアダプタはないけれども、「スマホにUSBキーボードとかを差せるようにするアダプタがある」ことがわかったので、入手しました。値段も3桁で収まったので文句なしです。
そしたら今度は音が出ません。アンプ側では、音楽信号を受け取っているようで信号のビットレートを示すランプが点灯しています。しかしランプの色が、ビットレートで変わるようなのですが、96k信号を受けていると出ていました。
事前に調べていた限りでは、アンプ側は受けたレートのまま出力するということだったので、つまりはプレイヤーであるスマホの設定に依存するとして、アップコンバートなどを切ってありました。これでソースのビットレートのまま出力される…はずだったのですが、どうやらダメなようです。
一体どういう事なのかわかりませんが、プレイヤーによって、別にアップコンバートをかけている訳でもないのに、192kくらいで出力されているようです。実際に出力はアップコンバートされているようで、DDコンバーターからの同軸出力を別のDACコンバーターに接続したところ、192kで認識されていました。
色々試してみた結果、ONKYO HF Playerだと、USB HF Driverなる機能を使えばソースのレートでそのまま出力できるようになりました。一応こちらも、別なDACでは少なくともアップコンバートされていないように認識されました。
しかし、プレイヤーとしては非常に使いづらくて、何せ音楽ファイルに埋め込まれたアルバム情報をそのままアルバム表示してしまうので、これまで使っていた音楽ファイルでは認識できず、全部不明アルバムに突っ込まれてしまうという有様。用意し直す羽目になってしまいました。
さらに、何とも使いづらいアルゴリズムでどうにもしっくりきません。
現状、これ以外に44.1k16bitを出力できる方法がないので、どうしてもデジタルで鳴らしたい時にだけ使っています。
そういえば、事前に調べた時に、XperiaZ5は強制的にアップデートして出力しているという話をどこかで見ましたが、恐らくハードウェア側で強制的にアップコンバートされているのでしょう。これを強制的にアプリでコントロールできるようにする機能を仕込まれている場合だけ、このアップコンバートが効いていないという事のようです。
他に良いアプリがあればいいんですが、暫くこれで何とかできないか、頑張ってみようと思います。
最悪、時間も金もあれば、自分でアップコンバート無効化のアプリでも作ってしまえば早いんでしょうが…
アナログだったら簡単に解決できるのに、ほとほとデジタルは厄介に思います。
Posted at 2016/09/11 20:02:21 | |
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2016年09月02日
DEH-P01を取り外したので、前々からやってみたかった、
「P01をホームオーディオで聴く」をやってみました。
構成は以下の通りです。
プレイヤー DEH-P01 … P01純正ハーネス音声出力を、プリメインアンプAUXへ入力
アンプ YAMAHA CA2000 … ボリュームは12時で固定、音量調節はP01電子ボリューム使用
スピーカー YAMAHA NS1000M
スピーカーケーブル ZONOTONE
RCAケーブル stax純正
尚、P01は一般的な3A出力ACアダプタを使用して駆動、キャパシタ等の安定化装置は用いていない。
今回は、全ての音場補正…ネットワークはパス、アライメントはキャンセル、バランス・イコライザーは設定なしとして、最も音質に影響が少ないと思われるタイムアライメントのみを0mm設定にし、音に影響が出るのかを見ます。
ちなみにP01のタイムアライメント設定は、数値設定画面で切るのではなく、定位位置切替でオンオフします。
またタイムアライメント設定値 は、2chホームオーディオスピーカーでありリスニング位置はセンターを取れるため、0.0mmとします。まあ数値が両chで同じであればよいでしょう。
理屈としては、タイムアライメントを入れても影響がないのであれば、数値が2chどちらも同じなら実際の音の発生は同時になるはずで、これはタイムアライメントを使っていない事と同じです。
2chのうち、いずれかの音を意図的に微妙にずらすことによって音が到達するタイミングを変え、単純な音の大小による方向感の錯覚を起こさせるのではなく、実際の音の定位する位置を変えるのがタイムアライメントです。
よくタイムアライメントは、リスニングポジションからスピーカーユニットのボイスコイルまでの距離を測定して設定しますが、実際には「最も遠いスピーカーユニットを0mmとして、近くなるにつれて音を遅らせる」ような設定をすれば、距離によらず任意の数値で設定できます。
但しいざ使うとなると、感覚上では距離を測るほうが明瞭ですから、そのほうがしっくり来ると思います。
前置きが長くなりましたが、タイムアライメントの理屈は重要です。簡単に「音を遅らせる」と言っていますが、これが全てです。音を早くすることはできないのです。
タイムアライメントの実現のためには、音を遅らせるための回路が必要です。例えると、CDウォークマンが音飛びしないようにCDを先読みしておいて、メモリにデータを保存しておき、CDが読めない=音が飛んでいる間は保存しておいたデータを再生する、というのと似ています。タイムアライメントはこれを、各chに分けて行っているのです。
このように、遅れて出すことは簡単に可能です。しかし早くすることは、CDの読み込みがあるので、絶対にこれが限界を生み出します。ならば、遅れて出せばよいのです。何も難しいことはないのです。というよりも、全部を遅らせておいてタイミングをずらして再生すれば、早くするなどという難儀をせずとも、早くしたことと同じことになります。
また、これは遅延回路という、いわば「遅らせるだけ」の回路を使うので、実際に信号に処理を加える手数はネットワークに比べると少なく、その点では実際に処理を加えるデジタルネットワークに比べるとはるかに音質には有利であるとされています。
しかしデジタルプロセッサーはもとよりタイムアライメントすらも使わない(否定とは申しません)考えの人も少なからず居り、曰く「音が変わるから(悪くなるとは申しません)」使わないのだそうです。
一方でそれを、実際にタイムアライメントが完璧に設定されていて期待されている動作を完璧に行えている場合と、その状態からタイムアライメントのみを切った場合とで、比較したという話は聞きません。
車内という、そもそもの環境が音響としては全く理屈に合わないカーオーディオという悪条件で比較しても環境由来の要因が大きすぎて、音響的な面からは結果に有意な差があるとは言い切れないように思われます。これと対照的に、セオリー通りの正攻法であろうとするホームオーディオで評価すれば、純粋に音響としての評価ができるではと考えた次第です。
このあたりの音響でいう音質には、単なる音色だけではなく、定位の再現性というものも含まれます。不思議と定位感は、カーオーディオでは音質と共に話題になることが多いのに、ホームオーディオでは音質に比べると定位感はあまり話題になりません。
それを議論するために、左右スピーカーのいずれとも距離が異なる状態で試したのでは、元々定位を実現することができる条件下であるのかがわかりませんし、ましてや調べたいのは、タイムアライメントによって音に変化があるかどうかです。できる限り余計な要素は消したほうが確認しやすいものです。
そのような理由から、今回はプレイヤーをホームオーディオに接続し、再生して確認します。
これならばスピーカーとの距離による定位の問題は解消されますし、タイムアライメントの設定をきちんとすれば定位は変わらないですから、純粋な音の変化を確認することができます。
前置きが長くなりましたが、結果です。
タイムアライメントを入れた状態と、切った状態とで、音に変化が見られました。
タイムアライメントを切った状態よりも、タイムアライメントが入った状態のほうが、音に響きがなくなり、余韻が少なくなりました。
とは言っても、特に余韻に注意して聞いていると響きにくくなったというレベルで、全く響かなくなる訳ではありませんでした。
また、全体的に繊細さが消えたように感じられました。良く言えば音の粒が丸くなってカドが取れ、まろやかになったようですが、素直に言えば、のっぺりとした音になってしまいました。これは真空管アンプのような温かみでは決してなく、かと言って解像度を重視した傾向でもなく、言ってしまえば悪い意味でのフラットな音です。フラットにされてしまった音と言ったほうがいいでしょうか。
これらの変化は、遅延回路を通したことによるものと考えてよいのでしょうが、何故そのような変化をしたのかについてはよくわかりません。
小生は、このような遅延回路というものはデジタルデータの状態でメモリに入っているというイメージを持っていたので、それならばCDを読み込んで一定時間保持して流すだけだから、CDプレイヤーがリアルタイムで再生しているのと何ら変わらないと考えていました。しかし思いのほか変化が大きかったということは、それだけの変化を生ずる事が行われているのだろうと思われます。それがタイムアライメントの実状なのだと言われればそれまでですが、車内ではそこまでに感じられなかったまでも、音には影響が出ているという結果になりました。
いずれにせよ、位相の揃ったスピーカーの中央に座るのと、バラバラな位置にあるスピーカーから音が出るタイミングを送らせて任意の場所で合成するという試みでは、どちらが容易かと言えば無理も無いことです。それでも補正することができるとすれば、タイムアライメントはなかなかに有効な手段であると言えますが、もしホームオーディオでもし使うとしたならば、これは使いたくないと言わざるを得ないレベルです。
ホームオーディオでは、ちょっと頑張ればジャンク品で買ってきたCDプレイヤーを工夫してやるだけでなかなかの音を出す事も可能です。そのレベルとで比べてみても、P01は厳しいと言わざると得ません。
とはいえ、そこまでのレベルで鳴らすことをいきなりカーオーディオに求めるというのは、条件が悪いのに要求するだけ野暮というものです。
確かにP01は、カーオーディオ用としては優秀な部類には入ると思われますが、音質だけで見ればDCT-A100のほうが断然上です。絶対的に勝っているのは定位感の改善能力です。
そもそも、ホームオーディオとカーオーディオでは開発や設計コンセプトからして異なっており、音響の部類に入るものではあるけれども、完全に同等に語ることはできないものであるということを強く認識させられる結果となりました。
Posted at 2016/09/02 02:40:09 | |
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