漸く完成しました。
箱はそのあたりに転がっていたものを使いました(確かこれも、変換器に使えそうだと思って100均で買った筈)。
内部は特に変わった事はしておらず、単にスピーカー出力の片chの±をいずれかのジャックに結線しただけです。左右のマイナスを分離して結線する必要があるので、シングルエンドのアンバランス型ヘッドホンは使えません。
これで、バランスヘッドホンをスピーカーのように接続することができます。
見た目では全く分かりませんが、左は6mmモノラルジャック、右はステレオ6mmジャックです。というのも、このR70Xの構造が関係するのですが、専用のシングルエンドケーブルがアンプ側プラグもユニット側プラグもステレオになっており、どちらを挿しても左右が揃うようにするため、ユニット側ジャックで出力信号が決まるようになっています。
つまり、左側はステレオジャックの先端1番と接地側に通電するのでモノラルジャックで問題ないのですが、右側はジャックの2番と接地側に通電するので、ステレオジャックでないと対応できないのです。
ついででステレオジャックも用意しておいて正解でした。材料費は箱100円、ジャック2*200円、スピーカー端子4*400円、内部回路一式で800円、配線が数百円なので、なにげに3000円くらいしてます。
うーん随分高級品です。
とりあえず、今まで使っていたアンバランス用の変換器から抵抗を移植して鳴らしてますが…
アンプはそのままCM4050、どうせならとブリッジ接続で試すために、CDPはCDT-400Xを使いました。
ノーマル接続では主に低域が出るようになりました。また左右に壮大な印象があります。そもそも開放型なので開放感は元々ありますが、空間をより意識させるような鳴り方をします。ユニットがドライブされてるというのがよくわかる鳴りっぷりです。
全体的にメリハリは良くなりましたが、強引にドライブしているという感じが伝わってくるのがちょっと気になります。
ブリッジ接続にすると、確かに駆動力は半端じゃないのがわかるのですが、ドライブしすぎているかのように、変に作ったような力強さが気になります。ユニットが無理矢理ドライブされてこれはマズイという危機感さえ覚えるほどです。音質どうこうではなく、駆動力と負荷とのバランスが完全に崩れてしまっていると言っても過言ではないでしょう。ヘッドホンをドライブするのに200Wもの最大出力は必要ないということがよくわかりました。
しかしノーマル接続では、スピーカーのような鳴り方をしてみせるので、接続方法でもこうやって音が変化するもんなんだなあという発見がありました。
ひとつ気になるのは、ドライブ能力が上がるため、かなり低域まで鳴ってしまうのはいいんですが、ヘッドホンで超低域が鳴ると耳がソワソワして聞いているのがむず痒くなります。特にブリッジ接続するととんでもない事になります。下手をしたら難聴になること間違い無しでしょう。でもボリュームを上げたくなります。
ヘッドホンのくせに何でそこまで出るのか不思議なくらい低域まで出てしまうため、かなり聞き疲れしてしまうのも欠点です。
一方、今のところ最高音質と感じている、PC-DAC音源を据置アンプでドライブしてみると、強烈なのにバランスの取れた駆動力で、パンチの効いた音も繊細な音も実によく表現しています。何から何まで、音楽の中に含まれているもの全てを曝け出すかのように、こんな音が出てたのかと疑問になってしまうくらいに明確に鳴らしてしまいます。文句無しに、今まで手にした中でも最高の音質と言って過言でないと感じます。
でも解像度が上がったというかモニター的というか、はっきりしすぎて気を遣うリスニングになってしまいます。鳴り方が完全にヘッドホンではなくスピーカーになってしまうので、どうしてもやかましさを感じるのは仕方がないでしょう。
と言いつつも、やはりバランス接続の恩恵は大きいです。やっぱりスピーカーのように、それぞれ結線するのが一番だということがよくわかります。そりゃあ、規模はともかく原理は同じなんだから、同じようにしたほうがいいでしょう。
一応この結線なら、一般的なスピーカーが接続できるアンプならばどれでも使える訳ですから、機会があったらA級アンプに繋いでみたいものですね。これは、またアンプを色々と聞き直さないといけません。
ちなみにですが、このままだとケーブル差し替えでSW-HP20には使えません。何故ならHP20はヘッドホンユニット部のジャックとプラグが両方ともモノラルなので、R70Xのステレオプラグではどちらか片方、多分右側が出ません。変換機に工夫が必要です。
誰の参考になるのかわかりませんが記しておきますと、ブリッジ接続に対応しているアンプ、特にカーオーディオ用の2ch以上のアンプの場合、ブリッジ接続が可能になっている関係上、シングルエンド結線することができません。音がおかしくなる筈です。
恐らく、ブリッジ接続するためにマイナス側にアンプを持つためであると思われます。
ホームオーディオ用のアンプでは、一部の平衡動作アンプを除いて、大抵はマイナス側が最終的には接地されるため、シングルエンド接続が可能です。(イコール、アンプのヘッドホン端子はこれと同じ事をしているだけで、専用回路を持つことはほぼ無いのだそうです)
RCA入力に同じ信号を2分配入力してブリッジ接続する2chアンプの場合、マイナス側に反転アンプで逆位相波形を作り出します。有名なSANSUIアンプの場合、これが標準的な駆動方式になりますが、アンプがあるのでシングルエンド結線できません。
CM4050のようにブリッジ接続のための切替スイッチがある場合、ブリッジ接続をしない回路(グランドに落とす)/ブリッジ接続用に反転アンプを動作させる回路とに切り替えが選択できる訳ですが、切替スイッチがない場合にはRCA入力とスピーカー接続を変えて動作させます。このように自動で動作が切り替わる場合、大抵1chの+と2chの-をスピーカーに接続するとともに、RCAには同じ信号を入力します。
この回路構成を考えた場合、マイナス側にアンプがないと成立しないように思われます。
1ch側は+側に接続しますから、スピーカーの前にアンプがあろうことはわかります。しかし2ch側ではマイナスに接続するのに、それでもアンプを通ります。ということは、2ch側はスピーカーの後にアンプがあるということなのか?でないと、マイナスからの入力信号に逆波形を重ねられない。
接続を変えるだけで良いのですから、セレクタで回路を変えている訳ではありません。だとすると、スピーカーの後にアンプがあっても駆動はできるということなのでしょうか。
電気回路についてはさっぱりなので推測でしかありませんが、バランス接続できるようになったのでこの問題は無いも同然になりました。これでPA2004などでもR70Xを鳴らせます。
本当はもう少し先になるはずでしたが、再びアンプを聞き比べてみようと思います。
これを機に、電子回路にもうちょっと詳しくなれるといいです。
Posted at 2017/12/10 02:36:19 | |
トラックバック(0) | 趣味