早いもので、C4の12か月点検の時期がやってきた。
今回は地元のプジョーディーラーで点検を受けることに。まあ、元々その予定だったのだが、仕事が忙し過ぎて購入した西宮のディーラーまで行く元気がないのと、希望の日時に予約を取るのが難しくて予定を立てづらい、という事情もあったり。
点検に際して代車を依頼してあったのだが、その代車がまさかのe208 GT。バリバリの電気自動車である。ウェブサイトを見たらe208 GTの試乗車がある(但し事前の予約が必要)ので、それと同一の個体かな?ディーラーで受け取った時点での走行距離は600km弱。
プジョーといえば何をおいてもi-Cockpitだが、以前、先代208を運転した時も特に違和感はなかったので、今回も特に問題なし。むしろ、ごくごく自然に10時10分の位置に手を置くことができたので、愛車C4が同じプラットホームなのに今一つドラポジがしっくり決まらない(結果、操舵が不要な直進時などは8時20分の位置を握ってやり過ごしている)理由が分かった気分。まずi-Cockpitありきで設計されているんだろうな。
それよりもクソなのは、エアコンの温度調整がタッチパネル操作オンリーなこと。
これは慣れの問題とかそういう話ではなく、操作時に否応なく前方から視線を外すことを余儀なくされるので、誰が何と言おうとクソ。物理ボタンを削減してコストを削減したい財務部門と、あらゆる制約から解放されて好き勝手したいデザイナーがタッグを組んでクソを生み出しているのだから何をかいわんやだが、欧州の自動車安全評価機関であるユーロNCAPは、2026年からウインカーやワイパー等の機能にボタンやレバー、ダイヤルを割り当てていなければ最高評価を与えない方針らしく、そうなればこの状況も少しは改善するのではないかな。
ちなみに我がC4のエアコンは物理ボタンで操作できる。シトロエン、変なクルマが多いけどこういうところは真面目というか、良心的である。
文句をぶーたれてしまったが、インパネのグラフィックは大変カッコいい。
これはシフトスイッチ横のボタンを操作して、ドライビングモードをエコにした時の写真。写真ではわかりづらいが「Eco」の部分が浮き上がって立体的に見える。
余談だが、C4とはドライビングモードの表示が上下逆になっている。e208は上からエコ-ノーマル-スポーツと並んでいるのに対し、C4ディーゼルはスポーツ-ノーマル-エコの順に表示されている。
(参考画像)C4のインパネ。
さてe208 GT、走らせた感触としては、EV特有の「出だしの加速の気持ち良さ」以外、殊更EVであることを意識する瞬間はない。ブレーキの効き方がややピーキーで、同じくクセがあるC4以上にペダル操作に気を遣う必要があるが、気になったのはその程度。
…あ、いや、もう1つ。ステアリングを切ったら、セルフアライニングトルクで真っすぐに戻るはずがそのまま固まってしまい、ドライバーが戻してやらないといけなくなる場面があった。クルマを返す際にディーラーの人に伝えたら「それは初めて言われました。後で見ておきます。」とのことで、そういやBYDドルフィンに乗った時も、右カーブで軽くステアリングを右に切ったら、こちらの意図した以上に急激かつ過剰にノーズが右を向くものだから慌ててステアリングを左に回したらこれまた過剰かつ急激に左を向いて…という謎の挙動が生じたことがあったが、EVは何かステアリング周辺の制御で難しい部分でもあるのかねえ。
エコモードを使ってみたが、トロ過ぎて殺意すら湧いてくるC4のエコモードと異なり、こちらは速くはないにせよさしたる不満もないので、多くの区間をエコモードで運転することになった。街中ならこれで十分ではないかな。鳴門スカイラインではスポーツモードを使用。前方に別のクルマがいたのでほとんどの区間を大人しく走らざるを得なかったが、上り坂では「マスタングでもここまで凄かったっけ?」と舌を巻いてしまうほどの加速を見せる。
ステアリングが小径なこともあってか、操作に対する反応は結構クイック。上下左右にユラユラと揺れてやけに鷹揚な動きのC4から乗り換えるとクイック過ぎるぐらい。バッテリーを床下に敷いていて重心が低いと言う点も効いているのかも知れない。
国道バイパス~ワインディング~高速と56km走って、走行可能距離はエコモード表示で368km→288kmと80km減少。一回の充電での走行距離は395kmを謳っているが、実際のところはその7掛けが精々といったところか。高速道路メインで往復400km程度の移動が割と多い身からすれば、その走り自体は魅力的だがどうしたって購入時の選択肢には入ってこない。お値段も高いし。ガソリン車のGTに150万円上乗せされて堂々の500万円超えだからなあ。

Posted at 2024/06/08 23:50:44 | |
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