
今回は「サハラ砂漠をシトロエン2CVで横断しようとしたが故障して動けなくなってしまい故障車からバイクを作りだして脱出した冒険野郎」のお話しです。
冒険野郎マクガイバーのような活躍をしたのはフランス北西部の街ムレスに住むエミル・ルレイさん
彼は1993年に愛車のシトロエン2CVでサハラ砂漠を縦断する計画をたてていました。
そもそもサハラ砂漠は南北1700km東西4800km 面積は約1,000万km2もありアメリカ合衆国とほぼ同じ面積になるかなりの広さです。
そんなサハラ砂漠をシトロエン2CVで横断しようってだけでもかなりのハードコア野郎なのですが出発当時、内戦の影響で予定していたルートの変更を余儀なくされ、その結果悪路を走行することになり砂に埋もれた岩に乗り上げてしまい車体が割れるほどの衝撃を受けて走行できなくなってしまいました。
10日分の食料と水だけを残し灼熱の砂漠の中で孤立してしまった彼は、まず強烈な太陽光や砂嵐から身を守るため2CVのボディを外してベースキャンプを作りました。
そして砂漠から脱出するため壊れた2CVから部品を取り外してバイクを製作することにします。
車載工具しかない状態で「車は壊れてしまったけどタイヤが3個とエンジンがある。これでバイク作れば脱出できるんじゃね」と考えついたのもどうかと思うのですが溶接機やドリルなしでバイクを作るってのは、かなり無謀です。
すべての部品の固定をボルトとナットで行うしかなくなってしまうのですが穴開けができませんので何度も金属を曲げながら叩くことで穴を開けたりしたそうです。
やってることはもはや縄文時代の人です。
2CVはFFですから破損していないほうの前輪を後ろにつけ駆動輪にし後輪を前につけています。
ギアパーツも移植されているように見えますが結局バックギアのみで走行したそうです。
フロントホイールのプロアームが即席とは思えないほどのなかなかの完成度です。
2CVのタイヤの細さがバイクになることで違和感を払拭しています。
バンパーにガムテープを巻いてシートにしたそうです。
悪路では乗り心地も大事ですからね
12日間かけてついに完成した即席オートバイでエミルさん サハラ砂漠を脱出することに成功しました。
凄すぎますっ!
バイクの製作は2~3日で終わる予定だったそうですが結局12日間もかかってしまったそうです。
遭難していたのは町から20kmの地点だったそうで12日もサバイバル&バイク製作生活をしないでも歩きでなんとかなったような気もしてしまいます…
もはや脱出することよりもバイクを製作することに命をかけたくなってしまったようですね
29年たった今も、そのときの2CVバイクを大事にしているそうです。
フレームでエンジンを挟んでとりあえずタイヤが回るようにしてさらに操舵輪を取り付けるって現代のコンピューター制御のハイブリッドカーでは絶対にできないトランスフォームですから2CVだったからこそできたことなのかもしれません。
やはりイザと言うときのためにも車はローテクのほうが良いような気がしちゃいます。
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Posted at
2022/02/08 14:51:01