
オーパーツとは、「out-of-place artifacts」を略して「OOPARTS」とした語で「場違いな工芸品」という意味です。
考古学上その役割や製造法などが不明であったり当時の文明の加工技術や知識では製造が不可能なはずなのに出土した物を指す用語です。
トルコから出土した約3000年前のロケットの彫像
中央のコクピットに見える部分には首のかけたパイロットが座り後方には3本の噴射ノズルのような物が付いています。
このように時代背景からは考えられない知識を用いて作られた物を「オーパーツ」と呼んでいます。
一番有名なオーパーツだった「水晶髑髏」はスミソニアンでの調査の結果、加工用ドリルの跡が見つかったようで実は、最近作られた物だって結論付けられロマンがなくなってしまいちょっと残念ですね
残った有名どころでは「バグダット電池」でしょうかね
1936年 バグダッドで出土した奇妙な形の陶製の壺
この壺が製作された年代は紀元前2世紀頃 高さ約14センチで開口部はアスファルトでふさがれており中に銅の筒と鉄の棒が固定されている。
この2種類の異なる金属を用いた構造は現代の電池と基本的に同じです。
電解液が壺の中にあれば(腐食の跡はあった)2つの金属の間に電位差が生じて電流が発生し電池として機能したはずである。
電池の発明は1800年頃とされているが実際はそれよりも2000年近く前に発明されていたことになります。
実際に2V程度の電力を発生するのですが何に使われていた物なのかも不明だし電池だとしても一緒にケーブルや電球類が出土していない(調査自体が進んでいない)ので謎は深まるばかりです。
日本でも鎌倉時代の精度が高く錆びない刀剣作成技術や戦艦大和の46cm砲や回転銃座なんかも今では設計法が紛失してしまったり作る設備が動いていないことで再現不可能(ロストテクノロジー)なんて言われています。
自動車業界でも「なぜこんなものをつけたのか?」と2000年後の科学者が解明に困ってしまうようなパーツがたくさんあります。
オペルGT 回転式ヘッドライト
空力を考えるにしてもリトラクタブルライトにしようとは思わなかったのでしょうか
すでにリトラクタブルライトのあった時代のはずですが…
他の車種についてるのを見たことがないので、まさにロストテクノロジーでしょう。
北米仕様車 自動シートベルト機能
輸出用のアルシオーネやエクリプスなんかにもついてました。
外車のはシートに座るとベルトが自動で前までくるのですが結局、ベルトロックは、手動でしなければいけないという謎の装備でした。
エアバックの普及ですっかり見なくなり今では完全なオーパーツですね。
F1タイレルP34
なんと6輪のF1マシーンです。
1976~77年のF1で本当に走っていた6輪マシーンで年間ランキング3位に入りました。
前輪の接地面積を増やしてコーナリングスピードを上げる画期的な技術でしたが現在レギュレーションにより禁止されていますので、もう6輪マシーンを見ることはできません。
ホンダ ジャイロケータ
一番最初にカーナビが登場したのは1981年ホンダのジャイロケータです。
GPS衛星のない時代でしたので、どの方角に何メートル進んだかを計測して表示していました。
画面の端まで現在地表示ライトが行ったら透明フィルムの地図を手動で差し替えると言うまさにロストテクノロジーなナビでした。
こりゃもう地図見てるだけのほうが良いような…
CVTにわざわざ段を設定してパドルでシフトさせる機能
フェラーリのF1マチックはコンピュータが自動で最適なタイミングでクラッチを操作する機能でギアがありますが無段変則のCVTは、スクーターのようにもともとギアを変更する必要がありません。
回転低めで走っているのでエンジンブレーキも、効きはよくないはずです(2段一気に落とせば効くかな…)
取扱説明書にも「パドルシフトを頻繁に使わないでください」と記載されていることまであります。
きっとエンブレ多用しているとCVTのベルトの減りが早くなってしまうからではないでしょうか
いったいなんのために…
シートポジションメモリー
乗る人のシートポジションを記憶しておき自動で変更できるボタンです。
昔の高級車には、よく付いてました。
1台の車を何人かで頻繁に使う予定だったのかな?
そんなに人の体格って違いましたっけ
暗証番号式キーレスエントリー
S12系シルビア・ガゼールにオプションで設定できたキーレスエントリーは、リモコン式ではなく暗証番号式でした。
よくよく考えると車外に付ける機能じゃないですよね
長く使ってるうちにこんなふうになってしまい、なんとなく暗証番号が判明してしまいそうな気も…
瞬間燃費計
何故にあんなものがメーター内の中心にあるのか…
だいたい燃費なんて、そんなに気になります?
トータルの平均燃費ならまだしも、瞬間燃費なんてチョコチョコ見たところで速度によって変わりますし結局みなさん頭の中でだいたいのトータル燃費を計算してしまってるはずです。
助手席側の鍵穴
そうです よく考えると必要ないんです。
二人が同じ鍵を持ってて同時に乗ることを想定したのでしょうか
今の時代ほとんど集中ドアロック&スマートキーでしょうから鍵穴自体が緊急時の物になってしまっているのに、さらにそれの助手席側って…
RX-7 FC
ポルシェに勝つために作られたこの車もオーパーツの固まりでした。
だいたいロータリーエンジンの時点で軽いロストテクノロジーなのですが…
トーコントローラー
当時、流行の4WSっぽくするためにコーナリング中に、ブッシュのたわみを利用してトーを変化させフニャフニャ曲がらせてくれる謎の機能です。
おそらくみなさんトーコンキャンセラーを入れてこの機能が効かないようにしてたはずです。
今ではキャンセラーのほうが有名になってしまいました…
計器灯調節機能
メーターの左のつまみを回すとスピードメーターの明るさが5段階で変わります!
もちろん触ったことありませんでした。
今はセンサー連動2段階ですよね
マツダのオーパーツの歴史はRX-8にも引き継がれ 観音開きドアが採用されていました。
いや マツダさんの心意気は好きなんですよ 実際RX-7も乗り継いでますよ
人類は、常に自然との闘いを繰り広げてきました。
強雨と戦うことを宿命付けられたパーツ、ワイパー達もロストテクノロジーの宝庫です
手動ワイパー
昔の電車やオート3輪なんかも手動ワイパーでしたね
思えば便利な時代になったもんだ…
かなり昔から電動になってましたから、手動ワイパーは、相当不評だったんでしょうね
今でもモーターボートなんかでは手動もあるみたいですが、あくまでも操縦者がハンドルから手を離せることが前提のシステムですよね
ヘッドライト用ワイパー
各メーカーが趣向を凝らしてデザインしていますが本当に必要だったのでしょうか…
雪や汚れでライトが暗くなるなら光量を上げればいいのに当時の技術者達は、とにかく「拭く」ってことに執着していたようですね
もちろんライトを点灯すれば、その熱で雪は溶けます…
サイドワイパー
マークⅡにオプション設定されていたサイドワイパー
雨の日にサイドミラーが見にくくなることを防止しています。
たしかにあると便利そうですが
ガラスの撥水技術が進み今では、どの車種にも付いていないロストテクノロジーです。
他車種に付けなかったってことは、おそらくワイパーのせいでサイドミラーが見えにくくなってしまった可能性も…
自動ワイパー
雨粒を感知してワイパーが自動で動き出す機能です。
ドライバーの目のほうが重要なのに、なんでこんな機能を付けようと思ったのでしょうか
ハンドルの横についてるワイパーノブを動かすことすら嫌がる人がいたのでしょうか
ワイパーを手動で動かしてた時代もあるのに便利にしようとしすぎです。
もちろん
洗車時や給油中の窓拭き時にも反応します。
アンブレラポケット
日産パルサーの3ドアのみに付いていた傘入れスペースです。
たしかに雨の日に濡れた傘を車内に入れるのって、なんかイヤですよね
安全性や剛性の問題もあるのでしょうがこの装備は、またなんかの機会に復活してもいいような気もします。
最後に紹介したいオーパーツは、ちょっとオシャレな
フラワーベース
ニュービートルに標準装備されていた花を一輪挿しするパーツです。
ここには水を入れて花を生けるのが正しい使い方です。
言われなければちょっと使いこなせない機能ですが標準装備されていました(現在オプション)
知らなかったらペン立てとかに使っちゃいそうなスペースですよね
さすがに水を入れるのは、ちょっと抵抗がありますが水がこぼれないように走って荷重移動の練習するのにも良さそうです。
一輪挿しは、1950年代のビートルタイプ1から付いている装備なのでロストテクノロジー扱いは、かわいそうなのですが他車種にないってことで、ここで紹介させてもらいました。
ドイツの人々は、芳香剤よりも自然な香りと癒しを好むのでしょうかね
自動車業界は、他社との差別化をはかるためにも、なんで付けたのかわからない謎のオーパーツがひしめき合っています。
2000年後の自動車学者は、今の車を見たとき解明にとても苦労することでしょう。
そういえば私もST185セリカを買ったその日にカプラーを取り外して鍵を回すと自動でラジオのアンテナが伸びる機能をキャンセルしました。
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