「チーム・バチスタの栄光」第九話に、また演出のうまさを感じる

　今回のこのお話、前回犯人の一人の男が死んで、また犯人らしき男が現れる展開です。話自体は最終回への布石とった「つなぎ」ですが、そのなかの演出に「きらり」ときらりと光るところがありました。
　登場人物の中に「カキタニ先生」という人がいるのですが、その人、娘を心臓病で亡くし、以来出世話を断って現場一筋、なのだそうです。それを説明するシーンは、カキタニ先生が現場でいろいろ働くシーンに、別の人の声での解説がかぶさる形で描かれました。味わいあるシーンとなり、登場人物に「深み」を感じました。このような古典的な表現方法は、見ていて安心感があります。他のドラマを制作している人たちは、ぜひ見習ってください。