この日は念願のiQに試乗することができました。結論から言うと、がっかりでした。
エンジン
パッソ同様の1KR-FE 3気筒エンジンが搭載されていますが、吸気系統の違いからこちらのほうが出力が低くなっています。3気筒特有のビートはありますが、音の面では配慮がなされており、すぐそばでエンジンがうなっているという感覚は皆無です。もっともこれは低速の一定速度で走っているときの話で、加速時は前からエンジンのビート、後方からはマフラーの放射音がよく聞こえてきます。それがハイゼットそのものの音ですので、悲しい気持ちになります。パワーも、普通に走るのには他の車に後れをとらない、程度のものとなっています。特に気をつけたいのが、レスポンスの悪さです。これはCVTが悪いのもありますが、ある程度急いで加速したいときに、アクセルペダルを床まで踏みつけても、なかなか加速しようとしないのです。一度CVTが高いギヤ比(厳密にはCVTなのでギヤ比とは言わないのですが)に移ってしまうと、低いギヤ比に移行するまで結構時間がかかるということもあります。とにかくパワー感を感じない上、レスポンスが悪く、音も悪い、ということで、全く魅力を感じないエンジンでした。
トランスミッション
これまでも何度かトヨタのCVT車に乗っていますが、印象はそのままです。とにかくすぐさま高いギヤ比に移ろうとするし、変速レスポンスが鈍いし、ということで、日産のCVTとは全く別物です。
乗り心地
この点は良いです。ショックアブソーバーが引き締まっていて、乗り始めこそ硬さを感じますが、慣れると気持ちが良い硬さになります。雑誌等ではピッチングの多さを指摘しているものがありましたが、そういう感じはありませんでした。
ボデー
短いホイールベースということもあり、曲げ、ねじりに対して有利になっています。とにかくしっかり感があり、硬質な印象です。斜め後方視界は心配したとおりで、窓が小さい上に助手席の陰に隠れて「視界はない」に等しいです。まあ車が短いので、リヤウインドーから見える部分でも十分とはいえます。全長が短くて小回りが聞くことをCMでうたっていますが、確かに舵はよく効きます。まるで4WSの車に乗っているような感じですね。ただ舵の効きが小回りに効くかというとそんなこともなく、狭い路地では車の幅の広さに気を使いました。そんなわけで、この車の取り回しのよさは「路地のカーブ」でしか感じられませんので、セールストークにだまされないようにしてください。
おまけ
エアコンの操作パネルの操作方法が独特で、なれるのに時間を要します。モードをボタンで選択してそこから温度調節やら噴出し口やらの調整をダイヤルで行います。この方法は、運転中に操作するのには全く向きません。携帯電話感覚とやらを狙ったのでしょうが、エアコンパネルは運転中に操作する物であることを忘れています。
まとめ
この車が169万円で、インサイトが189万円となると、ちょっとこの車は選べません。エンジンは3気筒のノイズと、余裕のないパワーということもあり、少しも魅力がありません。小さな車は、軽い車重で小気味よい加速を味わえるはずなのですが、エンジンの特性と鈍いCVTのおかげでぶち壊しにされています。この鈍さは、一昨年に乗った「
インプレッサ 1500」以来です。価格といい、乗り味といい、がっかりの連続でした。悪いことは言いませんので、この車を買うのは止めたほうがよいと思います。
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試乗 | クルマ
Posted at
2009/03/20 17:32:17