「ＢＯＳＳ」最終回に、ゴチャッとした混沌を感じる

　真剣な展開をしつつ、最後はコミカルなオチが付く、そう、「俺たちは天使だ！」で使われた手法です。今回のこのドラマ、その手法を見えるところだけ真似た、というのが率直な感想です。

　前回、警視総監が拉致されました。疑いの目を持って見られる天海ボスの上司竹野内男。捜査は警視総監を取り返すことと、テロ集団の正体を突き止めることに重きを置くことになりました。そこで迎えられたのが、イヤミな存在であった相島一之男を指揮官に迎えるのであった。そんな折、犯人集団が仕掛けた爆弾騒ぎが起こる。ボスは、かつて逮捕した武田鉄也男の協力を仰ぎ、なんとか爆弾を止めるのであった。（唐突だ）

と、そんなこんながあり、結局竹野内男はテロ組織に協力するふりをして近づき、内部へ潜入捜査をしていただけで、実際の警察側の裏切り者は相島一之男、逮捕劇のときに銃撃戦が行われるが、そこで犯人を欺くため茶番が描かれてコミカルな感じを出した、というのが今回のあらすじです。天海ボスは海外転勤となったため、しばらく続編はないでしょう。最終話は二話連続であるものの二回目にゴチャッと展開し、緊迫感もなかったし、アクションもなかったし、味わい深い人間劇もなかったのでした。このシリーズ、なんとも浅い作品になってしまった上、ボスが一人で目立っているだけでした。まあ、「踊る大捜査線」的な作品を否定する作風の作品が、そこそこ視聴率を取れたことだけでも良しとしましょうか。