2010年01月29日
「コードブルーシーズン2」第三話に、むなしさを感じる
今回のテーマは「うそ」となりました。これまでの脚本の中に、その話ごとのテーマを明確にしたことはなかったため、この突然の処置に驚きを感じました。「太陽にほえろ!」では、話の最初にテーマに関する小さな出来事(良い出来事)を描き、そのテーマにのっとった大きな事件を描き、それが悲劇的な結末で幕を閉じる、という「相似方式(私が命名した手法)」を取ることがあります。最近の作品では、珍しいですね。
あらすじ
今回は、我孫子駅周辺の風景を持つ「吉川中央」なる駅が舞台です。この駅の階段で将棋倒し事故が起きます。そこでは単なるけが人から、なんとスキー板で串刺しになった男女3人がいた。一番上は濱田岳(金八先生7で、うるさい生徒、プロポーズ大作戦でこれまたうるさい男を演じるなど、ちょろちょろうるさいキャラクターを演じさせたら右に出るものはいない)、真ん中は男、下は女性であった。真ん中男は頭を打ち、非常に危険な状態になっている。濱田男いわく、自分とその女性は交際していて、真ん中は友達だとのこと。真ん中の男は意識が遠のいている。浜田男は救助活動中しゃべりどおりであった。が、真ん中の男の容態が悪化すると、下の女性が動揺し、手がつけられなくなるほどであった。その姿を見て、これは真ん中の男と彼女が、実は交際しているのではないかと問い詰める。答えられない彼女。それに対し、自分は単なるおまけであったと意気消沈する濱田男。答えられない彼女。
一方、戸田女は、この3人とは別の女性を病院まで搬送、新垣女はこれまた別の男性の救助を行っていた。その男性、いったんは助かるものの、心臓に疾患があってこのままでは自力で心臓を動かすにはいたらないだろう、という判断になった。家族にそれを告げる彼女、それでも家族の前で心臓マッサージを止めるのであった。
そして時間が経過し、スキー板の3人の救助方針が決まった。スキー板を濱田男と真ん中男の間で切断し、真ん中男と下の彼女を救うというものであった。板を切断すると濱田男が大出血し、場合によっては命の危険が起こることを伝えた。救命救急とは、常に助かりやすい者から助けるという基本がありながら、一番意識がはっきりしている濱田男が犠牲(?)になる形になるという、冷酷な事態になった。濱田男は、しぶしぶ受け入れるのであった。この厳しい現実に、泣き崩れる女性(だが、濱田男を心配してのものではない。あくまでもこの事態に泣いているだけ。)その女性を、濱田男は勇気付けるのであった。
計画はついに実行に移され、やはり濱田男からは多量の出血が起こる。すぐさま血管が止められ、心臓マッサージが行われるものの濱田男は息を引き取った。
感想
まず、出演者の予定が合わないことが明らかで、シーンが真3つに分断されてしまいました。前回もそうでしたが、シーンが3つで話も3つに分かれてしまい、今回は「うそ」がテーマながらそれが利用されたのが3人組のシーンにとどまってしまったことが残念でなりません。
また、濱田男がかわいそうだなあ。これでは浮かばれません。下敷き女性はまったくひどいもので、彼女を勇気付けながら自身を犠牲にした濱田男に対し、何の言葉もありませんでした。これはちょっとかわいそうだなあ。こういう女性、いますよねえ~。彼氏がすべてでそれ以外の人間が視界から消える人。高校生くらいまでなら仕方がないと思いますが、成人しても、就職しても、そして結婚して子供が生まれても直らない人は直りません。これは一種の人格未発達なのではないかなあ???このシーンで、死んでいく(?)濱田男に対して何らかの言葉かけがあればこの話は良い話になったのでしょうが、あまりにも濱田男が気の毒すぎて、後味が悪い話になってしまいました。
同じような話で、「銀河鉄道999」の21話があります。999の電気回路にきのこが入り込み、それを身を挺して除去する体が木の「森木豊」さん、遺言代わりに哲郎に絵を描いたスケッチブックを渡しますが、哲郎は「あの人は何が言いたかったんだろう?」と、感謝も何もありません。
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Posted at
2010/02/01 00:17:53
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