2010年10月31日
「パーフェクトリポート」第三話に、ドラマ未満を感じる
このドラマ、まだ見ています。が、気分的にはもう限界かな?とにかくテーマが不明瞭で、登場人物の真情が全く描かれていません。以前にも別の作品に、「ドラマ未満を感じる」という題名をつけたことがありますが、この作品もまさにそれ。プロデューサーや脚本家、演出家はドラマの面白みを分かっているのでしょうか??
あらすじ
野球選手とタレントの結婚が間近となるが、松雪泰子女は別の事件に注目していた。銀行強盗事件のときに亡くなった警備員の息子が、すでに亡くなった犯人と思われる人物を告訴しようとする報道であった。
ある日、その事件現場にティッシュにくるまれたコーヒー豆が置かれていた。また、事件の取材の過程で、なくなった犯人と思われる男は劇団員で、それも嫌われていたことが分かる。
ティッシュにくるまれたコーヒーは、取材により毎年事件の日になると現場に置かれていたということがわかる。また、亡くなった男には当時交際していた女性がいて、その女性には子供がいた。
その後、張り込みにより劇団練習場の管理人がコーヒー豆を置きに来た。そこで事件のことを語り始める。そのままテレビ局までつれて行き、事件の真相を語る場面を撮影、他局が野球選手の結婚式の様子を報道する中、この取材班が所属する局は、この事件について報道するのであった。なんと劇団練習場管理人は、奥さんの病気を治すための資金作りに銀行強盗に加担し、逃げるときに戸惑っていたら他の犯人に置いて行かれていたのでした。その前の日の態度のおかしさに気付いていた「犯人と思われる男」が、バイクでその現場に急行、彼を逃がすためにバイクで逃走、その途中で事故死した、というのが事実なのでした。
感想
えー、上を見ていただければ分かるかと思いますが、結局のところ取材班の人や事件にかかわる人物たちの心情や行動とは無関係に、真実が勝手にどんどん現れてくるドラマです。
前にも書きましたが、テレビ黎明期の1960年代のドラマがこうでした。「特別機動捜査隊」や「7人の刑事」ですね。刑事はその後の刑事と違って犯人や登場人物に感情移入することなく、「ト書き」的に事件に関することを説明する台詞を言っているだけです。
そして今回も、松雪泰子女以外の取材班たちもほとんど飾りで、活躍らしい活躍をしていません。松雪泰子女が取材活動とやらをしていると、事実のほうがどんどん自分から現れてきて画面に出てくる印象です。そのため、全く事件解決の醍醐味がありません。
それから冒頭に描かれた野球選手と芸能人の結婚、まったくストーリーにかかわりがありませんでした。また、犯人と思われる男性が交際していた女性の子供、これも松雪泰子女か誰かに強い使命感を抱かせるきっかけになるのかと思いきや、単なる「通行人」扱いでした。
ねえフジテレビ関係者さん、伏線とか登場人物の複雑な心境とか身近な出来事と大きな事件との対比描写とか、どういう「ドラマを面白くさせる要素」ってご存知ですか?
このドラマは、以前放送された「BOSS」そのものです。松雪泰子が格好良い上司を演じるためのお膳立てドラマなのですが、仏頂面をして一人で活躍するだけじゃあ、見ている方が不愉快になります。しかもブスに見えますよ。
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Posted at
2010/11/01 00:21:30
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