2010年12月05日
自分ではやらず司令塔になるのが偉い人!?
今日は床屋に行きました。昭和40年代以降の近代史の話題となり、ビジネス上の風潮の変化も話題になりました。そこで思うところがありましたので、ここに書いてみました。
ビジネスの世界は、そのときの世の中の情勢や技術の動向などから、注目される(より力を注がれる)業種や職種が変わります。
日本で言うと、明治の頃の富国強兵時代には炭鉱、製鉄、兵器産業が注目されましたし、太平洋戦争後は農業と林業が注目されました。その後日本が農業国から加工貿易国となった昭和50年代後半ごろまでは加工工業(自動車、電気製品)が中心となりました。
昭和60年のプラザ合意(?)からは輸出が振るわなくなり、それら機械、電気製品産業は国内販売を主眼に置くようになりました。結果、品物は十分すぎるほど供給されることになるので、「上手に売る人」が注目されるようになりました。早く言えばお店の人ね。品物はどこでも手に入るので、お客様に満足いただき、何度でも足を運んでいただくことが重要とされるようになりました。
それまで(プラザ合意まで)は、とにかくものづくりをする人が大切で、店においておけば売れるので店員はおまけの人がすれば良いとするような風潮すらありました。すなわち、店員さんになる人はどうでも良い人と考えられていたわけです。中には、大卒は内勤、高卒までは店舗とはっきり言う人すらいたほどです。
ところがそれ(プラザ)以降は、品物をどんどん作っても余るだけですので、売る人が重視されるようになったわけです。それまで重視されなかった「電話応対」「お辞儀やあいさつ」「身だしなみ」が、社会人の教育として重要だとされるようになりました。
そうそう、学校の先生はその辺のところが分かっていなくて、「人間は中身だ」と言いますが、仕事のうえでは「人間は外見だ(もちろん中身が水準に達していることを前提で)」になってきたわけです。
ところがところが、インターネットで成功した業者(楽天、サイバーエージェント)などが現れてきて以来、なんとなくまた変わりつつあるような感じがしています。「人をうまく使って仕事をさせることが重要だ」です。聞こえは良いですが、先日も言った「自分では何もせずに他人にあれやれこれやれと言い、報告書を書かせて会議をする」ことです。
これまた先日の朝日新聞ですが、NPO法人を起こそうとする若者(20代後半)には、「奉仕精神が高い純粋な若者を集め、ただみたいな金でこきつかい、文句を言うようになったら辞めさせる。」ことを続けて法人を維持し、自分は安穏と暮らす。」者が出てきているのだそうです。
NPO法人に限らずとも、自分では何もやらず、口だけであることが認められつつあるような風潮を感じます。「ドラッガー」の流行や、サッカーブーム以来の「監督が重要」とする風潮です。
ものづくりの精神も捨て、お客様への奉仕の精神も捨て、ひたすら「データ(実験データじゃないよ)の報告書の作成と会議を繰り返すことが仕事」となったら、会社はどうなっちゃうんでしょうね?ビジネスの基本は、現場重視、お客様への奉仕の精神です。刑事もの用語に「現場百回」という言葉がありますが、現場にヒントがあります。
日本のホワイトカラー層の生産性が悪い原因は、「報告書」「会議と会議資料作成」にあるというのに、「ダイ○モンド」や「プレ○デント」、「日本○済新聞」関連のビジネス誌やインターネット上のビジネス記事は、こんなことばかりあおっています。賢い皆さんは、まともに受け取らないようにしましょうね。
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Posted at
2010/12/05 22:25:05
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