2009年に公開された「宇宙戦艦ヤマト復活篇」は、キャラクターデザインや新メカデザイン、ストーリーから松本零士色を排した仕上がりになっていました。なんと効果音や音楽までも全く異なる雰囲気になっていました。戦闘シーンにクラシック音楽ですよ!そのセンスに劇中、首をかしげることばかりでした。
効果音の変更は、宇宙戦艦ヤマトを見ている気を全く無くさせました。これまでヤマトの効果音といえば、爆発時、爆発音と共にガラスが割るかのような音、主砲や波動砲の発射音、ヤマトのエンジン音、噴射音、敵戦艦の航行音などに特徴がありました。特に主役たるヤマトの効果音は、俳優の声の如く私の頭の中に刷り込まれていました。
それが2009年公開時は、この音が全く変更されてしまい、当時劇中「私は何の映画を見ているのだろうか?」という気分になってしまいました。見るのを途中でやめて、帰ろうかとも思いました。
今回のディレクターズカット版では、努めて旧作の効果音を使っていました。主砲の音はヤマトを応援する気分になりますし、エンジンの噴射音はこれから行動を起こすヤマトとして期待を抱かせます。敵戦艦は、デザインにはいろいろ注文をつけたいものの、航行音がガミラス艦の、主砲の音がボラー連邦戦艦のものになっていました。
これにより、「自分は宇宙戦艦ヤマトを見ているんだ」という気分になり、ようやくストーリーに入り込むことができました。まあ、それほど面白いストーリーとは思えませんでしたが、それでも2009年公開時よりもシンプルでスピード感あるストーリー展開になっていたようにも思いました。
私としては、このシリーズよりもリメイクである2199シリーズの方が期待できるのですが、決して悪くはない仕上がりになっていました。でも、もっと旧作からの効果音が使えますよね。
このシリーズは、ストーリー展開に味がなく、キャラクターにも魅力がないのが欠点です。ヤマトⅠのドメル将軍の正々堂々ぶり、ヤマト2の土方館長の智将ぶり、新米俵太のコミカルさと壮絶な最期はありません。
また、ヤマト2の地球艦隊と彗星帝国艦隊の息を呑む艦隊戦シーンのようなものもありません。
まあ、こう書くことで以降のシリーズが改善されれば良いです。2199の映像を見るにつけ、最近のアニメづくりに反省が見られますので、アニメ業界にも脱萌え、脱ガンダム(マクロス?)の機運があるのでしょう。2199に期待します。
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2012/03/01 23:48:30