
この日は、宇宙戦艦ヤマト2199第二幕の公開日でした。公開初日かつ休日ともなれば、見にいかない理由はありません。夕方に映画館に行きました。
ところが、ロビーは大混雑でした。一人で行くと、たいていどこかに席が空いているものですが、この日はそうはいきませんでした。十数分後から始まる回には入場できず、その次の回となりました。外は雨でやや蒸し暑いため、外には出ずになかで時間を潰すことにしました。
ところが映画館というのは商売上手なものですね。なんと、椅子がありません。併設された喫茶店には当然ながら椅子がありますので、「座りたいのでしたら、別途料金をお願いします」ということです。映画館事業というのは、映画自体の興行収入の割合は、どのくらいになっているのでしょう?
紆余曲折ありましたが、無事席を取ることができました。
前回の第一幕では、ヤマトは旧大和の外板を破って発進、超大型ミサイルを破壊して大気圏を突破するところで終了していました。
旧作では、ここまでが第三話です。
第四話で「月付近で敵空母の攻撃を受けながらも、月から火星へワープ、そして外板を破損したため緊急着陸」、
第五話で「木星の浮遊大陸にガミラス基地を発見、波動砲の試射も兼ねて攻撃」、
第六話で「土星の衛星、タイタンで金属を調達すると共に戦艦「ゆきかぜ」の残骸を発見」、
第七、八話で「冥王星基地から反射衛星砲の攻撃を受け、これを殲滅せんと攻撃、破壊」
となっていました。
今回の第二幕では、上記の話について話を進めています。
第一幕でも改変が目立ちましたが、今回もありました。
まず、月付近で敵空母の攻撃を受けなくなり、しかも行き先は木星となりました。ワープに横って怒った故障によりヤマトの姿勢を制御できなくなり、そのまま浮遊大陸に緊急着陸をします。
そこで敵基地の攻撃を受け、初めての航空機戦が行われます。そして波動砲の試射も兼ねて基地を攻撃、浮遊大陸ごと破壊してしまうのでした。
航行を続けますが、波動砲発射時の故障を修理するには、特殊な金属が必要になるのでした。そのためにタイタンに立ち寄ります。金属を手に入れますが、原作同様、ゆきかぜも発見するのでした。ここで古代とツンデレ森雪の、ツンデレラブロマンスのきっかけが描かれます。この部分はヤマトらしくない雰囲気でした。
冥王星には旧作同様に基地がありますが、旧作の基地はいかにも「辺境の基地」だったところが、ヤマトⅢのデスラーパレスにも似た、立派な基地となっています。しかも「反射衛星砲」は、遊星爆弾を作るための装置を武器として転用した、とされました。少々無理な感じがしました。しかも、基地は何らかのバリヤを張り、レーダーにも目にも見えないようにしていました。
旧作でも本作でも冥王星の海にヤマトが沈められ、潜水艦行動をします。このあたりは、旧作では「ヤマト初の大ピンチ」として、うろたえる島航海長の姿が描かれますが、本作ではあまりそんな感じはしません。
というより、ヤマト側の登場人物が落ち着き払いすぎていて、どうにも「ピンチ」らしくない感じがしてしまうのです。まるで、「敵の様子は旧作アニメを見て知っているから大丈夫だよ」と言わんばかりです。
旧作では、真田技師長と古代戦闘隊長を中心とした決死隊が編成され、反射衛星砲の排気口から侵入しようとします。ところが本作では全くの航空機戦になってしまい、白兵戦はありません。旧作では、「杉山」などの、初の戦死者が出ます。この、敵の懐に侵入して破壊、逆転するのがヤマトシリーズの醍醐味でもあったのですが、全体的に緊張感がない展開になってしまっています。
ヤマト航空機隊は、無事敵基地を殲滅、反射衛星砲が爆発して発生した津波は基地を飲み込み、シュルツやガンツは、命からがら脱出します。
旧作では、次回アステロイドベルトにおいて艦隊戦が描かれます。今作のシュルツらは、1、2隻で脱出して、さらにワープで逃げるため、アステロイドベルト戦はないのではないかと考えられます。
このシリーズ製作開始時、制作者側は「旧作のような熱い(とはいっても、マジンガーZの兜甲児や鋼鉄ジーグの司馬宙ほどではない)古代を今の世の中に登場させると、どうしても違和感がある」という理由で、醒めた古代進を描いています。
そのためか、総体的に沖田艦長が熱い男となる一方、戦闘シーンでの緊迫感が少なくなっているように感じました。なにより、ヤマトが強すぎます。
今後もこのシリーズは続くと思いますが、この「醒めた感じ」が引っかかりますね。
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Posted at
2012/07/18 23:49:21