2012年11月11日
シンドラー社とアミューズトラベル社に思う伝統と社風の悪癖
みなさんもご存知のとおり、エレベーター製造業者の「シンドラー社」が製造したエレベーターが、また死亡事故を起こしました。清掃員の女性がエレベーターに足を乗せたところ、エレベーターの扉が開いたまま急に上昇し、天井とエレベーターの間に挟まれて亡くなったそうです。
エレベーターは、各階停止時や停止中にかける、車のパーキングブレーキのようなブレーキがあるそうです。2006年にも同様の事故が有り、エレベーターに関する製造時の規制が強化され、前述のブレーキを二重にしなければ製造できなくなったそうです。これは製造時の規制で、すでに製造されたエレベーターに関してはそのままとなりました。
一方、旅行代理店の「アミューズトラベル社」は、今回、中国の万里の長城へ行くツアーにて、突然の大雪に見舞われ、3人が死亡しました。この会社は、2009年7月に企画した大雪山歩きのツアーにて、9人が遭難、死亡しました。
シンドラー社の事故は、法規制に則れば違法性はありません。むしろ、二重ブレーキに関する規制を、新しいエレベーターの製造に限定した国土交通省の責任かもしれません。個人的には、シンドラー社のエレベーターに、自動車同様の「リコール」をすべきだったかもしれません。
アミューズ社の事故は、もとよりこの業者は「山歩きツアー」を中心に企画する会社であったため、他の旅行代理店よりも事故の危険性が高い業者ではあります。また、ツアーの計画性も問題だったかもしれませんが、天候によるところ大であり、人為的ミスではないかもしれません。
しかし、両者の事故について思うのは、「センスについて同業他社と比較して劣っている会社があるのではないか?」ということです。身近なところで、製菓業者や自動車製造業者について、各社の社風があり、それぞれのメーカーにファンがいる、ということと似ています。
だいぶ崩れてきたとは言え、日本の各企業は「新卒採用、終身雇用」が基本にあります。「第二新卒」はだいぶ一般的になりましたが、それでも新卒入社が優遇される人事制度になっている会社が多いことでしょう。第二新卒と言ったって、25歳以下はまだ学生っぽいところが残っているなあ。とても会社の「おかしさ」について、意見することはできないでしょう。
そんなこともあり、日本の各企業にはそれぞれの社風が温存されることになります。良い方に作用した場合は、消費者からは、「個性ある商品を選べる」ことにつながるかもしれませんが、悪い方に作用した場合は、「社会一般から遊離した、浮世離れした会社や社風が残る」ことになります。
シンドラー社とアミューズトラベル社がどのような人事制度を採用していたかわかりません。しかし、同業他社が同様の事故を起こしていないのに、この両社だけが、しかも、短い期間のうちに二度も重大な事故を起こしているのは、社風に起因しているように感じられてなりません。
この世には、おかしな感覚を持った会社が存在していると考えられます。消費者として製品を選ぶ際には、その会社の沿革やリクルートサイトなども覗き、選ぶと良さそうです。また、経営者の方は、業界内で自社だけが業績が良くない場合、社風に原因があるのではないか、と考える必要があると思います。
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Posted at
2012/11/11 12:22:45
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