
待っていました。宇宙戦艦ヤマト2199第五章、この日を待ちわびておりました。
予告編動画も秀逸で、艦隊戦への期待を膨らませられます。元作の宇宙戦艦ヤマトでは、戦艦ものと言えるほどの戦闘シーンがなく、どちらかというと宇宙旅行ないしは冒険ものといった雰囲気でした。
以下、映画の内容に関する文章になります。これから見に行く方、テレビ放映やDVDを楽しみにしている方は、お戻りください。
今回の作品は、元作の「異次元のヤマト」、「ビーメラ星、地下牢の死刑囚」、「浮かぶ要塞、たった二人の決死隊」、「バラン星に太陽が落下する日」に相当します。元作でも、いや、ヤマトシリーズを通じても異色だった「バラノドン特攻隊」編は、落とされています。
また、未来の田舎とはどんなものなのか気になるとともに、携帯電話技術と親の高齢化から他人事ではない相原義一の望郷編、「宇宙の望郷、母の涙はわが涙」も落とされてしまいました。2199年の岩手県は、暖房用の燃料に薪を使っているのか、と思うとともに、私が幼い頃は、「田舎には藁葺き屋根の家ともんぺを履いた人がいるんだ」と、1990年代になっても思っていました。
さて、「異次元のヤマト」は、第四章でもそれらしき作品があります。元作の内容を二分割にし、見ごたえたっぷりな艦隊戦にしたのだと思います。そのためにバラノドン編がなくなりましたが、大満足な仕上がりです。予告動画にあった「ヤマトにドメラーズⅢ世をぶつけるのはここです。しかし、元作にはなかった「バリア」は、ちょっとヤマトの世界観には合わないですね。ヤマトⅢの冥王星海戦のように戦って欲しかったです。そうそう、その冥王星海戦にあった、船体を回しながら主砲を発射する、「きりもみ攻撃」が、ここでオマージュされていました。
また、元作のアイデア段階にあった「デスラー暗殺」がここで登場し、戦闘中であるにもかかわらずドメルは容疑者の一人として、本星に呼び戻されてしまいます。これは「バラン星に太陽が落下する日」の件ですね。
続いて、ビーメラ星編です。元作では、野菜を取りに行った森雪とアナライザーと蜂に似た原住民とが出会う話でした。
今作では、原住民は死に絶え、全く自然の星として描かれます。また、こでも準備稿にあったヤマト側のクーデターが描かれます。その星に偶然あったイスカンダルからの通信カプセルから、瞬間移動ゲートの存在を知り、ヤマトの航海が短縮される可能性が示唆されます。元作でもバラン星以降の話がものすごく飛ぶので、その理由付けをしています。アナライザーの森雪への愛の告白はなくなりました。
次は、「浮かぶ要塞~」を下敷きにした回です。
瞬間移動ゲートはありましたが、だいぶ昔に機能を停止していました。その機能を復活させるために、真田さん、古代、森雪が出向きます。その機能を再起動させる瞬間、操作室に中性子が多量に出る可能性を真田さんが言いますが、黙々と作業を続けます。そこで、古代守と真田さん、そして2199で登場した真田さんの部下の女性との、ロマンスの思い出が描かれます。ここで「中原中也」の詩が登場しますが、私は「中原中也(なかはらちゅうや」を、今の今まで「なかはらなかや」だと思っていました!
そして無事瞬間移動ゲートは再起動します。真田さんは、操作室の中に溜まった水たまりに身を投げ、中性子の悪影響を避けるのでした。
元作では、真田さんと真田さんのお姉さんが月の遊園地で遊び、逆行してきた車と衝突、お姉さんは亡くなり、真田さんは科学を信用しなくなり、手足も機械になっているのですが、このあたりの描写は全くなくなりました。まあ、機械の手足は良いとして、それが爆弾になっていたら、普段の生活が危なくて仕方がありません。
その次は、「バラン星に太陽が落下する日」を下敷きにしています。ただし、2199ではバラン基地はバランの地上にあるのではなく、衛星軌道上の要塞としています。そして、元作の人工太陽は全くなくなり、バラン星自体が人口建造物という設定になっています。
バラン周辺は、デスラー総統の暗殺の首謀者が、ガミラス軍を集結させていました。そこで演説をしています。ヤマトは瞬間移動ゲートをくぐり、ここに飛び出します。不意をつかれたガミラス軍は乱れてしまいます。ヤマトは一旦バランの雲?に身を隠し、ヤマトは沈んだと思っていたガミラス軍を再び不意打ちにします。そして瞬間移動ゲートのすぐ前で波動砲を発射、バラン星とともにガミラス軍を殲滅、自身は「重力アンカー」を切ってバックしながら瞬間移動ゲートに進行、その場から避難します。
元作の「バラン星に太陽が~」の、時間制限付きの緊張感いっぱいの展開も良いですが、ヤマトらしい、ヤマトに都合よく事態が展開するこちらも見ごたえたっぷりです。ただし、ヤマト2で「新米俵太」がつぶやいて採用になった「重力アンカーを切ってバック」が、普通の作戦として使われてしまったのは、ちょっともったいないなあ。
そしてヤマトは大マゼラン星雲の手前まで、瞬間移動をするのでした。
うーん、久しぶりにアニメーションを見て「ぞくぞく」しました。ヤマトらしい格好良さに溢れています。ヤマト世代はもちろん、ガンダム世代にもオススメです。いや、それ以下の年代にもオススメですよ!
その証拠に、上映室を出てトイレに入ったのですが、前にいた20歳代前半らしき男性の集団が、「おもしろかった~」と、話しながら盛り上がっていました。
ブログ一覧 |
映画 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2013/04/14 01:15:48