2013年05月05日
共同石油ハイオクガソリン「GP1プラス」の思い出
今日のように、販売網であるSSの効率的運営や配送が大事な問題になる前、各社はガソリンの付加価値向上の競争をしていました。
特にハイオクガソリンは収益が高いらしく、各社ともテレビCMを流していました。今では製造が禁止されているMTBEが一般化した時期であり、これを配合する元売りが続出しました。その一番初めが、共同石油、そしてブランドは「GP1プラス(以下、GP1+」でした。
ちなみに、次は確かコスモ石油で、「スーパーマグナム」だったかな?その次が出光で「スーパーゼアス」、日本石油が「ダッシュレーサー100」でした。
その他の元売りはMTBEは配合しなかったと思います。その代わり、シェルは燃焼促進剤であるスパークエイダーを配合していました。三菱石油、九州石油、モービル石油、エッソ石油、ゼネラル石油は不明です。
当時私は自動車部に所属しており、部員の中にはガソリンスタンドでアルバイトをする者も多数いました。共同石油でアルバイトをしていた者が、「GP1+は、匂いが違う!」と言っていました。「パワーも出る!」などと、少々疑問を感じる話題も出ておりました。
私の家の近くには共同石油がなく、なかなかGP1+を入れる機会に恵まれませんでした。3ヶ月ほど経ったある日、学校の近くで入れる機会があり、ようやく試せたのでした。
パワー感は、当然ですが上がることはありません。なにしろ当時の18R-GEUの圧縮比は8.3、点火時期もそのままにしていたので、出力が上がるはずがありません。しかし、違うところが一つありました。スパークプラグの焼け方が違いました。
低速運転が多いためか、接地電極の取り付け部には、いつも黒いカーボンが付着していました。接地電極や中心電極にカーボンが堆積することはありませんでしたので、「まあこんなもんか」と思っていたのですが、GP1+をいれると、そのカーボンがまるで灰のように、白く乾たものになり、なおかつ少しの振動が加わると、剥がれ落ちそうな位、もろい灰になっていました。
実は、灰とカーボンは別物で、灰は燃えない金属系物質、カーボンは文字通り炭素です。そのため、カーボンが焼き切られるということは、カーボンと酸素が結びついて一酸化炭素や二酸化炭素になることなので、灰にはなりません。私の勘違いではあるのですが、GP1+を入れて走行すると、燃焼室がきれいになっていくのではないか、と想像できました。
その後、MTBEには発がん性があることが分かり、製造が禁止されてハイオクガソリンに配合されることはなくなりましたが、スパークプラグが前述のような焼け方になることもなくなりました。
最近、ワコーズのフューエル1が大人気ですが、かつての酸素系化合物を配合したハイオクガソリンは、それ以上の清浄性能を有していたのではないか、と思うのです。
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技術 | クルマ
Posted at
2013/05/05 21:50:41
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