
この前日は、横浜のスルガスピードさんにて、EGRクーラーを製作していただきました。この時期はまだ夏のレーシングECO耐久に出場するつもりでいましたので、車の準備を急いでいました。しかし、祖母や犬の具合が悪くなり、出場を断念したことは当時書きました。
そのEGRクーラーを製作したその足で、ガレージシロクマさんに向かいました。ショックアブソーバー交換、サスペンションスプリング交換、アッパーマウント交換のためです。到着は閉店ギリギリとなってしまい、代車も出払ってしまっておりました。そこでご用意いただいたのが、初代インプレッサのWRXです。
初代インプレッサのスポーツモデルには、WRX、WRX-STi、WRX-RA、WRX-RA STi、WRX-STi タイプRAなど、それはもう色々な種類があります。また、モデルにも1から6.5(?)まであり、もう私には分類不能です。添付した写真の、グリルとヘッドライトがフードで分けられた、後期のモデルです。エンジンはおそらく280馬力、トルクは33.5kgf・mか35kgf・mではなかったでしょうか??なお、ドライバーズコントロールデフは付いていなかったと思います。
エンジン
EJ20KかEJ207エンジンです。DOHCインタークーラーターボエンジンで、当時のエンジンで最大級の出力を誇っていました。EJエンジンはその後も続き、現在でも搭載されています。エンジンは非常に高出力ですが、今日の「ダウンサイジングターボエンジン」とは全く異なる性格が予想されました。
実際にはその通り、低回転域から出力が増す印象ではありませんでした。例えば高いギヤでシフトダウンをしないままアクセルを踏んでいると、最初はほとんど無反応で、しばらく待っていると大きな出力が発生する印象です。街乗りですと、制限速度を超える領域から出力が強まる印象です。そのトルクは非常に高く、3000回転を超えるとあっという間にレッドゾーンに入ってしまいそうになります。
もちろん、速度に合わせた適切なギヤを選んでアクセルを踏むと、全く遅れなく出力が出てきます。また、街乗り等でシフトダウンを怠けて走行したとしても、エンジンが吹け上がりづらいだけで、走れないことはありませんでした。
則ち、低回転時のレスポンスの悪さだけ我慢すれば、全くフレキシブルに使える高出力エンジンと言えます。この低速回転高負荷への対応の良くなさが、大排気量エンジンとの違いであるといえます。しかし、これはギヤの選び方などで十分対応できますので、運転次第でいくらでも対応できると言えます。
ダウンサイジングターボの電光石火のレスポンスも魅力的ですが、これまでの高出力ターボエンジンもなかなかでした。以前の自動車雑誌ですと、「ターボエンジンはレスポンスが」という論調でしたが、そんなことはこのインプレッサについて言えば、全く言えないことがわかりました。
エンジン音は、不等長排気マニホールドゆえ、ドロドロという音が聞こえます。しかし、音は排気管消音ですし、音に同調した振動の類は全くありませんので、不快感はありませんでした。
トランスミッション
俗に「ガラスのMT」と言われるほど壊れやすいMTだそうです。なんでも、レオーネで使っていたものを強化して搭載していたとのことです。最高出力こそ280馬力には耐えていたようですが、トルクの上限は35.5kgf・mではなかったでしょうか?そもそも、初代レガシィの220馬力エンジンですらトランスミッションに対してオーバーパワーと言われたそうですから、280馬力は厳しいでしょうね。
今回の車のMTには、クイックシフトとメタルクラッチが組み込まれているようで、半クラッチは難しく、1速にも入りづらくなってしまっていました。しかし、慣れればどちらもどうということはありません。後の6速MTよりもシフトレバーがしっかりしていて、シフトフィーリングも良好でした。
トランスファーは、ビスカスLSD付き50:50配分方式の4WDです。タイトコーナーブレーキング現象もごく僅かで、4輪がしっかり路面と接している印象が強く、なるほど4輪駆動は泥濘地や雪道で安心して走行できるわけです。
サスペンション
当然強化されておりますので、基準車とは全く異なります。しかし意外に乗り心地が良く、ダンピングも適当でした。どんな振動も一発で収まるダンパーというものは、素晴らしいと思うのでした。
ブレーキ
こちらも変更されているでしょうから、全く参考になりません。制動の掛かり始めも、踏み込んでいる最中もブレーキペダルの踏み応えがしっかりしていて、踏力を調整するだけでいくらでも車輪の状態を調整できるブレーキに仕上がっていました。
ステアリング
グレードによってギヤ比が異なるはずです。ギヤ比は、結構クイックな印象でした。また、意外に切れるステアリングと、軽い操舵力が印象的でした。軽いステアリングでないと、ダート路での素早いカウンターステアなどは出来ないのでしょうね。
ボデー
これも4点式ロールバーが組み込まれていましたので、全く基準車と異なります。路面の突起を乗り越えても、ボデーはミシリともしません。しっかりしているボデーは、むしろ車体の軽さを感じます。
まとめ
実は、MTのターボエンジン車に乗るのは2回目、インプレッサに乗るのは初めて、競技車に乗るのも初めてでした。それまで競技車というと、扱いづらくて速く走らせるのにはテクニックが必要という印象を持っていました。しかし、それはおそらく大昔の、キャブレターエンジンとリーフスプリングによるサスペンションの頃の話なのかもしれません。こんな車でダート路やジムカーナコースを走ると、車を思い思いに走らせられて、さぞかし楽しいことでしょうね。
願わくば、この種の車にもう少し若い時に出会いたかったものです。もちろん、楽しませてもらったお礼に、洗車をしました。なんと、「丸和の土」がたくさん落ちてきました。
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旧型車 | クルマ
Posted at
2013/11/03 22:52:12