東京モーターショー開催に当たり、大阪から東京へと移動して見学をしてまいりました。車両についてはいろいろ興味深いことがありましたが、取り急ぎ、私のブログ恒例「シフトフィーリング調査」を書く事にしました。
日産マーチのニスモ仕様車
3気筒エンジンとCVTで登場したマーチですが、ニスモの手によってホットハッチに仕立て上げられた車です。小ぶりなボデー、使いきれるパワー、MTの設定ありと、嬉しいモデルです。
シフトレバーは比較的長く、床から生えています。シフト方式までは聞きませんでしたが、感じから推してケーブル方式です。シフトレバーの長さとストロークは比例しないことがありますが、このシフトレバーについてはセレクトストローク、シフトストロークとも長く、シフトが完了した状態でもレバーが左右に動く量は多めです。残念ながら、「ただ作った」感が非常に強く、操作する喜びが薄いものでした。
私は出会ったことはないのですが、旧型ノートの1.6リットル車のMTシフトレバーもこのようだったと聞いたことがあります。
特別なモデルなのにこの印象ではがっかりする人も多いであろうと思い、近くにいたメーカーの人にその意見を伝えておきました。
スイフトスポーツ
前回のモーターショーでも試したので、今回は私は試しませんでした。ワイヤー式にしては悪くない印象でした。
マツダアクセラ(エンジン不明)
スカイアクティブドライブMTということで、重さやレバー倒れ角にも配慮して設計した、という、マツダ自慢のMTです。レバー以外に変わった点といえば、たしかリバース専用ギヤを廃止して、内部に逆転機構を持っていると聞いたことがあります。
シフトレバーを1速にシフトすると、レバーが直立ではなくやや前に倒れるため、ノブの位置が運転士から遠くなります。
ニュートラル、2速とシフトすると、ストロークはちょっと長いかな?(修正 ストロークではなく、レバー倒れ角の方が大きすぎるのかもしれません)と思えます。
レバーの倒れ角は良いと思います。
シフトの要求操作力は、思ったよりも大きいです。多くのシフトレバーにおいて、セレクト操作時はバネの反力がかかり、シフト操作時は、レバーやシフトセレクト機構の位置決めチェックボールを動かす反力がかかるものですが、このシフトレバーは全体的にフリクションが大きいかのような、ねっとりとした粘付くような印象を感じます。渋さはないのですが、「はちみつが入った壺に棒を入れてかき回す」ような印象とでも言うのでしょうか。
また、シフトが完了する直前の「チェックボール乗り越え感」がなく、シフト操作の終点がわかりづらいこと、シフト操作時に結構な確率でレバーが引っかかることに難を感じました。
日本導入が始まったばかりの新型MTです。ぜひ、どんどん改良して行って、素晴らしいシフトフィーリングを実現してください。
VWゴルフヴァリアント(R-tune)
輸入車にも3ペダルMTが復活しつつあるのですね。嬉しい限りなのと、日本車は何をしているのだ!という印象に駆られました。
しかし、このシフトレバーには、不快感を感じました。横方向のセレクト操作時はまだ良いのですが、シフト操作をしようとして力を込めると、「何をぐずぐずしているんだ!早くシフト操作をしろ!」とばかりに、強制的にシフト操作を完了させるかのようなバネ力が働き、レバーが強制的にシフトされます。
私は、操作系は運転士の支配下にあるものと考えておりますので、このシフトレバーは全く評価できません。
ホンダ フィット(RS)(写真はありません)
初代の1.5T、二代目のRSに続き、今回のモデルにもRSのMTが設定されました。基本的なシステムは旧型のままと考えられますが、印象は概ねその通りでした。シフト操作をする時に若干引っかかる印象もそのままでした。「もうちょっと、しっとりした印象のシフトを実現されてはいかがでしょうか?」という意見もそのままです。
おまけ
最近、高級車では「シフトレバー」が廃止され、ステアリングコラムスイッチに配置するものが出てきています。電動駆動のAMTが登場している今、緊急時に備えてマニュアルバルブを用意する意義が薄れていますので、レバーを廃止してスイッチにする理由がわからなくもありません。
しかし、センターコンソールの中央にレバーが存在する「安心感」には、計り知れないものがあると思います。また、発進時にレバーを操作するという行為も、「儀式」に近くなっています。何より、これだけデジタル機器の性能が上がりながら、高級時計がLEDで針を描くようになった、などという話は聞いたことがありません。
そんな理由から、「たかがシフトレバー、されどシフトレバー」、この「操作感」については、いつでもうるさく書いていこうと思っております。
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新型車調査 | クルマ
Posted at
2013/11/24 00:01:56