
ベストモータリングという、ビデオマガジンがあったことをご存知でしょうか?そもそもビデオマガジンとは、VHSビデオが普及し始めた1980年代末期に色々発売された、映像媒体の雑誌類です。雑誌はあくまでも静止画と文章ですが、これを映像化することにより、より視聴者に訴えかけられる内容になっています。車以外でも、スポーツやダンス、音楽などでは成立していたような気がします。
この「ベストモータリング」は、そのビデオマガジンの中でも売れ行きがよく、しかも後年まで残った数少ないメディアでした。しかし、2011年頃には事情により廃刊、会社も解散してしまいました。
今回のイベントは、この「ベストモータリング」の創刊に関わった正岡貞雄さんの呼びかけにより、当時のファンとともに車について体験し、語り合う内容となっております。今回は第三回で、中山サーキットの走行と、黒澤元治氏と大井貴之氏の指導と語り付きでした。なお、開催にあたっては、ベストモータリング刊行中に読者コーナーに登場された、波田さんに大変な尽力を頂いたようです。
このイベント、何はなくても足を運ばねば、と思い、土曜日出勤をした上で月曜日を公休日にし、参加しました。今思えば電車で現地に行き、タクシーで会場に向かう方法もあったのですが、レンタカーで向かいました。車種は、スズキのスイフト(デュアルジェットエンジン搭載車)です。この試乗記は、また別のブログに記載致します。
会場に入りますと、もう多くの方が集まっていました。ビデオマガジンの性質上、走りの性能が高い車が中心でした。記憶している中では、トヨタ86、日産スカイライン(ER34)、シルビア(S15)、ホンダNSX、ビート、シビック(EK9、EP3)、インテグラ(DC2)、スバルBRZ、レクサスIS、BMW3クーペです。また、大井さんはお仲間のデカトーさんとともに、S2000でお越しになっていました。やや遅れて黒澤元治さんがお越しになりました。
全員が到着しますと、大井さんとデカトーさん、みんカラユーザーで、現在はタイヤメーカーでテストに関わっているHawk Yamaさん等、講師との走行が行われました。希望によって、講師が参加者の車を運転するか、講師が持ち込んだ車の脇に参加者が乗ることが選べました。レンタカーで参加した私は見るだけですが、それでも十分です。
コースはアップダウンが厳しく、路面も荒れています。特に上り坂はきつく、アンダーパワーの車は2速で吹け上がるのを待っているような状態になったことでしょう。
全員が同乗走行を体験すると、次は黒澤講師により、ベストモータリングの思い出語りと講義が行われました。黒澤さんは天才肌のようで、「ドライビングテクニックなどというものはなく、路面とタイヤの関係をいかに知るかだ。」とおっしゃいます。

ちなみにこの私、同じ会社にいて今は退職している人に、「話を聞いていると、まるで運転を極めたような人に聞こえてくるなあ。」と言われた事があり、いわゆる「空手を通信講座で学ぶ」人です。タイヤと路面の関係はだいたい知ることはできますが、限界近くを維持することがどうも苦手です。
自動車部時代はジムカーナしかしておらず、ジムカーナは意識的に車両の姿勢を乱すことが求められるゆえ、タイヤの限界近くを維持しながら走ることが苦手です。
黒澤講師は、摩擦円を示して解説されましたが、摩擦円が円形状でないことはここで知りました。
この時間に食事を済ませ、黒澤講師は都合によりお帰りになりました。参加者は午後の走行に移りましたが、ここで私は大井さんが運転するS2000の助手席に乗せていただきました。S2000どころか低速高速切り替えVTECエンジンに乗車することも初めてであり、非常に新鮮な体験をしました。
エンジンは、パワーが溢れてくるエンジンというよりは、高回転域までパワーが衰えない状態が続く印象でした。コロナもブルーバードシルフィも最大トルクを越えたあたりから上の回転数では著しくパワーが低下し、高回転はただ回るだけ、といった印象であるのとは全く性格が異なります。
この同乗はコースクリア走行であり、大井さんはそれほど攻めている感じではありませんでしたが、それでも素晴らしい横Gを感じさせました。コースクリア走行であったためか、「2速にしないのかな?」と思える場所でも3速で走行されていました。コーナーは、進入こそ速度を落としていましたが、コーナーの頂点を越える手前からアクセルを大きく踏み始め、LSDの効果を十分に使って加速して抜けている印象でした。コロナでも希に感じるのですが、後輪がコーナーを回り込むような感じで走っていきます。車両の前輪のグリップ力が高いためか、プッシングアンダーもなく走り抜けていきます。摩擦円の存在を強く感じさせるコロナやブルーバードシルフィとは全く違います。
2周の周回を終え、私は降車しました。以後は、参加者による走行が行われました。私は見ているだけでしたが、波田さんたちの見事な進行により、参加者は退屈も疲れも感じず、コース上に車がないような無駄な時間もなく、進められました。
サーキットでの1次会が終わると、希望者がファミリーレストランに集まって2次会が行われました。この、車を題材にして話をする、というのがこれまた楽しい時間です。ここで2時間弱を過ごして解散、帰途につきました。心地よい疲労感と、お金を払っただけでは決して得られない貴重な時間を過ごすことができました。
シビックtypeR(EP3)のシフトフィーリングについて
今回の参加者である、イワタカズマさんのシビックtypeRの運転席に座らせてもらい、シフトフィーリングを試させてもらいましたので、そのインプレッションも書きます。イワタカズマさんへ感謝をしつつ、感じたことを正直に書く事にします。
シビックtypeR(EP3)は、当時流行していたインパネシフトです。レバーの根元が、ちょうどプリウス(NHW20)と同じ場所にあり、トランスミッションにはシフト、セレクトケーブルで連結されています。ノブの位置は、ステアリングホイールから手を離してすぐの場所にあります。代々インパネとセンターコンソールとを連結しておらず、ミニバン的ボデーを取り入れたこのシビックでは、良好な位置関係になっています。
一般的なケーブル式シフトは、操作時に床に「ガコガコ」と振動が伝わって嫌な印象があるものですが、それがありませんでした。レバー自体は、ニュートラルでもシフトしても同じ分量だけ、若干の遊びが感じられました。トヨタのものなどはケーブル式でももう少し遊びが少ないので、もう少し頑張って欲しいところでした。
シフトストロークは標準的で、レバーの倒れ角は思っていた程大きくありません。ただし、一般的なレバー床配置方式のものと比べると大きかったかもしれません。セレクトストロークは少ないのですが、セレクト操作時のレバー倒れ角は結構あったように記憶しています。
シフトレバーASSYはインパネ金属部にマウントされているのでしょうが、取り付け剛性としては床マウント方式と比較すると、やはり若干の位相変化は感じてしまいます。
イワタさん、勝手なことばかり書いてすみません。
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会合 | クルマ
Posted at
2014/04/13 17:47:47