2014年09月08日
避難する気持ちを邪魔する「正常性バイアス」なるものを知る
男子が高いところに登ったりしているところを、女子が「危ないからやめなよ~。」とやめさせようとする風景は、おそらく太古の昔から変わらないものなのでしょうね。男性が攻める性なら、女性は守る性、男性の性質はフロンティアスピリットにつながりますが、時には命を縮めることになりかねません。
先週の「新.情報7daysニュースキャスター」では、災害からの避難を邪魔する人間の性質についてレポートしていました。
人間には、「不安定な概況」から自分の心を守るべく、日常と異なることが起こったとしてもそれを日常とは大して変わらないと思うようにする性質があるのだそうです。これを「正常性バイアス」と呼び、多かれ少なかれ人間にある性質とのことです。
このコーナーでは、実験も行われました。被験者は部屋に呼ばれて、新聞などを見ながら過ごしてもらいます。そんな状況で、「非常ベル」の音を鳴らします。さらに部屋に入る扉の隙間から、「焦げ臭いにおいがする煙」を吹き込むのです。
一人ずつの実験では、3人中1人が避難せず、部屋にとどまっていました。2人も非常ベルでは逃げ出さず、煙がかなり充満してから逃げていました。
また、3人1組の実験では、多少言葉を交わすものの結局避難しませんでした。
実験後のインタビューにて、逃げなかった一人はこう言っていました。
「「ベルは鳴ったけど、誰か何とかするだろう、まあ、大丈夫かな」って思っていました。」
3人1組の場合はこうです。
「ちょっと話したけど、みんな逃げようとしないし、自分だけ逃げるのもな、って思いました。」
この、何か起こっているのはわかっているものの、「自分は大丈夫だろう」「誰かが何とかするだろう」「大したことないだろう」と考えてしまい、その場での判断を見送ってしまうのが「正常性バイアス」です。
もちろん判断をしたその時は、本当の最期を迎えるときまでまだまだ余裕がある時でしょう。しかし、いざ本当に危なくなった時には、避難路が火の海だったり煙が通路を覆って避難が困難になっていたりするものです。
私は、実はこのように「じっくり足を地につけて、それこそ「動かざること山のごとし」とするのは、大人の男性として当然のことだろうと思っていました。もっとお年寄りなら、「昔、B29が雨のように焼夷弾を落としたことと比べると、台風は何でもない。」と言っているところでしょう。
しかし、その「多少のことには~」が、実は「正常性バイアス」という、緊急時の人間の心理だったとするならば、何の意味もありません。わざわざ危なくなってから避難する必要もありませんし、そんな姿を尊敬する人もいないことでしょう。
これから台風などの災害の季節になります。「正常性バイアス」を「大人の男の~」などと言っておらず、緊急時にはさっさと非難することを心がけましょう!
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Posted at
2014/09/10 01:43:47
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