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2014年06月21日

日産 スカイライン(200GT-t 2000ccターボエンジン搭載車) 試乗

日産 スカイライン(200GT-t 2000ccターボエンジン搭載車) 試乗  本当は、この前の週のスカイライン(ハイブリッド)に試乗した日にもこのターボエンジン搭載車に試乗しているのですが、帰省した折に改めて試乗してまいりました。



このモデルについて書いてある記事では、概ね次の点を視点としているようです。

・エンジンとトランスミッションがダイムラー製であること
 国産の歴史ある車に、他国のエンジンとトランスミッションを搭載して良いのか、という視点。ベンツ用は成層燃焼(希薄燃焼)をしているが、スカイライン用はしていない、ということも書かれていることが多いようです。

・4気筒ターボエンジンは、R30型以来であること
 R30はスポーツグレードでしたが、この車は以前のV6エンジンを置き換えたものであり、歴史の上でも繋がりはありません。


このブログでは、純粋に一つの車として書いております。

エンジン



 上記のとおり、ダイムラー製の4気筒筒内噴射ガソリンターボエンジンです。筒内噴射と過給器との利点として、前回の燃焼によって発生した排気ガスを過給気によってシリンダー内から掃気し、十分掃気してから燃料を噴射出来ることがあります。このため、高出力運転時なのでは、不要な排気ガスが残りにくいこと、吹き抜ける燃料、則ちハイドロカーボンの量が少なくなることなどが特色です。

 エンジンは最近の4気筒エンジンらしく、アイドル時にはやや軽い「カラカラ」というタペットノイズを伴うものです。空吹かし時はもちろんのこと、走行時も吹け上がりの軽さを感じます。また、過給圧が高まらない2000回転までの領域でも、それほど力不足を感じないのもこのエンジンの特徴です。同じ日産の、現在のMR20DDエンジン程ではないものの、SR20DEよりも軽快かつ力強さを感じます。

過給圧は2000回転を上回る頃から本格的に上がってきます。この領域では、床下から伝わってくるような「ドゥルルル」という4気筒らしい振動と音が感じられ、出力が急激に高まります。とは言ってもかつてのターボエンジンに付きものであった「ターボラグ」とは異なり、アクセルペダルの操作量に応じた、自然な印象です。



この出力の高まり方に期待してさらにアクセルペダルを踏み続けていても、その後の出力の高まりは頭打ちになり、加速度の変化率はおとなしく、なんとなく「出力一定」でトルクが減らされている印象です。そのとおり、いわゆるダウンサイジングターボエンジンは、ある一定程度以上の回転域では過給圧を落とし、出力の高まりを規制しています。その一方でピストンやコンロッドなどの回転運動部の強度を落として軽くしていることが特徴となっています。

そのため、スポーツエンジンのような爽快感はなく、どちらかというとディーゼルエンジンのような出力特性となっています。ターボエンジンというとスポーツカーのようなエンジンを思い浮かべる人はまだまだたくさんいると思いますが、スポーティーでもなければ怒涛の出力もなく、いわば産業用エンジンのように黙々と働くエンジンに近い印象です。後述するトランスミッションの変速感と相まって、「あまり回したくないエンジンなんだな。」ということが伺われます。

エンジンは加速するときに失われる損失がかなり有り、なるべく回転を上げずにシフトアップをして、その分アクセルペダルを踏み込んで「ポンピングロス」を減らすことが命題になっています。かつての高回転高出力エンジン車にお乗りの皆さん、安易な買い替えは考えましょう。

トランスミッション
 ハイブリッドとスペック上は同じ、7速有段ATが組み合わされています。とは言ってもこちらもダイムラー製です。

これまでのATは、アクセルペダルを踏み込んでいる際には変速を規制し、高回転域まで同じ段を保持、アクセルペダルを戻したり、定速走行に移行するとシフトアップをするような設計がなされてきました。MTにおける変速を盛り込んだためです。

しかしこのATは、これまでの常識とは異なった変速をします。則ち、アクセルペダルを踏んで加速している時にはある程度変速が規制されて過給領域まで段を固定するものの、過給領域に入りつつどんどんシフトアップ、あっという間にその時のトップギヤへ移行します。一方、アクセルペダルを戻すと段がその時の位置で固定されるようで、エンジンブレーキが効きます。

これまでのATとはかなり異なる印象で、慣れるまでに時間を要しました。(といっても、試乗中に慣れましたが。)

サスペンション
 基本形式は同じですが、4気筒エンジン、しかもハイブリッドシステムがないことから、乗り心地はかなり軽快になっています。



ハイブリッドが重いものが揺れている印象であるところ、この車は軽くいなす印象で、同じ車ながら別の車のようです。これまでの「高級車」の印象はなく、大昔の4気筒の普通の車の印象です。なんだか懐かしいものでした。

いわゆる「揺られ感」という乗り心地の意味では、ハイブリッドの方が高級感を感じることでしょう。

ブレーキ
 ハイブリッドが「モーターによる完全油圧電子制御」であり、ペダルの踏み応えは演出であるのに対し、こちらはコンベンショナルな油圧+真空サーボを採用しています。ハイブリッドは床でも踏んでいるような、演出された「当たり」を感じるのに対し、こちらは普通の車と同様の、踏み増しが自然に出来る印象のブレーキになっています。

ステアリング
 こちらは今のところ、電動?油圧パワーステアリングが採用されています。もはや油圧パワーステアリングはやや時代遅れなのですが、自然な介助感は熟成の域に入っています。ハイブリッドの「ステアバイワイヤー」方式も、転舵状態で加速しなければ違和感を感じないだけに、電動機構のパワーステアリングも、あるいは悪くないな、と感じるのでした。

なお、それほど遠くない時期にターボエンジン車にもステアバイワイヤーが採用されるそうですが、5万円以上価格が異なるのなら、この油圧方式で十分です。

ボデー
 ハイブリッドと同様です。剛性が非常に高く、乗り心地の点でも操舵時の反応性にも、非常に良く効いています。電池置き場の都合でリヤバルクヘッドには十分な補強材を与えられていないでしょうが、それでも十分な剛性です。



なお、内外装の点でハイブリッドとターボはほぼ並列になっており、廉価版の印象は全くありません。

まとめ
 ダウンサイジング過給エンジンは、特性上ではN ONEが、スーパーチャージャーではノートが、販売戦略上ではレヴォーグが、実際上ではこのスカイラインが第一号になりました。無加給領域のかったるさを感じさせないこのエンジンは成功しており、大きな車体を軽快に走らせます。しかし、スカイラインほどのボデーは、実は多くの人にとっては持て余すものです。G10のブルーバードシルフィ程度の車体に戻すのが本当に必要なダウンサイジングであり、なんだかメーカーの欺瞞を感じてしまうのです。

そんなこともあり、車としてはなかなか獰猛なエンジン音、軽快な運動性能と褒められはするのですが、ATの変速特性と車体の大きさと価格に疑問を感じ、両手を挙げて賛成ができないのです。また、この種の車としてはエンジン音も重要な点でしょうから、6気筒のなめらかさを高級と感じる人にはあまり勧められません。くれぐれも、「実用エンジン」であることを肝に銘じてください。

参照して欲しい記事
スカイライン(ハイブリッド)
その他の同クラスの車は、ハイブリッドの記事からリンクされています。
ブログ一覧 | 試乗 | クルマ
Posted at 2014/09/21 18:53:30

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