2016年08月08日
2016年夏期テレビドラマ、中間感想
夏期のドラマは、通例では概ね9月中旬まで続くことになっています。ところが、予想に反してもとより全話期間を短くしていた作品もあるようです。オリンピックや甲子園ニュースに視聴率を奪われたり、それらを放送する時間に時間を充当する目的でしょうか?私の方も仕事との両立(?)をしなければなりませんので、いくつが挫折することにしました。また、すぐには挫折しなくても、自分を楽にさせるために、挫折候補を用意しております。
月曜日
21:00~「好きな人がいること」桐谷美玲/フジテレビ
この作品は、挫折してしまいました。挫折を決心したのは、良い年をした二人の、情けないシーンがあったためです。
第三話位で、桐谷美玲と彼女がお気に入りの男性レストラン経営者とで、営業時間が終了した水族館へと侵入、誰もいない水族館でデート気分を味わい、それを発見したガードマンから二人で逃げる、という展開でした。そのシーンには、爽やかな音楽が使われ、まるで、「二人の楽しい逃避行」とでもいいだけでした。
桐谷美玲演じる女の設定年齢が27歳、相手の男性は29歳でしょうか?30歳に近いのに、不法侵入?被さる音楽の爽やかさに、演出側の「恋人たちのために世界はある」という表現に呆れてしまいました。
太陽にほえろ!では、マカロニ、ジーパン、テキサスと、30歳にもならない若さで死んで行きました。300話の「男たちの詩」で、ボスが彼らを振り返ります。街の平和を守るために死んだ刑事さん、そして現代は二人のためなら誰に迷惑をかけても良い?もう「情けなくって、涙出てくらぁ!」です。
火曜日
22:00~「せいせいするほど、愛してる」武井咲/TBS
これは第一話で挫折しています。録画装置があるゆえ、フジテレビの「ON」を録画してこちらを見る方法もありますが、そこまでして見る作品ではありませんでした。
ティファニーに広報のお仕事という設定の旧態依然もさる事ながら、ポジティブシンキングな主人公がうるさくてね。昨年の「ホテルコンシェルジュ」の西内まりやもそうでしたが、ポジティブキャラクターは、単調なのです。少年ジャンプでもあるまいし、視聴者は「いつでもポジティブキャラクター」を卒業してテレビドラマを見るようになったのですから、これではついて行きません。「ホテルコンシェルジュ」の反省をしていないことが明らかです。
22:00~「家売るオンナ」北川景子/日本テレビ
この作品は挫折しているのですが、一回だけ都合により観ました。まあ、主人公側に「家政婦のミタ」同様の影があることはわかるのですが、まあ、どうでも良いことです。
そんなことより、この作品もそうなのですが、まるでアスペルガー症候群のような性格の主人公はやめてもらいたいものです。若年者がこの作品を見たら、こういう感じで振舞うことが格好良いと焼きつけられてしまいます。
22:00~「営業部長 吉良奈津子」松嶋菜々子/フジテレビ
これは挫折候補作品です。このドラマ、全く見所がないのですよ。クライマックスもなし。まるでNHK教育の子供向けお仕事もの社会科番組を見せられているような気分です。「はたらくおじさん(ひとたち)」などです。
余談ですが、「はたらくおじさん」が「はたらくひとたち」に変わったのは、女性から苦情が来たためだそうです。たんちゃんとペロは、そのまま続投だったかな?
余談ついでに、私は「はたらくおじさん」よりももう一学年下級生向けの、「ヌーくんとピコちゃん」が案内役だった方が好きでした。雪だるま体型のヌーくんのヌ~っとした雰囲気が好きで、今でも少しとろそうな男性と会うと、心の中で「あ、ヌーくんだ!」と、チャカチャカ落ち着かない女性と会うと「あ、ピコちゃんだ!」思えてしまいます。
そんなこんなで、広告代理店の営業活動が描かれます。先々週は「2000万円の契約を取って、2億円の契約をふいにする」展開、先週は「怒ったクライアントをなだめる接待」が主題でした。盛り上がりがないので、眠くなってしまいます。もっと「個性豊かな会社のお荷物が集まったタコ部屋部署」にして、「変人たちに仕事のやる気を出させ、成功へ導く話」にすれば楽しめたのでしょうが、これでは社会科番組です。
それに保険をかけたのか、主人公の家庭の家政婦とのひと悶着という余計な要素が組み込まれており、脚本が分散してしまっています。面白くありません。井上由美子という方が脚本のようですが、過去の作品も、粒が小さいなあ。ちょうど、ドラマがどんどん面白くなくなっていた時期をになっている人です。
23:59~「遺産相続弁護士 柿崎真一」三上博史/読売テレビ・日テレ系
やはりごちゃごちゃした脚本と演出がアダになり、見続けることに苦痛を感じてしまいました。所々に挿入されているギャグが、話の展開を阻害しています。ギャグはあくまでもスパイスですから、小出ししなければなりません。スパイスだけの料理はありません。
金曜日
22:00~「神の舌を持つ男」向井理/TBS
これも挫折候補です。堤幸彦氏が作る話は、整理されていないので飽きてしまうのですよね。当初ギャグばかりであったのに、そろそろギャグはネタ切れのようです。上で言ったとおり、ギャグ箱出しでなければなりません。
全体的に精神分裂病を起こしてしまいそうな作風で、テーマなどは不在です。どうやら春季に撮影をしたようで、今更作風の変更は出来ないはずです。作風が変わったということは、すなわち全体のストーリーボードを決めていなかったということ。これじゃあ、見ている方は置いてけ堀ですよ。堤幸彦氏が才能切れと言われる所以です。
23:15~「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」剛力彩芽/テレビ朝日
早くも作風が「美味しんぼ」調となっています。料理は食べる人の心を変える、というアレです。つまらない脚本だなあ。これもまた主人公がアスペルガー調であり、変です。
土曜日
21:00~「時をかける少女」黒島結菜/日本テレビ
最終回は、まだ見ておりません。さわやかな学園もので、最終回も予告を見る限りは、タイムスリップ物ならではの、物悲しい別れに終わりそうです。
この話は、もっと膨らませそうですね。今回は短い期間で終わってしまいましたが、また力がある脚本家に書いて欲しい作品です。
日曜日
各局とも日曜日にドラマを設定するようになりました。しかし、この時間帯はこれまで録画しておいた作品を見る時間帯に当てており、大変見づらいです。
21:00~「仰げば尊し」寺尾聰/TBS
寺尾聰演じる教師が、人間としての器が大きく、物静かな演技が光っています。お話はよくあるヤンキー生徒更生ものではあり、ストーリーも整理されているとは言えませんが、クライマックスがあり、見終わって心温まる印象です。満足感が高いドラマですね。1話は見忘れ、2話はまだ録画したままです。どうやら、吹奏楽部を舞台にした「スクール・ウォーズ」のようです。面白そうな、それでいて感動できそうなドラマゆえ、見ると思います。
そのため、
21:00~「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」中島裕翔/フジテレビ
は、挫折に追い込まれました。ゆとり世代は未完成のまま世の中に放り出されておりますので、これこそ「更生」が必要です。対人スキルが幼稚なので、まるでアスペルガーなのですよ。
22:30~「そして誰もいなくなった」藤原竜也/日本テレビ
あ、録画のみです。
毎年夏はつまらないドラマばかりなのですが、今年は案外見られます。毎度書き続けていることですが、脚本家の力不足を強く感じます。ずっと書き続けていた作家さえ、腕の低下を感じさせます。もうちょっと、「見どころ」や「クライマックス」「テーマ」を意識しながら作品を書いてみませんか?
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テレビドラマ感想批評 | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2016/08/08 22:41:41
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