
今期は時間のやりくりや録画装置の駆使、ながら視聴などにより、6本のドラマを見ることが出来ました。しかし、「夏枯れ」の季節です。案の定、面白くなかったのですが、1回以上視聴した作品は感想を述べます。
放送開始時評価と
中間評価もご覧頂けると幸いです。
月曜日
21:00~「好きな人がいること」桐谷美玲/フジテレビ
3話で挫折して以降、視聴しておりません。主人公二人が、営業時間終了後の水族館に侵入デートをした回です。今や少なくなった恋愛もの枠ですが、私には「私たちが幸せなら、周りの人にどんなに迷惑をかけても構わない。」という、声にならない声を感じてしまったことが一番のマイナスでした。こういう感覚の人は、少なからずいます。
「キュン」するのは勝手ですが、私なら水族館のガードマンのその後の方が気になってしまいます。もしかしたら、勤めていた会社をクビになり、ようやく見つけた仕事が水族館のガードマン、不法侵入者の責任を取らされて辞めさせられ、家には病気がちの妻と子供が、、、と思えてしまうのです。
「キュン派御用達ドラマ」を担っており、老若男女とも「キュン」は自然な感情ですから、構わないことは構わないのですが、せめて20歳代前半までのお話にして欲しかったです。挫折時に書いたように、「マカロニ、ジーパン、テキサス」の各刑事は、街の平和を守るために30歳にもならない若さで死んでいったわけですから、20歳代後半になったら、世の中を作るために働いて欲しいのです。
ストーリーも起承転結がほとんどなく、のんべんだらりと描いていることに退屈を感じました。朝日新聞に掲載されたプロデューサーへのインタビューによると、この作風が若者に寄り添ったストーリー展開なのだそうですが、非常に退屈でした。
火曜日
22:00~「せいせいするほど、愛してる」武井咲/TBS
一話で挫折したままです。意見も当時と変わらないのですが、結果として下記の「ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」に打ち勝っていました。其の辺の事情は、関テレとTBSの制作力の差なのでしょうかね。
22:00~「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」波瑠/関西テレビ・フジ系
第一話で面白く、急激に質が低下し、最後の二話は気違い並みのストーリー展開だった、今期最も裏切られた作品です。心療内科医が出てくる刑事ものは、その多くが気違いストーリーになってしまうようです。「気違い」という言葉は放送禁止用語らしいですが、誰もがその言葉が意味することは知っています。そういう登場人物やストーリー展開を見せ続けられると、自分も気違いになってしまう本能が働くからなのでしょうかね。途中で挫折する人が多かったのでしょう。
期間中の感想にも書きましたが、アスペルガー障害を思わせる登場人物は、もうやめることです。ドラマ「ガリレオ」などから本格化し、特殊な性格を前面に打ち出せるので、漫画なのでは常套化してしまった手法です。しかし、公共の電波に乗る作品では、そういう部分は隠したほうが、多くの人が楽しく視聴できるのではないでしょうか。
水曜日
22:00~「家売るオンナ」北川景子/日本テレビ
この作品も、おかしな主人公の作品でした。途中数回ほど見たのですが、主人公の変ちくりんなキャラクターや台詞回しだけが印象に残ってしまい、少しも心に響いてきませんでした。どんな人が見ていたのでしょうね。「家政婦のミタ」を見る感覚で見ていたのかもしれませんが、「次回はどうなるんだ?」という気持ちを視聴者に植えつけるだけの、ドラえもんの劇中作「ライオン仮面、オシシ仮面、オカメ仮面」のような作品だったと言えます。
深夜「死幣 -DEATH CASH-」松井珠理奈/TBS
これは面白かったです。特に目新しい手法はありませんでしたが、死幣が生まれた背景などの説明が比較的ていねいで、世界観を十分に感じました。再編集をして2時間ものにしても良さそうです。
木曜日
22:00~「営業部長 吉良奈津子」松嶋菜々子/フジテレビ
まだ最終回を迎えていませんが、もはや最終回がどうであろうと、評価は定まっています。すっきりしない脚本に、イマイチ安定しない人物設定ばかりが目立ってしまいました。女性脚本家は、その脚本を仕上げるために、仲間?協力者、座談会参加者?を募るという話を聞いたことがありますが、そこで集まった、働く女性にありがちな雑多な出来事を全てつぎ込んだような印象です。
すなわち、
協力者「井上先生(脚本家)、この前の回で私が話した出来事を書いてくださったんですね。ありがとうございます。」
井上「いえいえ、また協力してね!」
協力者「はーい」
と、井上先生と協力者が満足するだけの作品であったような気がするのです。そのため、部下の性格はバラバラ、夫の浮気も不要なストーリーになってしまっています。
それと、これは「好きな人がいること」にも共通することですが、この吉良奈津子からも「ミーイズム」を強く感じました。15日の回では、「私は、(キラキラした私であるために)働いていたいの。」と姑に言うシーンがあります。またまたで恐縮ですが、「マカロニやジーパンやテキサス」が街を守るために働いていたのに対し、吉良奈津子は「私を前面に押し出すために働」いていたのでした。なんともまあ、その姿を見せ付けられる方にとっては、複雑な心境です。
余談ですが、吉良夫が行っていたセリフ「奈津子が自分や息子を見てくれていないから、自分は浮気をしたんだ。」は、1970年代の昼ドラマで、専業主婦が学校の先生などと浮気、それを知った旦那に言っていたセリフそのものです。。。。
23:59~「遺産相続弁護士 柿崎真一」三上博史/読売テレビ・日テレ系
この作品も、2話程度で挫折したままでした。怪作と評価してやまない「私立探偵濱マイク」を彷彿とさせる作品でした。
金曜日
22:00~「神の舌を持つ男」向井理/TBS
この作品は、堤幸彦氏の自己満足作品です。それこそアニメ「パタリロ」などと同じような、見ていると精神分裂病にでもなりそうな、ストーリの連続性を無視した作品です。全域ギャグ作品が受ける時代でもないでしょう。
23:15~「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」剛力彩芽/テレビ朝日
見ても感想が湧いてこない、薄いストーリーの作品でした。剛力彩芽演じる主人公が、これまtアスペルガー気味であり、感情移入をすることは不可能でした。脚本も、起こっている事実(もちろん、フィクションの出来事ですので、現実には起こっていません。)を眺めるのみで、登場人物の心理描写にかけておりました。放送開始時にも書きましたが、このドラマ枠の今後が心配になります。
土曜日
21:00~「時をかける少女」黒島結菜/日本テレビ
これは、主人公の女性の好き嫌いが分かれそうですが、そんなに悪くありませんでした。高校生らしい爽やかさが出てはいましたが、ストーリーが良くなかった。オリジナルの「時をかける少女」もこんな感じなのでしょうか?細かい周期で時間を行き来し、細かい出来事を修正するような、スケールが小さいお話なのでしょうか?
私は、一度昔にタイムスリップし、その時期に起こった出来事を修正、その時代の子に「残ってくれ」と言われ、後ろ髪を引かれながらも元の時代に戻る」主人公のお話だと思っていました。
それに、最近の日本テレビの作風とでも言える、「ごちゃっとしていてテーマが不在」な脚本も気になりました。
「ラストコップ」
オリンピック終了後のこの枠で、秋期作品に先行して3回ほど放送されています。昨年6月にスペシャル版が放送されています。
これも上記「最近の日本テレビらしい、ごちゃっとしたストーリー展開」が全面に現れており、精神分裂病になりそうです。おまけに、ニコニコ動画のように画面に誰の声かわからないコメントを入れるような、演出上の遊びがふんだんに散りばめられており、見ていて疲れます。
10年くらい前の女子高校生をして「まぢ、超ウケるんだけど。」とれも言わしめるような演出です。もうそういう高校生はいませんし、全盛期フジテレビドラマの劣化コピー作風に見えてしまうのです。
23:15~「ノンママ白書」
この、レストラン?内で、女性三人がいろいろ話し合う風景は一体何なのでしょう?その昔の、もたいまさこ氏が出ていた深夜ドラマの「やっぱり猫が好き」の現代版でしょうか?広告代理店が舞台という古さも手伝い、見ていてなんの感動も感心もありません。
日曜日
21:00~「仰げば尊し」寺尾聰/TBS
悪くない、しかし古い、という言葉につきます。どうして部活ものは「不良少年の説得」に時間を割くのでしょうかね。その点で、もう1990年代末期の不良ものドラマに見えてしまいます。もっともオリジナルは「スクールウォーズ」でしょうが、「スクールウォーズ」の方は、梅宮辰夫演じる中華料店主や、坂上二郎演じる工務店社長、学校長などの脇役にも焦点が当てられ、非常に味わい深いストーリー展開がなされますが、この作品は「上手に演奏したい、先生を全国大会に連れて行きたい」と、ここでも「ミーイズム」全開です。
最後は、高畑問題に揺れたのか、話が急加速、その上で尻切れトンボに終わってしまった印象です。
22:30~「そして誰もいなくなった」藤原竜也/日本テレビ
第一話を見忘れた私がいけないのですが、ストーリーへの感情移入がさっぱりでした。日本テレビ脚本の「ごちゃっとしたストーリー」が、前面に出ております。やたらと浮世離れした設定、展開もそれを手伝い、見ていても画面に引き込まれないのです。この時間の作風なのかもしれませんが、もう少し普通の場面設定のドラマにされたほうが良いのではないでしょうか?