
ついに2017年度の東武鉄道のダイヤ改正が発表されました。2003年に東京メトロ半蔵門線との直通運転を開始、2006年には地上(浅草行、伊勢崎や新栃木行)などの路線中心の中距離運転から、地下鉄乗り入れ車を中心とした、都心から30km圏を重点にしたダイヤへと舵を切り、近郊電車から都市交通線へと性格を変え始めました。
そして2017年、昭和39年以来運行されていた、東武日光線を走る「乗車券のみで特急電車並みに速度を上げる「快速電車」」が運転を終了します。快速電車は浅草駅を発車後、北千住、春日部、東武動物公園、板倉東洋大前(以前は停車せず)、新大平下、栃木、新栃木、新鹿沼、下今市、東武日光または東武鬼怒川線方面へと運転をしておりました。
停車駅が少なく、特急電車と遜色が少ないことから、観光客はもちろんのこと、朝の上りは学生、行商のおばさん、下町の工場で働くおじさんが多数乗車しておりました。休日の下りは、特急ほどの快適性はいらない観光客や、栃木から買い物に出てきた人で満員になっていました。
時は流れ、従来は日光付近まで無停車だった特急電車が、上記の快速電車停車駅の多くに停車するようになりました。特急電車の観光列車から都市間連絡列車への変更です。一方、東武日光線とほぼ並行しているJR東日本の東北線電車は、新宿や東京まで乗り入れるようになりました。また、着席整理券によるグリーン車も連結しております。ビジネス客は、宇都宮まででも新幹線を利用して、「時は金なり」とばかりに特急券にお金を払って移動しています。行商のおばさんが運んでいた野菜はトラックが運ぶようになりました。下町の工場は郊外や国外へ転出、毎朝長距離にわたって通勤する人が減少しました。また、その子供たちは都会に仕事がある場合には都会に移り住み、田舎(失礼)にも、だいぶお店や工場が出来て、仕事も買い物もある程度地元で出来るようになりました。長距離通勤の減少です。
そして、定期券による利用客の減少と、長距離移動の場合には特急券を購入することが普通の感覚になってきたことにより、ついに「無料快速電車の有料特急電車への格上げ」が行われました。快速電車廃止にともなう、田舎(失礼)の移動手段の確保は、従来の快速電車と概ね同じ停車駅の「途中駅発の急行電車」が担うことになりました。すなわち、特急電車を除いて田舎(失礼)と都会が運転系統を分断することになったのです。
これまでサービス業は「誰にでもサービス向上」が当然でしたが、これからの時代は「お金を余分に払ってくれる人にはサービスするけれど、そうでない人へのサービスは徐々に低下」することが当然になってきそうです。また、快速電車の役を担っていた、「6000系」これを更新した「6050系」は重厚な乗り心地で、気持ちが良い電車だったのですが、これも徐々に廃車の可能性があります。慣れ親しんだ車両だけに、残念でなりません。
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鉄道 | ビジネス/学習
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2017/03/06 01:06:37