
先日のトレンディドラマを振り返ったブログを考える中で、「松下由樹さん」の活躍のされ方が、ずいぶん特徴的だな、と感じました。
1989年以前
主役が1989年の「オイシーのが好き」ですが、その前はCM活動を中心にされていたと思います。今ではなくなってしまいましたが、この頃はCMだけを中心に活動される方が多数いました。
1987年には、ヤマハの「ショルキー」というショルダーキーボードのCMに出演していました。
軽快に踊る様子や、足を高く上げるアクションを見せ、最後はもっと背が高い男性と手を取り合って歩いていきます。男性の身長を平均的と考えていたことや、小柄な方ならではの軽快な動きから、松下さんは150cm台の小柄な方だと思っていました。
ところが、当時大柄な女性芸能人が少なかったこともあり、168cmという長身ぶりには驚かされました。隣にいた男性は、190cm台だったと記憶しています。
続いて、ゼロックスの「写楽」というハンディスキャナー&プリンターのCMに出演されます。
パソコンで自由に写真処理が可能になった現在では過去の製品になってしまいましたが、この機械で写真をスキャンし、他の紙にこすりつけると印刷出来るというものです。しかしこの人、本当に松下由樹さんでしょうか?顎や頬の感じが別人のように見えます。。。
このCMでは、バブルの「ワンレン・ボディコン」の前のブームだった、ショートヘアにボディラインが出るスーツ姿の「キャリアウーマン」スタイルで出演される版と、浅香唯さんないしはプリンセスプリンセスの奥居香さんかと思えるような化粧で出演されています。
特に「キャリアウーマン」スタイルは、決まっていますねえ~。荻野目洋子さんや長山洋子さんとともに、ショートヘアが似合っています。
そんな彼女がドラマに初主演するということで、期待を持って受け入れられた作品が「オイシーのが好き」でした。
CMの雰囲気とはずいぶん異なり、キャリアウーマンらしさは全くなくなり、ボーイッシュさと幼さが強調された役柄でした。ところどころ、もう少し前に活動を始められていた、松居直美さんにも似た雰囲気を感じます。
満員電車のオープニングシーンでは、こんなマンガっぽい表情になります。
今日もいきいき通勤!、と、お仕事ドラマの主人公のような表情です。
苗字に「松」が付く方が多く、名前を覚えられませんでしたよ。
「オイシーのが好き」は、主人公のアフターファイブ活動やお気楽ぶりが「バブル期」を感じさせますが、新人活動/成長もの作品の側面が強く、さっぱりとしているところとフレッシュな感じから、周囲でも見ている人は多かったです。
1990年には、「想い出に変わるまで」という作品で、今井美樹さん演じる主人公の妹として出演されます。最後は姉の婚約者を略奪する「憎まれ役」を演じていました。当時話題になったそうですが、私は見ていたかいなかったか、見ていても印象は薄かったかもしれません。
その後も主演や脇役が続きますが、私の印象に出てくるのは、以前書いたことがある「
君といた夏」の、研究室助手役です。脇役ですが、主人公の心に深く影響を及ぼす重要な役で、別学部の私たちには、「○○学科はうらやましいなあ。」と、現実と架空を取り違えた羨望の思いを抱かせるのでした。
同じ年の末には、「29歳のクリスマス」にも出演されます。主演の一人ですが、暗く薄幸な感じが印象的でした。実は、私の中で「29歳のクリスマス」と、後年の「ハッピーマニア」(フジ、主演藤原紀香、稲森いずみ)と混同されておりました。「29歳」はシリアスなドラマで、「ハッピー」はコミカルな雰囲気でした。
1995年は、松下さんのプライベートの方でいろいろ揉め事があったようで、活動をされていませんでした。
翌1996年になると、「オイシーのが好き」以来の新たな側面を引き出した、「ナースのお仕事」が始まりました。後輩役の観月ありささんを厳しくも優しく指導する先輩役で、「あーさーくーらー」と、呼び捨てで呼ぶ掛け合いが見事な作品でした。
この作品で、「先輩役」が板についてきました。暗い作品が続いてきた中で明るい役柄を見せられ、安心した記憶があります。
この作品は2000年代始めまで続きました。2000年代始めからは、「ココリコミラクルタイプ」というバラエティ番組に出演されます。中ではドリフのように作りこまれたコントが繰り広げられますが、彼女の役は「面倒な先輩・お局」がほとんどで、しかも当時のヤンキー高校生のように口が悪い悪い。女優なのにコントに出演されることも含め、新たな魅力が出てきました。
余談ですが、このコントに出てくるような口が悪い人たちは、今日では「パワハラ、いじめ」に該当しますので、10年という時間の流れは文化を変えてしまうのだな、と感じました。
そして2007年にこの番組は終了します。その後は、スポット出演が多いようですが、重要な脇役が多いです。役柄の上でも、「先輩」から「管理職」等の役が増えてきました。もうここまで来るとベテランの領域です。
「オイシーのが好き」の頃は、セリフも少し怪しい感じでしたし、何より声が全然出ていません。そんな人が、いろいろな役を通じて成長されるのですね~。その他の同時期の女優さんが「バブリー」「昔の人」と、当人の思惑とは別に揶揄されてしまう中、松下さんは年齢に合わせて役柄を変えてきました。「本格的な俳優なんだなあ。」と思うばかりです。
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Posted at
2017/12/03 21:30:04