
この日、オークションで出品されていたRA63セリカ/カリーナ用のサージタンクセット、ディストリビューターを落札し、品物が到着しました。
18R-GEUは、ともすると「重い、回らない」と評価されがちですが、排気量がより小さい2T-G系とバルブ外径が同じで排気量がより大きなことから、中速回転時トルクはより強いのに、高速回転時のトルク落ち込みが大きいことから、「高回転時にトルクが低下する」印象がより強いのだと思います。
しかし、そんな18R-GEUの歴史を紐解くと、昭和56年に登場したRA63セリカ/カリーナでは高い評価が見られました。徳大寺有恒氏の「間違いだらけのクルマ選び」1982年版によると、「最近は18R-GEUが相当良くなっている」とのことでした。氏は故人となっていますので真偽の確かめようはありませんが、このフルモデルチェンジ時に行われた改善点を確かめることはできます。
当時の新型車解説書によると、エンジン本体はそのままに点火時期の変更が行われています。
アイドル点火時期:12度→16度
アイドルバキューム進角:なし→約3度
バキューム進角:7.5度/180mmHg→10度/290mmHg
(180mmHg時の進角量はそのままに、よりバキューム値が高い時の進角幅を増す。)
エンジン本体(圧縮比、バルブタイミング)や遠心進角値はそのままに、以上の点のみが変更されています。参考までに、未対策時期からの変遷を表にまとめました。なお、今回のディストリビューターのものを、便宜上LASERとしています。
昭和56年というと、トヨタは新エンジンシリーズの1G型や1S型を「LASER」を展開するだけでなく、既存のエンジンも大幅に改良している時でした。LASERシリーズはエンジン本体を改善すると名乗れたようで、4Kや3Aエンジンはそれぞれ「4K-Ⅱ」「3A-Ⅱ」と表記するほどでした。
同じDOHCエンジンの2T-GEUは、「燃焼室を半球型から多球室型へ、バルブタイミングはオーバーラップなしに、圧縮比は8.3から9.4へ、イグナイターはディストリビューター内蔵に」変更されています。
18R-GEUはエンジン本体に手が入れられておらず、後に登場するDOHCターボエンジンの3T-GTEU型の登場が決まっていたのでしょうか、静かな改良にとどまっていたようです。
もとより生産台数が少なかった「RA63、RT141」です。この機会を逃すと、二度と得られないと考えましたので、高額だとは思いましたが落札いたしました。かなり汚れていましたので、現在オーバーホール中です。涼しくなったら装着し、エンジンの吹け上がり具合の変化を調べたいと思っています。
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Posted at
2018/07/22 15:39:29